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4、スタンピード
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(茶番だな)
王国騎士団団長のレオハルト・クリューガー騎士爵は目の前の光景に憤っていた。
今日は先日の大型魔物の討伐に成功した、戦勝祝賀会である。
────騎士団員達の治療をしたのは聖女、という事にして。
レオハルト以外の出席者は、国王をはじめ、王妃、側妃、王太子、王太子妃、王子、王女、宰相、各大臣、高位貴族。教会からはペトロ大司教、クレメンス司教、そして聖女達である。
王国騎士団からはレオハルトしか呼ばれていないのは、余計な事を言わせないためだろう。
国王が開会の宣言をし、司会者によって今回の討伐の経緯が説明された。
詳細を知らない者達は、大型魔物の出現、討伐成功、重症者の治療について驚愕と称賛の声を上げた。
「発言、よろしいか?」
レオハルトが口を開いた。
事の次第を知っている司会者は困惑したが、本日の主役の言葉を無下にはできない。
「どうぞ」
「重症者を含め、怪我人達を治療した者がここには居ないが、どういう事か?」
特に詳細を知らない者達はざわついた。
ある貴族と教会の癒着を知っている高位貴族は察している。
金で買った聖女という立場。
信仰心の篤い者も多い。この国、いやこの大陸の者で女神の存在を信じていない者は居ない。この事が女神への冒涜、という事も理解しているのだ。
「そ、そこに居るではないか」
司会者は何故かドレス姿で出席している聖女達に目を向けた。(聖女には聖衣という専用の衣装があるのだが)
「私は事の詳細を報告書に正確に記載したはずだが?軍務大臣」
「わ、ワシは知らん」
「ほぉ。騎士団の報告書を知らん、と」
すると1人の高位貴族が声を上げた。
「発言、よろしいかな」
「ど、どうぞ」
司会者はこの状況をどうにかしようと藁にも縋る思いだった。
「騎士団長殿、詳しく教えて頂きたい」
「い、いや、それは、しかし」
司会者は何とか阻止しようとするが。
「事は聖女様に関わること、つまり女神様にも。それがどういう事か知らないとでも思っているのか?」
「わ、分かりました、どうぞ」
高位貴族の冷たい視線を感じた司会者は、やむを得ず許可をした。
「先の大型魔物の討伐での重症者は19名。その中でも10名は一刻も争う状態だった。そして中程度の負傷者は27名。その中で騎士の職を失う恐れがあった者が9名。更に軽症者は多数居た。これを治療したのは聖女見習いのカタリナ様、カトリーヌ様、キャサリン様だ。その中で指揮をしたのはカタリナ様だ」
「どういう事だ!」会場は騒然となった。
「証明できますかな」
ペトロ大司教が気持ちの悪い笑みで口を開いた。
「おい!入って来い」
事前に打ち合わせした通りに、重症者だった19名が会場に入って来た。
そして、先ほどレオハルトが説明した治療の詳細に間違いがないかを問うた。
「「「「「「「間違いありません」」」」」」」
そして、レオハルトは。
「彼らは騎士だ。命の恩人を嘘で裏切るとでも?」
「何たる事だ!」詳細を知らなかった者達は憤怒の声を上げた。と、その時。
カンカンカン♪カンカンカン♪カンカンカン♪
この国で100年以上鳴らなかった鐘が、今鳴り響いた。
そう。
スタンピードである。
「どうやら誰かさんの所為で、女神様はお怒りのようだ。お前等!行くぞ!」
「「「「「「「オーッ!」」」」」」」
国王を初め、動けなくなった者達を放って騎士団員達は会場から去った。
◆
レオハルトは騎士団本部に戻った。
副団長、各軍団長など主要人物は揃っていた。
「魔物の状況を報告しろ」
レオハルトの命令に偵察部隊の隊長が報告する。
「北の森、馬で3時間の所で小規模な魔物の群れを確認。討伐中に中規模が複数接近してきました。そして、遠方に少なくとも10体以上の大型魔物を確認したため撤退しました」
ベツレヘム王国の王都は、スタンピードに備えて堅牢な城壁に囲まれた城塞都市である。
