150 / 220
第二章 耽溺
第六十九話
しおりを挟む身体から男を溺れさせておいて、嫁やガキから興味をなくしてしまう。
けど香奈の悪魔的な賢さは男とのつき合いかたにある。嫁に疑われねえよう徹底するルールみてえなもんがあるんだと。
まずは連絡方法だが、メールやline直電すらしねえ。証拠を残さねえためらしい。いくらやり取りを削除しても、不自然な形跡は残るもんだ。それを嫁が盗み見すりゃ一発でバレる。
しかも男ってのは、どうしても顔や態度に出ちまう。どう巧くつくろっていようが女の妙な勘には勝てねえもんだ、少しでもキョドッてりゃ見抜かれる。
それから必殺のテンプレ、スマホを片時も離さねえ、ンでロックをかけるようになる。そんなの嫁からすりゃ疑ってください、スマホ確認してくださいつってるようなもんだ。
だから香奈は証拠が残る手段でのやり取りはしねえらしい。
残す証拠は脳内にだけ、週ごとにあらかたの予定を立てておきインプットし合う。それから昼間にカフェで待ち合わせ、男にメモを渡してその日の待ち合わせ時間を提示。
当然そのメモは処分させ、仕事あがりは別々にホテルに直行、事を終えりゃ解散というサイクル。そうして男を溺れさせておいて、タイミングを計り男に別れ話を持ち出す。
すると男は香奈にすがり、「だったら嫁と別れてきて。これ以上コソコソするのは嫌」と伝家の宝刀を爆撃、あとは男が自ら家庭を壊してネギ背負って戻ってくるつーわけ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
102
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる