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地下ダンジョン
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その後色々と試した結果。
中級魔法を受け止めるには四角い結界が小さすぎたのだろうという結論に達した。大規模な攻撃魔法を無理やり小さな結界に詰め込んだ形になり、結界が耐えきれずに爆発してしまったと。
前世で言うと圧縮釜の圧力が高まっても水蒸気が逃げるよう設計されているのに、それができなくなって圧力が高まり、爆発しちゃった、みたいな?
(これはこれで新しい攻撃魔法になりそうな?)
あとで実験してみよう。……安全性を十分に確保した上で。
結果として。攻撃魔法を受け止める四角い結界は地下室の半分ほどの大きさで作れば安全だという結論に至った。
結論が出れば、あとはひたすらレベリングだ。
最近の私は毎日魔力が空になるまで中級攻撃魔法を放ち、睡眠中に魔力を回復。また魔力を空にして――というのを繰り返しているので、魔力総量はとうとう10万の大台に乗った。比較対象がアリスだけなので自信はないけど、かなり多いはず。
というわけで。攻撃魔法の練習は順調だし、それを受け止めている結界魔法もレベルが上がり続けている。そろそろ自動防御を獲得できないかな?
そんな私には新たな悩みが出てきた。
「うーーーん……」
中級攻撃魔法も習熟したので、上級の攻撃魔法に進んでもいいという感覚はある。魔法の教本を鑑定した結果として表示された適正レベルにも到達したし。
でも、さすが上級だけあって呪文詠唱は長いし、ステータス画面の魔法欄で確認したところ、消費魔力もかなりのものになるらしい。
つまり、それだけ大規模&高威力の魔法になることが予想できるのであり。
「そろそろ地下室での訓練にも限界が……」
なにせ中級魔法の訓練だけでもう地下室の半分ほどを四角い結界で占めなければいけなくなったし。上級ともなれば地下室全体を結界で覆っても足りない可能性がある。下手をすれば地下室崩壊だ。
「どこか訓練できる場所……。王都の中で上級攻撃魔法を使ったら捕まりそうだし、荒野とか、もっと広い地下空間に移動しないと……」
『みゃ?』
広い場所が必要なの? みたいに首をかしげるミャー。
『みゃっ!』
てしてし、っと。床に描かれた魔法陣の真ん中を前足で叩くミャー。
「え? もしかして、まだ地下があるの?」
『みゃっ!』
何でそんなものを知っているんだろう? 探知魔法でも使ったのかな?
「どれどれ……?」
鑑定眼を起動して、ミャーが前足で叩いているところを凝視する。
でも、何も見えない。
何かあるなら『地下への入り口』みたいな感じで表示されるはずなのだけど……。
「いや、私の鑑定眼のレベルが低いだけかな?」
ミャーの行動を信じて、床を凝視し続ける。見えろ~、見えろ~、何かあるはずだ~。
≪――鑑定眼のレベルが上昇しました≫
「おっ」
見えた。
見えた、のは、いいのだけど……。
――王都地下ダンジョン入り口?
◇
え? 王都にダンジョンがあるの?
『みゃ?』
知らなかったの? と首をかしげるミャー。知らんわい。物心つく前から冷遇されてた軟禁娘なのだから。
「ダンジョン、ダンジョンか……」
中が広いなら攻撃魔法の練習もできるし、低い階層なら危険な魔物も出ないはず。こっちには何度も魔物を狩っているミャーがいるし、私も中級魔法までなら使いこなせるようになってきた。ここはちょっとダンジョンに潜ってみてもいいんじゃないかな?
もちろん、目的は軟禁状態から脱出して生き延びることなので、ダンジョン攻略なんて目指さないけどね。
「じゃあ、ダンジョンに潜ってみる?」
『みゃっ!』
守ってあげるから安心して! とばかりに前足を上げるミャーだった。
「あとは、どうやってダンジョンの入り口を開けるのかだけど……」
地下室への入り口の隠し方からして、またなにか仕掛けがあるかもしれない。
でも、地下にあった本についてはもう全部確認済みだし、他に装飾品らしきものもない。
「こういうときは、定番として――開け、ゴマ!」
アラビアンナイトの有名な呪文を唱えてみるも、何の反応もなし。そりゃそうか。そもそも異世界なのだから。
『みゃー……』
ミャーの視線がなんだか痛い気がする。
やれやれと鼻を鳴らしたミャーが前足をダンジョン入り口の床に置き――魔力を通した。
僅かな震動と共に床が動き、人が通れるくらいの四角い穴が姿を現す。
その先に続いているのは石造りの階段と、真っ黒な空間。
「……開けられるなら先に開けてくれれば良かったじゃーん」
『みゃみゃ』
クスクスと笑っている(ように見える)ミャーだった。もしかして結構いい性格しているのだろうか?