「小型、中型魔物は問題ないと思いますが、大型魔物だと城壁は持たないでしょう」
「10体以上か、やっかいだな」
「全軍を投じるしかないと思いますが、全滅は時間の問題かと」
「いや、魔物も脅威だが、民衆のパニックや暴動も問題だ」
「災害訓練などしていませんね」
「とにかく民衆だ。第1、第2は安全区域への避難誘導を。落ち着いて、さも問題ない様に振る舞え。王族や貴族、教会関係者は放っておけ、邪魔をするなら拘束して放置して構わん。緊急事態だ、国家反逆罪を適用しろ。指揮は副団長のハルトマンだ」
王国騎士団副団長、エリアス・ハルトマン騎士爵。
エリアスという名前は騎士団に複数居るので、ハルトマンと呼ばれている。
「分かりました。それでその他は?」
「第4、第5は北の城壁で防衛する。俺が指揮をする」
「防ぎきれるでしょうか?」
「分からん。カタリナ達も連れていく。他に信頼出来るのは彼女達だけだ」
「それでは彼女達が危険では?」
「いや、どのみち彼女達は動く。それなら見える所に居たほうが守れる」
「なるほど。そうですね」
「よし!行動開始だ!」
「「「「了解!」」」」
王国騎士団員達はそれぞれの任務の行動を開始した。
◆
カタリナ達はレオハルト達と一緒に北の城壁の上に居た。
「暗いですね」カタリナが言った。
今は夕暮れ時。いつもならまだ少し明るい時間だが、暗い。
「瘴気が濃いからだろう」レオハルトは静かに答えた。
遠くからゴゴゴゴという低く重い音が聴こえてくる。
「彼女達はどの程度出来る?」
「カトリーヌは攻撃の聖魔法は使えますが、範囲攻撃は無理です。キャサリンは城壁を登ってくるのを落とすくらいは出来ます」
「あはは。聖女よりよほど優秀だ!」
第3軍と聖女達と討伐任務に同行した経験のあるレオハルトは笑った。
「対大型魔物用バリスタ、設置完了しました」
「投石機、設置完了しました」
「投擲武器集めれるだけ集めて来ました」
「弓兵隊、配置完了しました」
「各分隊、配置完了しました」
各部隊の準備が完了した。
「来ます」
カタリナが魔物の接近を知らせた。
小型の魔物は進行速度が速い。大きくなるほど遅くなる。
「戦闘準備!」
レオハルトの命令で各部隊は戦闘態勢となった。
ドンドンドンドン!
小型の魔物が城壁にぶつかる。
「攻撃しますか?」
「いや、まだ放っておけ」
小型の魔物は城壁で堰き止められているが、次々と波状攻撃のように小型の魔物が突撃してくる。
城壁の外側は小型の魔物が積み重なり小高い山となっていった。
「登ってくるのだけ槍で突き落とせ!」
ガンガンガンガン!
中型の魔物が小型の魔物の山を押しのけて城壁にぶつかる。
ビリビリと城壁の上の床が振動する。
「ちょっと払ってみますね」
「何をするんだ?」
カタリナは答えず、にっこりと微笑んだ。
「聖なる雨」
光の雨が小山となった魔物の群れに降り注いだ。
ジュワっと蒸発するように魔物は一瞬で消滅した。
「す、凄い」
騎士団員達は、カタリナが放った攻撃の広範囲聖魔法の威力、そしてその(聖魔法の)美しさに驚愕の声を上げた。
広範囲で魔物を消滅させた、とはいえ複数ある魔物の小山の一番大きかったものの1つに過ぎない。
ドドドドドド!
「何だ?」
「中型の魔物の動きが速くなりました」
「そんな事があるのか?」
「あれだ」
レオハルトはそれを指さした。
「お、大型魔物」
「あれから逃げているのだろう」
「そ、そんな事が…」
「魔物は知能は無いが、本能はあるかも知れない、と聞いたことがある。人の多いところを目指すのも本能では?と」
「なるほど」
中型魔物が積み重なり、階段のようになっている。
「マズい、登ってくるぞ」
「カトリーヌ、あの中型のをお願い」
「分かりました」
カトリーヌはトコトコと階段のようになっている所へ向かい、立ち止まると。
「聖なる槍」
光の槍が放たれ、複数の中型魔物を串刺しにして消滅させた。
「な、なんと中型を一度で」
ベテランの騎士団員でさえカトリーヌの攻撃の聖魔法の威力に驚いた。
「大型魔物接近!」
「バリスタ、投石機攻撃開始!」
シュバー!
ブオン!
バリスタの巨大槍や投石機から放たれた石が大型魔物に降り注ぐ。
「ダメか」
「いや、ダメージはある。攻撃をつづけろ!」
「了解」
「別の大型魔物接近」
「なんだと!」
大型魔物の波状攻撃は不味い。防ぎきれない。
「聖なる十字」
カタリナは高位の聖魔法を放った。
光の十の字が大型魔物に命中し、一瞬で消滅させた。
「これが聖女の力か」
頭では分かってはいた。騎士団員が数十人で、怪我人を大勢出してやっと倒せるような大型魔物が一瞬で。
レオハルトは聖女の力を目の当たりにしてその威力を心から理解した。
「大型魔物また来ます。3体です」
「マズイな」
「中型魔物が城壁の上に侵入しました」
「何?」
カトリーヌとキャサリンが侵入した中型魔物の所へ走って行った。
「おい!お嬢ちゃん達。そっちは危ないぞ!」
騎士団員の言葉も聞かず、キャサリンは中型魔物に近づいた。
「聖なる波」
光の波が侵入した中型魔物の足を滑らせるようになって、その場から動けなくなった。
「カトリーヌさんいいですよ」
「聖なる矢」
「聖なる矢」
「聖なる矢」
「聖なる矢」
聖なる矢の連続攻撃によって、侵入した中型魔物は消滅した。
「あはは。参ったな、これは」
ベテランの騎士団員でも苦労する事を10歳くらいの子供2人で簡単にされてしまい、苦笑いするのだった。
「俺らも負けちゃいられねぇな」
小さな聖女見習いの戦いを見て、騎士団員達の士気は上がった。
そして、迫りくる魔物を次々と倒していった。
ドーン!
遂に大型魔物が城壁に激突した。
王国騎士団団長のレオハルト・クリューガー騎士爵は目の前の光景に憤っていた。
今日は先日の大型魔物の討伐に成功した、戦勝祝賀会である。
────騎士団員達の治療をしたのは聖女、という事にして。
レオハルト以外の出席者は、国王をはじめ、王妃、側妃、王太子、王太子妃、王子、王女、宰相、各大臣、高位貴族。教会からはペトロ大司教、クレメンス司教、そして聖女達である。
王国騎士団からはレオハルトしか呼ばれていないのは、余計な事を言わせないためだろう。
国王が開会の宣言をし、司会者によって今回の討伐の経緯が説明された。
詳細を知らない者達は、大型魔物の出現、討伐成功、重症者の治療について驚愕と称賛の声を上げた。
「発言、よろしいか?」
レオハルトが口を開いた。
事の次第を知っている司会者は困惑したが、本日の主役の言葉を無下にはできない。
「どうぞ」
「重症者を含め、怪我人達を治療した者がここには居ないが、どういう事か?」
特に詳細を知らない者達はざわついた。
ある貴族と教会の癒着を知っている高位貴族は察している。
金で買った聖女という立場。
信仰心の篤い者も多い。この国、いやこの大陸の者で女神の存在を信じていない者は居ない。この事が女神への冒涜、という事も理解しているのだ。
「そ、そこに居るではないか」
司会者は何故かドレス姿で出席している聖女達に目を向けた。(聖女には聖衣という専用の衣装があるのだが)
「私は事の詳細を報告書に正確に記載したはずだが?軍務大臣」
「わ、ワシは知らん」
「ほぉ。騎士団の報告書を知らん、と」
すると1人の高位貴族が声を上げた。
「発言、よろしいかな」
「ど、どうぞ」
司会者はこの状況をどうにかしようと藁にも縋る思いだった。
「騎士団長殿、詳しく教えて頂きたい」
「い、いや、それは、しかし」
司会者は何とか阻止しようとするが。
「事は聖女様に関わること、つまり女神様にも。それがどういう事か知らないとでも思っているのか?」
「わ、分かりました、どうぞ」
高位貴族の冷たい視線を感じた司会者は、やむを得ず許可をした。
