子ドラゴンとゆく、異世界スキル獲得記! ~転生幼女、最強スキルでバッドエンドを破壊する~

九條葉月

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ドラゴンブレス

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 アリスは無事生還し、私と同じく毒分解ディート魔石喰らいグラのスキルをゲットしたみたいだった。

 ちなみにというか、もちろんというか、フィナさんは魔石を食べなかった。是非も無し。

 そして、黒いドラゴンの魔石を食べた結果としては、

≪≪――スキル・変身ラティオを獲得しました≫≫

 変身?
 なんでドラゴンの魔石を食べて、変身?

 あぁ、あれかな? 前世でよくある、『ドラゴンが美少女に変身!』みたいな?

≪≪――スキル・竜の息吹ドラゴンブレスを獲得しました≫≫

 お? まさかの二個目? 一度で二つ目のスキルゲット? え、さすがドラゴン凄いね。同じ種族で別の個体の魔石を食べた結果二つのスキルをゲットすることはあるけど、まさか二つ同時に獲得できるなんて……。

 しかし、ドラゴンブレス? 口から火を吐けるの? あ、さっきのドラゴンと同じなら光線ビームか。

 …………。

 ちょっとやってみようかな? 少女が口から光線を発射するっていうビジュアルはイマイチだけど、興味はあるし。

「ど、竜の息吹ドラゴンブレス!」

 私の口から閃光が走り。狙い定めた岩壁に着弾。大きな大きな大穴を開けた。

 そして、

「あっつぅうううぅううい!?」

 ジュッてした! 口からジュッて音がした! 絶対焦げてるじゃん! 口! 火傷してるじゃん!

「お、お姉様ぁ!? お姉様のご尊顔が!?」

「ビーム!? ビーム撃ちました!?」

『みゃあ!?』

 大慌てで私に回復魔法を掛けてくれるミャーとアリスだった。

 ……あれ? アリスって回復魔法を使えるの? まさか愛する姉を助けるために秘めたる力が目覚めた系? なにそれ照れる。


≪――特定条件・『気高き心で他者を助ける』、『自分を後回しにして他者を助ける』、『自分を後回しにして人間以外の種族を助ける』、『悪しき存在に慈悲を与える』、『悪しき存在と心を通わせる』を達成しました。聖魔法は神聖魔法に進化します≫


≪神聖魔法を獲得しました。称号・聖女を獲得しました≫


「え?」

「え?」

「アリスが聖女?」

「わたくしが聖女?」

「なんでいきなり?」

「お姉様ならとにかく、なぜわたくしが?」

「いや『お姉様ならとにかく』ってどういうこと? ……あ、そっか。私も聖女の称号を持っているんだっけ」

「お姉様が! 聖女!? そうですわよね! お姉様こそ聖女に相応しいですわよね!」

「お、おぉ……?」

 なんかテンションMAXなアリスだった。妹よ、キミそんなキャラだったっけ? ……いつもハイテンションではあったかな?

『……みゃー』

 なにやらジトッとした目でアリスを見るミャーだった。アリスが聖女なの、そんなに気にくわないの?

『みゃ!』

 なんか『この女は聖女ってほどの善人じゃないだろ!』と文句を付けられている気がする。

 いやまぁ、たしかにちょっと私に対して当たりが強かったけど、6歳なんだからしょうがないじゃん? 対人関係において参考になるべき親がアレなんだからしょうがないじゃん?

 むしろ、あのときアリスがドラゴンの気を引いてくれたからこそ私が回復する時間を稼げたのだし。そう考えると命の恩人だよ? 私にとっても、ミャーにとっても。

『……みゃー……』

 とっても不服そうな顔をするミャーだった。アリスの行動、渋々ながらも認めてはいるらしい。

 おっと、そうだった。

「アリス。もう夜も遅いのだから本邸に帰って眠らないと。メイドさんたちも心配するよ」

「そ、それもそうですわね。……あの、お姉様は別邸に?」

「まぁね」

「……あの、わたくしからもお父様とお母様にお願いしてみますから――」

「あっはっはっ、無理無理。あの歳であの性格なんだから、何言ったって無駄だよ」

「…………。……ですが、お姉様をこのまま別邸に押し込めておくのも……」

 おぉ、アリス、成長したなぁ。うんうん、やはり6歳の可能性は無限大だね。こんな短期間のうちに人を思いやれるようになったのだから。

 納得しきっていない様子のアリスに対して、私は優しく頭を撫でてあげる。

「心配しなくても大丈夫。私、もう家を出て行くから」

「え!?」

「もう十分鍛えたし、これからは冒険者として生きていこうかなー、なんて」

 いやそもそもまだこの世界に冒険者制度があるのかすら分からないけどね。まぁダンジョンがあるのだから冒険者もいるんじゃないのかな?

「冒険者……。それが、お姉様の『夢』なのですね?」

「え? あ、うん。そうなるかな」

 そんな大層なものじゃないけど。まぁ夢と言えば夢なんじゃないのかな?

「――分かりましたわ。お姉様の『夢』が冒険者だというのなら、わたくしも全力で応援させていただきます」

 なんだか、覚悟を込めた目で頷くアリスだった。



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