思いがけず、生き延びて

ゆりえる

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まだ気付かない人達に⑶

思いがけず、生き延びて

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 大好きなラーメンで最後の腹ごしらえ後、帰宅する途中、かつての憧れの人を見かけ、懐かしいような微笑ましいような不思議な気持ちにさせられた。
 
 地球最後の日だからといって、私は、一緒に過ごしたりする相手なんていないのは残念だけど、でも、自分が働きかけた事によって、残された時間を少しでも有意義に過ごせる人達が増えた事を知っただけでも、自分なりに満足出来た。
 
 後は、家に戻って、入浴したり、好きな音楽聴きながら過ごそうかな。
 そのうち、眠くなったなら、そのままその睡眠欲に任せて、寝入ってしまおう。
 そうしたら、眠っている間に苦しむ事無く、キレイに終わってくれているのかも知れない。
 
 ......なんて、楽観的過ぎるかな?

 そんな楽して終わるなんて事出来ずに、苦しみながら最期を迎える事になるのだろうか? 
 急過ぎて、何も思い浮ばない。
 
 そもそも、地球人達を滅亡させようとしている宇宙人って、一体どんな人達なんだろう?
 
 でも、何だか不思議なんだけど、こんな恐ろしい事を遂行しようとしている宇宙人達なのに、なぜか私には、そんなに悪い人達に思えない。

 だって、本当に邪悪な存在だったなら、24時間の猶予なんて与える事無く、瞬殺する事だって可能なはずだもの!

 彼らは、その24時間残されている私達の行動を監視しているのかも知れない。
 その行動次第では、もしかすると、地獄に落とされたような最期を迎える人達もいるのかも知れないし、かと思えば、苦しまずに眠るように亡くなる人達もいるのかも知れない。

 だから、もしかすると、この24時間の使い方は、ある意味、とても重要なのかも知れない。
 なんてね、そんな事を考えてしまうのは、私だけなのかな?
 きっと、一緒に迎える相手もいない私だから、ついつい色んな事を想像してしまって......まあ、それくらい、私って、暇人で、宇宙人から見ても取るに足らない存在というか、大半の地球人と同じような評価をされるのかも知れない。

 でも、まあ、それならそれでいいんだ!

 だって、所詮、私は私でしか無いのだから。
 どんなに足掻いても、井谷君の奥さんみたいな人にはなれっこないし、誰からも相手にされないままなのだから!
 
 私、このままずっと、こんな調子で生きていって、惨めな思いばかり蓄積され続けるより、いっそ、皆と同時に果てるこの運命で正解だったのかも......なんてふうにすら思えてくる。

 私の年代の女子で、こんな最期が迫っている時に、こんな能天気な考えで、その時を待っていられるなんて人は、かなり少数派なんじゃないかな?
 
 宇宙人さん、私の頭の中は、あまり参考にならないので、スルーして下さいね!
 
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