「先の大型魔物の討伐での重症者は19名。その中でも10名は一刻も争う状態だった。そして中程度の負傷者は27名。その中で騎士の職を失う恐れがあった者が9名。更に軽症者は多数居た。これを治療したのは聖女見習いのカタリナ様、カトリーヌ様、キャサリン様だ。その中で指揮をしたのはカタリナ様だ」
「どういう事だ!」会場は騒然となった。
「証明できますかな」
ペトロ大司教が気持ちの悪い笑みで口を開いた。
「おい!入って来い」
事前に打ち合わせした通りに、重症者だった19名が会場に入って来た。
そして、先ほどレオハルトが説明した治療の詳細に間違いがないかを問うた。
「「「「「「「間違いありません」」」」」」」
そして、レオハルトは。
「彼らは騎士だ。命の恩人を嘘で裏切るとでも?」
「何たる事だ!」詳細を知らなかった者達は憤怒の声を上げた。と、その時。
カンカンカン♪カンカンカン♪カンカンカン♪
この国で100年以上鳴らなかった鐘が、今鳴り響いた。
そう。
スタンピードである。
「どうやら誰かさんの所為で、女神様はお怒りのようだ。お前等!行くぞ!」
「「「「「「「オーッ!」」」」」」」
国王を初め、動けなくなった者達を放って騎士団員達は会場から去った。
◆
レオハルトは騎士団本部に戻った。
副団長、各軍団長など主要人物は揃っていた。
「魔物の状況を報告しろ」
レオハルトの命令に偵察部隊の隊長が報告する。
「北の森、馬で3時間の所で小規模な魔物の群れを確認。討伐中に中規模が複数接近してきました。そして、遠方に少なくとも10体以上の大型魔物を確認したため撤退しました」
ベツレヘム王国の王都は、スタンピードに備えて堅牢な城壁に囲まれた城塞都市である。
「小型、中型魔物は問題ないと思いますが、大型魔物だと城壁は持たないでしょう」
「10体以上か、やっかいだな」
「全軍を投じるしかないと思いますが、全滅は時間の問題かと」
「いや、魔物も脅威だが、民衆のパニックや暴動も問題だ」
「災害訓練などしていませんね」
「とにかく民衆だ。第1、第2は安全区域への避難誘導を。落ち着いて、さも問題ない様に振る舞え。王族や貴族、教会関係者は放っておけ、邪魔をするなら拘束して放置して構わん。緊急事態だ、国家反逆罪を適用しろ。指揮は副団長のハルトマンだ」
王国騎士団副団長、エリアス・ハルトマン騎士爵。
エリアスという名前は騎士団に複数居るので、ハルトマンと呼ばれている。
「分かりました。それでその他は?」
「第4、第5は北の城壁で防衛する。俺が指揮をする」
「防ぎきれるでしょうか?」
「分からん。カタリナ達も連れていく。他に信頼出来るのは彼女達だけだ」
「それでは彼女達が危険では?」
「いや、どのみち彼女達は動く。それなら見える所に居たほうが守れる」
「なるほど。そうですね」
「よし!行動開始だ!」
「「「「了解!」」」」
王国騎士団員達はそれぞれの任務の行動を開始した。
◆
カタリナ達はレオハルト達と一緒に北の城壁の上に居た。
「暗いですね」カタリナが言った。
今は夕暮れ時。いつもならまだ少し明るい時間だが、暗い。
「瘴気が濃いからだろう」レオハルトは静かに答えた。
遠くからゴゴゴゴという低く重い音が聴こえてくる。
「彼女達はどの程度出来る?」
「カトリーヌは攻撃の聖魔法は使えますが、範囲攻撃は無理です。キャサリンは城壁を登ってくるのを落とすくらいは出来ます」
「あはは。聖女よりよほど優秀だ!」
第3軍と聖女達と討伐任務に同行した経験のあるレオハルトは笑った。
「対大型魔物用バリスタ、設置完了しました」
「投石機、設置完了しました」
「投擲武器集めれるだけ集めて来ました」
「弓兵隊、配置完了しました」
「各分隊、配置完了しました」
各部隊の準備が完了した。
「来ます」
カタリナが魔物の接近を知らせた。
小型の魔物は進行速度が速い。大きくなるほど遅くなる。
「戦闘準備!」
レオハルトの命令で各部隊は戦闘態勢となった。
ドンドンドンドン!
