45 / 98
第3証【イブの断片】
【イブの断片編】ep.11『誘導弁論』
しおりを挟む
魔導師ゲイボルグ『どうなされたのですか?ファング殿?…手が震えて居るではありませんか?…これは、大変だ!』
『…あっ!…酒が切れたのですな?…これは失礼、私としたことが…』
『これ!何をしておるか?! 急ぎ、客人に酒の振る舞いをせぬか!…』
ファング『ぐっ!…ぐぐっ』
両の腕では、事足りず 唇を強く噛み締める
魔導師ゲイボルグ『寒空の下だと、サイラム殿の御老体にも堪えましょう、場所を移しましょう さぁさぁ、どうぞこちらに』
そう言いながら歩き始めるゲイボルグの後をサイラム達は、ゆっくりと着いていく
ファング『ぐっ!…おのれぇ!…』
サイラムがビスマルクを横目に視線を流す
ビスマルクはそのサイラムの視線を冷たい眼差しで見つめ返す
怒りに震えるファングの身体を擦りながら、ジャンヌはその後を追う
ジャンヌもビスマルクを横目に…
しかし、目が合うすれすれのところで視線を反らしてしまう
ジャンヌ『…姉さん…』
うつむきながらジャンヌは一言呟く
魔導師ゲイボルグ『さぁさぁ、どうぞ 少々堅苦しい場所ではございますが 腰を掛け、ゆっくりとおくつろぎください 今、係の者が酒と食事の用意をしておりますが故 しばしの間お時間を頂きたい!…』
騎士『…導師様、準備が整いました』
たくさんの食事と酒がテーブルの上に並べられる
魔導師ゲイボルグ『これこれ、ビスマルク!…貴女の御父上に御酌をして差し上げなさい…フフフ』
『しかし、あらためて見ても、ビスマルクはサラ様と瓜二つ』
『私も彼女を横目に見ていると、いつも生前のサラ様に姿を重ねてしまう 』
『そして、何時からで有ろう…サラ様のお声が耳の奥で聞こえる様になっていた』
『…はじめは、私のサラ様に対する想いが、幻聴として表れているのか?…そう自分に言い聞かせた』
『幾晩も、幾晩も、考えに考え 悩み悩みぬいて、ひとつの答えが導き出された』
『…なにゆえ意識がこの世に滞在するのか?まだこの世に未練があり、成せぬ偉業がそこにあるのか?…』
『それとも…ファング殿の犯した過ちを悔いておられるのか?…とも』
ファング『ぐっ!…ぐぐっ!…』
ジャキン!! ファングが剣を抜く
ファング『…おのれぇ!黙って聞いておれば!無礼千万!』
騎士達『導師様!』
即座に導師、ビスマルクの前に立ち塞がり剣を構える
魔導師ゲイボルグ『これこれ…あなた達、御行儀が悪いですよ、堪えなさい フフフ』
魔導師ゲイボルグ『……残念ですが…仕方ありませんね 先に刃を振りかざしたのは、貴殿方なのですからね お忘れなき様…この刃の矛先は我々に向けられている…と言うことは…
…破談と言わざるを得ませんよね?…ファング殿の一振りの刃が我等両者の共存共栄の道を断たれてしまわれたのだ!…』
バタン!ザーザーザーザー!
魔導師ゲイボルグ『…おや?雨ですか? なんとも嘆かわしいことだ…サラ様も嘆き悲しんで居られる…』
『…あっ!…酒が切れたのですな?…これは失礼、私としたことが…』
『これ!何をしておるか?! 急ぎ、客人に酒の振る舞いをせぬか!…』
ファング『ぐっ!…ぐぐっ』
両の腕では、事足りず 唇を強く噛み締める
魔導師ゲイボルグ『寒空の下だと、サイラム殿の御老体にも堪えましょう、場所を移しましょう さぁさぁ、どうぞこちらに』
そう言いながら歩き始めるゲイボルグの後をサイラム達は、ゆっくりと着いていく
ファング『ぐっ!…おのれぇ!…』
サイラムがビスマルクを横目に視線を流す
ビスマルクはそのサイラムの視線を冷たい眼差しで見つめ返す
怒りに震えるファングの身体を擦りながら、ジャンヌはその後を追う
ジャンヌもビスマルクを横目に…
しかし、目が合うすれすれのところで視線を反らしてしまう
ジャンヌ『…姉さん…』
うつむきながらジャンヌは一言呟く
魔導師ゲイボルグ『さぁさぁ、どうぞ 少々堅苦しい場所ではございますが 腰を掛け、ゆっくりとおくつろぎください 今、係の者が酒と食事の用意をしておりますが故 しばしの間お時間を頂きたい!…』
騎士『…導師様、準備が整いました』
たくさんの食事と酒がテーブルの上に並べられる
魔導師ゲイボルグ『これこれ、ビスマルク!…貴女の御父上に御酌をして差し上げなさい…フフフ』
『しかし、あらためて見ても、ビスマルクはサラ様と瓜二つ』
『私も彼女を横目に見ていると、いつも生前のサラ様に姿を重ねてしまう 』
『そして、何時からで有ろう…サラ様のお声が耳の奥で聞こえる様になっていた』
『…はじめは、私のサラ様に対する想いが、幻聴として表れているのか?…そう自分に言い聞かせた』
『幾晩も、幾晩も、考えに考え 悩み悩みぬいて、ひとつの答えが導き出された』
『…なにゆえ意識がこの世に滞在するのか?まだこの世に未練があり、成せぬ偉業がそこにあるのか?…』
『それとも…ファング殿の犯した過ちを悔いておられるのか?…とも』
ファング『ぐっ!…ぐぐっ!…』
ジャキン!! ファングが剣を抜く
ファング『…おのれぇ!黙って聞いておれば!無礼千万!』
騎士達『導師様!』
即座に導師、ビスマルクの前に立ち塞がり剣を構える
魔導師ゲイボルグ『これこれ…あなた達、御行儀が悪いですよ、堪えなさい フフフ』
魔導師ゲイボルグ『……残念ですが…仕方ありませんね 先に刃を振りかざしたのは、貴殿方なのですからね お忘れなき様…この刃の矛先は我々に向けられている…と言うことは…
…破談と言わざるを得ませんよね?…ファング殿の一振りの刃が我等両者の共存共栄の道を断たれてしまわれたのだ!…』
バタン!ザーザーザーザー!
魔導師ゲイボルグ『…おや?雨ですか? なんとも嘆かわしいことだ…サラ様も嘆き悲しんで居られる…』
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる