ミーちゃん日和

みるく♪

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野良ニャンをシャンプーした日のこと

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昨日の雨あがり
今日は青空

やさしい春風が町を抱く

『ニャオン』
野良ニャン(※)が ミーちゃんに
会いに来たよ

でも
いつもと様子が違う

顔が傷だらけ
からだは泥まみれ

「ケガしてるね、ケンカしたの?
おいで、洗ってあげる。
お薬も つけましょう」

とにかく抱っこして
お風呂場へ連れて行った

ぬるま湯のシャワーで
汚れを洗い流した

薄めたシャンプーで
じゃぶじゃぶ洗った

いくつもの草のタネが
針のように鋭く
からだに刺さっていた

動物の毛につく植物のタネは
こんなふうにして
動物の からだを
傷つけているんだね

「かわいそうに。
よしよし、痛かったね」

話しかけながら
ひとつずつタネを抜き取り
洗い流した

『ニャオン  ニャオン、ニャオン』

野良ニャンは
気持ちよさそうに目を閉じて
のどをゴロゴロ鳴らした

「さあ。おしまいに、お薬つけましょうね」

傷口に薬をつけて
ミーちゃん用のタオルに くるんだ

きれいになった野良ニャンは
からだが乾くまで
しばらくの間
お昼寝したよ

ミーちゃんは少し離れたところから
静かに野良ニャンを見守っていた

・・・

お昼寝から覚めた野良ニャンは
シャンプーの いい匂いを させながら

『ニャオン  ニャオン、ニャオン』
どうしても外へ出たいと鳴いて

また、外の世界へ
帰って行った

「いつでもおいでね。
うちの子に なってもいいんだよ」

声を かけると
振り返って
しっぽを くるんくるん

『ニャアー』
小さく返事して
去って行った

暴れもせず爪も立てず
おとなしく
からだを洗わせてくれた野良ニャンは

かつては
飼い猫だったのではないかな?

そう考えると
心がチクチク痛いよ

※野良ニャン=時々ミーちゃんに会いに来る野良猫です
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