小型の魔物が城壁にぶつかる。
「攻撃しますか?」
「いや、まだ放っておけ」
小型の魔物は城壁で堰き止められているが、次々と波状攻撃のように小型の魔物が突撃してくる。
城壁の外側は小型の魔物が積み重なり小高い山となっていった。
「登ってくるのだけ槍で突き落とせ!」
ガンガンガンガン!
中型の魔物が小型の魔物の山を押しのけて城壁にぶつかる。
ビリビリと城壁の上の床が振動する。
「ちょっと払ってみますね」
「何をするんだ?」
カタリナは答えず、にっこりと微笑んだ。
「聖なる雨」
光の雨が小山となった魔物の群れに降り注いだ。
ジュワっと蒸発するように魔物は一瞬で消滅した。
「す、凄い」
騎士団員達は、カタリナが放った攻撃の広範囲聖魔法の威力、そしてその(聖魔法の)美しさに驚愕の声を上げた。
広範囲で魔物を消滅させた、とはいえ複数ある魔物の小山の一番大きかったものの1つに過ぎない。
ドドドドドド!
「何だ?」
「中型の魔物の動きが速くなりました」
「そんな事があるのか?」
「あれだ」
レオハルトはそれを指さした。
「お、大型魔物」
「あれから逃げているのだろう」
「そ、そんな事が…」
「魔物は知能は無いが、本能はあるかも知れない、と聞いたことがある。人の多いところを目指すのも本能では?と」
「なるほど」
中型魔物が積み重なり、階段のようになっている。
「マズい、登ってくるぞ」
「カトリーヌ、あの中型のをお願い」
「分かりました」
カトリーヌはトコトコと階段のようになっている所へ向かい、立ち止まると。
「聖なる槍」
光の槍が放たれ、複数の中型魔物を串刺しにして消滅させた。
「な、なんと中型を一度で」
ベテランの騎士団員でさえカトリーヌの攻撃の聖魔法の威力に驚いた。
「大型魔物接近!」
「バリスタ、投石機攻撃開始!」
シュバー!
ブオン!
バリスタの巨大槍や投石機から放たれた石が大型魔物に降り注ぐ。
「ダメか」
「いや、ダメージはある。攻撃をつづけろ!」
「了解」
「別の大型魔物接近」
「なんだと!」
大型魔物の波状攻撃は不味い。防ぎきれない。
「聖なる十字」
カタリナは高位の聖魔法を放った。
光の十の字が大型魔物に命中し、一瞬で消滅させた。
「これが聖女の力か」
頭では分かってはいた。騎士団員が数十人で、怪我人を大勢出してやっと倒せるような大型魔物が一瞬で。
レオハルトは聖女の力を目の当たりにしてその威力を心から理解した。
「大型魔物また来ます。3体です」
「マズイな」
「中型魔物が城壁の上に侵入しました」
「何?」
カトリーヌとキャサリンが侵入した中型魔物の所へ走って行った。
「おい!お嬢ちゃん達。そっちは危ないぞ!」
騎士団員の言葉も聞かず、キャサリンは中型魔物に近づいた。
「聖なる波」
光の波が侵入した中型魔物の足を滑らせるようになって、その場から動けなくなった。
「カトリーヌさんいいですよ」
「聖なる矢」
「聖なる矢」
「聖なる矢」
「聖なる矢」
聖なる矢の連続攻撃によって、侵入した中型魔物は消滅した。
「あはは。参ったな、これは」
ベテランの騎士団員でも苦労する事を10歳くらいの子供2人で簡単にされてしまい、苦笑いするのだった。
「俺らも負けちゃいられねぇな」
小さな聖女見習いの戦いを見て、騎士団員達の士気は上がった。
そして、迫りくる魔物を次々と倒していった。
ドーン!
遂に大型魔物が城壁に激突した。
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