思いがけず、生き延びて

ゆりえる

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その日はやってきた⑸

思いがけず、生き延びて

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 私と似たような能力を持つpicoさんは、勝手に想像して申し訳無いけど、多分、私と同じような周りの現代人とは異なる容姿をしていて、長年、劣等感を感じながら生きて来たのかも知れない。

 それならば、picoさんも、今、私と同じように今までにないほどの充実を感じているのかも!

 こんなこの世の末期的な状況下なのに、何だか、自分の仲間的な人がいてくれる事が妙に嬉しくて、心が躍っている!

 宇宙人がこのように侵略しようと仕掛けなかったら、私は、私に備わっていた特性にすら気付けないまま、ただ劣等感だけしかない人間のまま一生を終えていたのかも知れない。
 ずっと、周りに対して違和感と劣等感しかないまま......

 この後に及んで、こんな事を思うのは、不謹慎かも知れないけど......

 宇宙人に感謝の思いを伝えたい!

 どんな出来事にも、そのいくつもの側面が有るから、パッと見での目立つ事だけでは決め付けられない事も有るんだって、教えてもらえた!

 ある人にとっては苦痛な事が、ある人にとっては吉事となる。
 
 今回は、大多数の地球人達にとっては不本意な侵略だけど、ごく少数の私やpicoさんのような普段からこの世界に馴染めずにいた人間達にとっては、不思議とワクワクしてしまう出来事となっている!

 Twitterだけでの告知だったはずが、あと残り12時間となった時、堰を切ったようにテレビやネットのニュースにも流れ出した。
 そこまで、Twitterで拡散してくれたフォロワー達に感謝したい!

 今や、日本のみならず、未開の地域を除いては全世界に情報が発信されている。

 未開の地域には、もしかすると、私のようなテレパシー受信能力を持つ人間が多いのかも知れない。
 それならば、メディアが無くても、大多数に、あのテレパシーが届いている事だろうし、誰も疑う余地など無いだろう。
 
 あと12時間弱。

 老若男女、裕福な人も貧困層も、全て等しく残されている時間。

 裕福な人々の中には、核シェルターが地下に有り、そこに、当面の食料や燃料などをストックしてある家庭も有るのかも知れない。
 そういう人々は、もしかすると、12時間後も生き延びている可能性が有るだろう。
 ただストックが切れた時に、地上に出た時には、今までと違う大気が地球を覆い、即死する可能性だって無きにしも非ずなのだが...... 

 そんな一握りいるかどうかの富裕層以外は、皆、12時間足らずの限られた時間しか猶予が無い。
 残された時間を把握しながら、各自が思い思いに過ごして欲しい。

 私は、どうしようか?

 もう、私に出来る事はしたつもりだ。

 そうだ、故郷の母に電話してみよう!
 両親は、この状況で、どう過ごす事を選んだのだろう?
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