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五年前のプロローグ
しおりを挟むむかしむかし。
とは言っても五年ほど前のこと。
リリーナ・リインレイト公爵家令嬢が断罪されました。
彼女はとある男爵令嬢に対してイジメを繰り返し、ドレスを破ったり階段から突き落としたりするなど危険な行為を繰り返していたというのです。
もちろん、実際にそのようなことはなく。リリーナの実家と対立関係にある派閥が仕組んだ冤罪だったのですが。まだ15歳だったリリーナにはどうしようもできないことでした。
冤罪を押しつけられ、婚約者である王太子から婚約を破棄されたリリーナは、罰として『オークのようだ』と忌み嫌われる醜悪なギュラフ公爵の後妻となることを命じられました。
年齢差、およそ35。
社交界では誰も彼もが『ざまぁないわ』とリリーナを冷笑しました。
しかし、数ヶ月後に事態は一変。
密かに行われていた調査によりリリーナの冤罪が認められ、嘘の証言を行った男爵令嬢は投獄。冤罪でリリーナを断罪した王太子は廃嫡されてしまったのです。
もちろん、王家からはリリーナへ謝罪を行った上でギュラフ公爵との結婚を取り消すとの打診がありました。
しかし、リリーナ公爵令嬢――公爵夫人はそれを固辞。ギュラフ公爵との年の差がありすぎる婚姻状態を継続したのです。
そうして。35歳差の結婚生活はあっという間に4年が過ぎ去って。
ギュラフ公爵が病に倒れた。そんな噂が社交界を賑わせました。
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