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シーン6 屋上

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SE3 屋上に聞こえる街の音

SE2 屋上扉の開閉音

*咲良、とぼとぼと入ってきてスポンジを洗い出す。

*しばらくして、響子がやってくる

SE2 屋上扉の開閉音

響子    「お疲れ様。」

咲良    「響子さん!」

響子    「寒いわね、ここ。」

咲良    「すみません!すぐ、終わりますから。」

響子    「良いわよ。急がなくて。」

咲良    「すみません、トロくて。」

響子    「スポンジ洗いは大切な仕事。私も昔、何千、何万と洗ったわ。」

 

*響子、咲良が使っている洗剤を見る。

 

響子    「へえ、気付いたんだ。」

咲良    「え?」

響子    「同じ洗剤じゃ落ちないものがあるでしょ。それぞれに合った洗剤を見つけないといけない。

       お客様も同じ。同じ化粧品じゃ、ダメ。その人に合った物を見つけてあげる。」

咲良    「え?」

BGM4 【 響子のテーマ 】 *CUT IN

 

響子    「だから、スピードじゃないのよ、大切なのは。」

咲良    「・・・はい!!!ありがとうございます!」

響子    「うん、良い笑顔ね。安心したわ。昨日の今日だから。」

咲良    「あの・・・。」

響子    「何?」

咲良    「やっぱり無くなっちゃうんですか、アムール。」

響子    「このままだとね。だけど私たちも、最後まで抵抗してみるつもり。」

咲良    「え。」

響子    「後で分かるわ・・・ねえ、あなた、確か商品PR志望だったわよね。」

咲良    「お、覚えてくれてるんですか。」

響子    「当然じゃない。ちゃんと見てるわよ。従業員の事を知るのも見るのも、私の大切な仕事だから。」

咲良    「響子さん・・・。」

響子    「戻るとき、メイクも直してらっしゃい。」

咲良    「はい。」

響子    「じゃあね。」

*響子、さろうとする

咲良    「響子さん!」

響子    「ん?」

咲良    「私、響子さんみたいな美容部員になりたいです!!」

響子    「・・・ありがとう。じゃあ、また後で。締め会議には顔出すから。」

咲良    「はい!」

響子    「頑張って」

*響子、しばらく咲良を見つめ、振り向くとさっきとは変わって、冷たい表情を浮かべ去っていく。

SE2 屋上扉の開閉音

BGM4 【 響子のテーマ 】 *CUT OUT

SE3 屋上に聞こえる町の音

*咲良、スポンジを洗い終え、支度をして追いかける途中でコスモスを気にかける。

 

咲良    「お前は強いね。自分で居場所、切り開いて作るんだから・・・

私も負けないように頑張らないと。」

*さくら、一つ大きく呼吸して、去っていく。

SE2 屋上扉の開閉音

*影から見ていたコスモ君が出てくる。

 咲良の後ろ姿にエールを送る。

*暗転
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