星の記憶

鳳聖院 雀羅

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第5証【創世記】

【創世記】ep.7『厄災の炎』

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一般兵「ガルーダ様!…まもなく日が暮れてしまいます!」
「夜になると、この辺り一帯は、ウィルスに侵された物達の狩場と化してしまいます!…」

ガルーダ「…ちっ!、仕方ない…」
「近くの寺院に一時避難…そして、夜明けを待つ!」
「ガーネーシャを救護班の騎馬車へ、…そして、メメントモリの捕縛を解き 私の騎馬車へ同乗させろ!」
「この辺りで、一番近い寺院は?…」

一般兵「小さな寺院ではありますが、アプサラス司祭の寺院が、ここから近いものかと…」

ガルーダ「では、そちらへ向かう!日暮れまで時間がない!急ぐぞ!」

一般兵「了解しました!」

ガルーダが空を見上げる
(ま、まずい!!…東の空から星が姿を現して来た!…)
(た、確か…今日は、満月だ!…)
(あの…光を、浴びる訳には…)
ガルーダは、兜を手に取ると 夜が近づくと言うのに それを深々と被った

ガルーダ「何をしている!?早く乗れ!!!!」
「そして、馬車のシェードを全て下ろすんだ!…早く!」

一般兵「…す、全て…ですか?…」

ガルーダ「そ、そうだ!全てだ!!…何をしている!?…聞こえなかったのか!? 早くしろ!!!」
(か、身体が…あ、熱い! 満月のせいか…通常よりも早く 地上に光が届いている!)

メメントモリ「何を そんなに慌てているんだ!?…」

ガルーダ「う…うるさい!! お前には、関係がない!……無駄な詮索はするな!!…」

メメントモリ「そういう訳には行かねぇだろ! ガーネーシャの事といい…お前の事といい…何もかもが 俺には未知で、異世界に 迷い込んだみたいだ!」
「こうとまで、考えてしまうよ…実は、俺は もう死んじまってて 地獄や冥界の類いに足を踏み入れたんだ…とな」

ガルーダ「地獄や冥界のほうが、まだ…生温いさ…」
「頼むから、寺院に着くまで おとなしくしていてくれ… 何も考え無くていい…気が抜けない!…」

メメントモリ「寺院…」
「確か、アプサラス…とか、言っていたよな?…」

ガルーダ「まさか!…そんな事まで、忘れてしまった!…なんか言わないよな?…」

メメントモリ「いや、大丈夫だ!…覚えている…」
「覚えては、いるが…俺の記憶では、アプサラスは 寺院ではなく、修道院だったはずだ…」
「俺は、誰かに付き添われ、幼少の頃 その場へ 連れて来られた」
「お前と…ガーネーシャと はじめて会った場所 そして、共に育った場所」
「…おっ!?珍しく何も言わねえってことは…この記憶だけは、まともだ…ってことか?…」

ガルーダ「断片的に記憶に障害をきたしているってことだな!…」

メメントモリ「今、考えたら 恐いぜ!…俺が、お前とガーネーシャの記憶を失っていて 最悪の状況下に立たされた俺は、お前達に斬りかかっていたかも知れないってことだろ!?…」

ガルーダ「ま、寺院に着いて 落ち着いたら 一度、今後の事について話合おう」
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