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この広い地球上で⑵
思いがけず、生き延びて
しおりを挟む不思議なのは、何も考えずにひたすら歩いていると大丈夫なのに、ふと立ち止まって、自分は、なぜ飲み食べせず、こんなに長時間歩き続けていられるのかと考えた時。
急に現実に帰ったように、空腹感と息苦しさに襲われ、呼吸困難になる!
そんな時に、またあの声が聴こえて来た。
『まずは、深呼吸して、平静を取り戻すのです。今まで生きて来た時の固定観念を捨てなさい。あなたには出来るはずです』
固定観念?
飲食するとか、いつも通りではないような疑問に捕らわれる事だろうか?
『あなたは、原始の地球に降り立った、私達αケンタウリ星系からやって来た種族の末裔なのです。あなたの身体には、まだ私達と同じ遺伝子が残っているので、他の大多数の地球人達とは違う能力を留めています』
αケンタウリ星系から......?
どこかで聞いた事が有るような無いような......?
会社の同僚に、スピリチュアルにはまっている人がいて、日本人にはシリウスとかプレアデスからやって来た魂の人が多いとかという話が聴こえて来た事が有った。
その同僚からも、αケンタウリ星系というのは聴かなかったような......
だとしたら、どこで、その星の名前を耳にしていたのだろう?
あの大型UFOの宇宙人と同じ遺伝子......?
他の大多数の地球人とは違う......?
『太古の地球にて、最初は私達の種族と猿だけが、平和に暮らしていました。そのうち、この地球の情報を聞き付けた色んな宇宙から数多くの移植者達がやって来ました。その出身の星により色んな個性や外見の違う人間達や動物達が地球上に生活し始めました。動物達はすぐに自然に溶け込みましたが、人間達はやがて、文明化により自然を破壊し、権力に支配され、争いが尽きない世の中になりました。荒廃した地球は、地震や噴火や台風などの自浄作用を繰り返して来ましたが、もうそれでは追い付かず悲鳴をあげてました。それで、私達αケンタウリ星人を含めたスペース連合が満場一致で地球人の消滅を決定しました』
地球人の消滅に、私はなぜ含まれていなかったのだろう?
この進化に取り残されたと思っていた遺伝子のせい?
『そうです、その遺伝子ゆえに、あなたは生き残ったのです。今の大気は、あなた達が知っていた窒素の多いものでは無いのです。原始地球と同じ、二酸化炭素が大半で、気圧も数十倍も強い状態です。普通の地球人は生きられません』
今のこの空気の成分と気圧の強さでは、地球人の殆どが生き残れなかった!
どうして、そんな殺人級の大気の中で、私は、こんなに平然としていられるのだろう?
『気付いているはずですよ。あなたの身体は、今、密度を下げてます。あなたの身体には、どんな大気の状態でも身体を合う状態に変換できる遺伝子が組み込まれているのです。私達と同じ遺伝子を持つ地球人が、まだこの地球上に残っている事で、私達は安心しました。スペース連合は、地球をあなた達から奪い取る事はしません。もう一度、原始に戻り、この地球を実り多き楽園へと生まれ変わらせて下さい!』
新しい地球を託された?
そんな、私が、たった1人だけで、何が出来るのだろう?
『大丈夫です。私達と同じ遺伝子を持つ地球人は、あなただけではありません』
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