【完結】北の森の魔女

カムナ リオ

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第1話「禁忌の森」

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 むかし、むかし、
 あるところに小さな王国がありました。
 
 その王国より北に、魔女まじょむとされている、深い森がありました。

 魔女の力をおそれた王国は、長い間、北の森に近づくことをきんじていました。

 もちろん魔女の力が恐ろしい国民たちも、森に近づくことはありませんでした。

 ところが、王国の王子が遠乗とおのりの途中とちゅうあやまって北の森に入ってしまったのです。

 森はけわしく深く、迷路めいろのようでした。

 王子は森の中で何日も迷い、怪我けがを負い、ついにはつかれと空腹くうふくで、たおれてしまったのです。

 そんな王子の前に、銀色の髪をたずさえた少女が現れました。

 少女は王子を抱え上げると、森のおくに消えていきました。

 

つづく
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