「ま、いいや。リーナ探検隊、ダンジョンへ潜入します!」
『みゃっ!』
一人と一匹となった探検隊は、今堂々とダンジョンに足を踏み入れたのだった。
中級魔法を受け止めるには四角い結界が小さすぎたのだろうという結論に達した。大規模な攻撃魔法を無理やり小さな結界に詰め込んだ形になり、結界が耐えきれずに爆発してしまったと。
前世で言うと圧縮釜の圧力が高まっても水蒸気が逃げるよう設計されているのに、それができなくなって圧力が高まり、爆発しちゃった、みたいな?
(これはこれで新しい攻撃魔法になりそうな?)
あとで実験してみよう。……安全性を十分に確保した上で。
結果として。攻撃魔法を受け止める四角い結界は地下室の半分ほどの大きさで作れば安全だという結論に至った。
結論が出れば、あとはひたすらレベリングだ。
最近の私は毎日魔力が空になるまで中級攻撃魔法を放ち、睡眠中に魔力を回復。また魔力を空にして――というのを繰り返しているので、魔力総量はとうとう10万の大台に乗った。比較対象がアリスだけなので自信はないけど、かなり多いはず。
というわけで。攻撃魔法の練習は順調だし、それを受け止めている結界魔法もレベルが上がり続けている。そろそろ自動防御を獲得できないかな?
そんな私には新たな悩みが出てきた。
「うーーーん……」
中級攻撃魔法も習熟したので、上級の攻撃魔法に進んでもいいという感覚はある。魔法の教本を鑑定した結果として表示された適正レベルにも到達したし。
でも、さすが上級だけあって呪文詠唱は長いし、ステータス画面の魔法欄で確認したところ、消費魔力もかなりのものになるらしい。
つまり、それだけ大規模&高威力の魔法になることが予想できるのであり。
「そろそろ地下室での訓練にも限界が……」
なにせ中級魔法の訓練だけでもう地下室の半分ほどを四角い結界で占めなければいけなくなったし。上級ともなれば地下室全体を結界で覆っても足りない可能性がある。下手をすれば地下室崩壊だ。
「どこか訓練できる場所……。王都の中で上級攻撃魔法を使ったら捕まりそうだし、荒野とか、もっと広い地下空間に移動しないと……」
『みゃ?』
広い場所が必要なの? みたいに首をかしげるミャー。
『みゃっ!』
てしてし、っと。床に描かれた魔法陣の真ん中を前足で叩くミャー。
「え? もしかして、まだ地下があるの?」
『みゃっ!』
何でそんなものを知っているんだろう? 探知魔法でも使ったのかな?
「どれどれ……?」
鑑定眼を起動して、ミャーが前足で叩いているところを凝視する。
でも、何も見えない。
何かあるなら『地下への入り口』みたいな感じで表示されるはずなのだけど……。
「いや、私の鑑定眼のレベルが低いだけかな?」
ミャーの行動を信じて、床を凝視し続ける。見えろ~、見えろ~、何かあるはずだ~。
≪――鑑定眼のレベルが上昇しました≫
「おっ」
見えた。
見えた、のは、いいのだけど……。
――王都地下ダンジョン入り口?
◇
え? 王都にダンジョンがあるの?
『みゃ?』
知らなかったの? と首をかしげるミャー。知らんわい。物心つく前から冷遇されてた軟禁娘なのだから。
「ダンジョン、ダンジョンか……」
中が広いなら攻撃魔法の練習もできるし、低い階層なら危険な魔物も出ないはず。こっちには何度も魔物を狩っているミャーがいるし、私も中級魔法までなら使いこなせるようになってきた。ここはちょっとダンジョンに潜ってみてもいいんじゃないかな?
もちろん、目的は軟禁状態から脱出して生き延びることなので、ダンジョン攻略なんて目指さないけどね。
「じゃあ、ダンジョンに潜ってみる?」
『みゃっ!』
守ってあげるから安心して! とばかりに前足を上げるミャーだった。
「あとは、どうやってダンジョンの入り口を開けるのかだけど……」
地下室への入り口の隠し方からして、またなにか仕掛けがあるかもしれない。
でも、地下にあった本についてはもう全部確認済みだし、他に装飾品らしきものもない。
「こういうときは、定番として――開け、ゴマ!」
アラビアンナイトの有名な呪文を唱えてみるも、何の反応もなし。そりゃそうか。そもそも異世界なのだから。
『みゃー……』
ミャーの視線がなんだか痛い気がする。
やれやれと鼻を鳴らしたミャーが前足をダンジョン入り口の床に置き――魔力を通した。
僅かな震動と共に床が動き、人が通れるくらいの四角い穴が姿を現す。
その先に続いているのは石造りの階段と、真っ黒な空間。
「……開けられるなら先に開けてくれれば良かったじゃーん」
『みゃみゃ』
クスクスと笑っている(ように見える)ミャーだった。もしかして結構いい性格しているのだろうか?
「ま、いいや。リーナ探検隊、ダンジョンへ潜入します!」
『みゃっ!』
一人と一匹となった探検隊は、今堂々とダンジョンに足を踏み入れたのだった。
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