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毒殺未遂
李さんは医局の中でも偉い人間らしい。というわけで、医官を集めて鑑定、回復魔法使いがいるかどうか探すことになった。まずは医療知識がある人の方が短期間でものになるし。
「医官は全て太妃派ですが、よろしいですか?」
「えぇ別にこちらは気にしませんので――」
と、そんなやり取りをしていると、
「嬢ちゃん!」
先ほど梓宸と一緒に会食へと向かったはずの孫武さんが駆けてきた。うわ、速い。土煙上がっているわね……。人間というか猛牛というか……。
「孫武さん、どうしました?」
「嬢ちゃん! 大臣が毒を食ったらしい! すぐに来てくれ!」
「はえ? 毒?」
また毒? この前雪花ちゃんの騒ぎがあったばかりなのに? 宮中ってこういうの多すぎない? そのうちお偉いさんが全員毒殺されるのでは?
おっと、今はそんなことを考えている場合じゃないか。
「急ぎなら縮地で向かいましょう。場所を頭の中で思い浮かべてください」
「こうか?」
孫武さんが目をつぶり、毒事件があったという場所を思い浮かべた。その場所に向かって縮地する。――孫武さんを横抱きにしてから。
「おぉおおおぅ!?」
自分も縮地するとは思ってなかったのか、情けない声を上げる孫武さんだった。新鮮。ちょっと面白い。もう一回やってみようかしら? ……いやいやそんな場合じゃなくて。
室内を見渡してみると、人だかりが。どうやらあの中心に毒殺未遂人がいるっぽいわね。
「すみませーん、ちょっといいですかー」
人混みをかき分けながら中心部に到達すると、腹の出た中年男性が倒れていた。医官らしき人が粉にした炭を食べさせているわね。まぁ『毒』となれば一般的な処置かしら。どれほど効果があるかは置いておくとして。
ふむ。失神した上に痙攣。胃が痛いのか手で押さえているわね。どうやらヒ素の急性中毒みたいだ。またヒ素かいって感じだ。宮殿って普通の人間が生きるのに辛い場所すぎない……?
こわいところだなぁっと生まれたての子鹿みたいに震えながら治療する。この辺は慣れたものなので特に問題なく終了した。
顔色は良くなり、呼吸も安定。端から見ても「もう大丈夫だ」と理解できるはずだ。
ふぅ、良いことをしたあとは気持ちいいわねーっと額の汗(特に流れてはいない)を拭っていると――
「――この女が犯人だ!」
と、文官らしき男が叫んだ。
彼が指差しているのは……私? なんで?
「医官は全て太妃派ですが、よろしいですか?」
「えぇ別にこちらは気にしませんので――」
と、そんなやり取りをしていると、
「嬢ちゃん!」
先ほど梓宸と一緒に会食へと向かったはずの孫武さんが駆けてきた。うわ、速い。土煙上がっているわね……。人間というか猛牛というか……。
「孫武さん、どうしました?」
「嬢ちゃん! 大臣が毒を食ったらしい! すぐに来てくれ!」
「はえ? 毒?」
また毒? この前雪花ちゃんの騒ぎがあったばかりなのに? 宮中ってこういうの多すぎない? そのうちお偉いさんが全員毒殺されるのでは?
おっと、今はそんなことを考えている場合じゃないか。
「急ぎなら縮地で向かいましょう。場所を頭の中で思い浮かべてください」
「こうか?」
孫武さんが目をつぶり、毒事件があったという場所を思い浮かべた。その場所に向かって縮地する。――孫武さんを横抱きにしてから。
「おぉおおおぅ!?」
自分も縮地するとは思ってなかったのか、情けない声を上げる孫武さんだった。新鮮。ちょっと面白い。もう一回やってみようかしら? ……いやいやそんな場合じゃなくて。
室内を見渡してみると、人だかりが。どうやらあの中心に毒殺未遂人がいるっぽいわね。
「すみませーん、ちょっといいですかー」
人混みをかき分けながら中心部に到達すると、腹の出た中年男性が倒れていた。医官らしき人が粉にした炭を食べさせているわね。まぁ『毒』となれば一般的な処置かしら。どれほど効果があるかは置いておくとして。
ふむ。失神した上に痙攣。胃が痛いのか手で押さえているわね。どうやらヒ素の急性中毒みたいだ。またヒ素かいって感じだ。宮殿って普通の人間が生きるのに辛い場所すぎない……?
こわいところだなぁっと生まれたての子鹿みたいに震えながら治療する。この辺は慣れたものなので特に問題なく終了した。
顔色は良くなり、呼吸も安定。端から見ても「もう大丈夫だ」と理解できるはずだ。
ふぅ、良いことをしたあとは気持ちいいわねーっと額の汗(特に流れてはいない)を拭っていると――
「――この女が犯人だ!」
と、文官らしき男が叫んだ。
彼が指差しているのは……私? なんで?
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