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スキル
◇
なんやかんやで二人を止めることに成功し。
「うむ、話が脇に逸れたな」
殺人即決を『脇』扱いするお爺さまだった。こわっ。
「リーナがスキル鑑定をしていないなら、教会に申請して鑑定をしてもらわなければならん。貴族がスキル鑑定をしないなどありえんからな」
そんな感じらしい。出生届を出さない的な? あるいはワクチン接種?
と、お爺さまがアリスに視線を移した。
「たしかアリス嬢も近々誕生日だったのだよな?」
「そうですわね。とはいえ一ヶ月ほど先ですが」
「うむ、ならばアリス嬢と一緒にやってしまうのがいいか。教会にくれてやる金は少ない方がいい」
察するに、スキル鑑定するたびに『寄付』をしなきゃいけない感じなのかな? こんな馬車を用意できる公爵家がお金に困っているとは思えないけど……まぁ、お金があることと寄付をすることは別問題かな。
「スキル鑑定ってどんなことをするんですか?」
「難しいことはない。教会が持つ鑑定用の水晶に触れると、あとは勝手に読み取ってくれる」
「おー」
なんとも異世界チック。なんともテンプレ。そしてお爺さまが寄付を渋るのも分かるね。触れるだけで終わるのにお金儲けしようっていうのだから。
異世界ものだと教会が悪者なことが多いけど、この世界でもそんな感じなのかなーっと考えていると、
「――よいか、リーナ。そしてアリス嬢」
ひときわ真剣な目でお爺さまが私とアリスを見る。
「世の中にはスキルを持たずに生まれた人間もいる。だが、儂が若かった頃ならともかく、今はそれだけで差別されることもない。使い所が限られるスキルよりも身につけた教養の方が重要だからだ。スキルがなくても嘆く必要もないし、逆に、スキルを持たぬ人間を蔑んでもいかん。高貴な生まれの者は、心も高貴でなければならんのだ」
「……はい」
「承知いたしましたわ」
あまりにも真剣。あまりにも真っ当な言葉に深く頷く私とアリスだった。
まぁ私は色々スキルを持っているから嘆くことはないし、スキルを持っていないくらいで誰かを蔑むこともないけれど。
…………。
……あ、ちょっとヤバくない?
私はスキルを持っている。
でも、スキルを持ちすぎているのだ。しかも千里の果てを知る者よとか構造破壊なんていう、知られたら騒ぎになりそうなものとかも……。
あと、懸念事項は闇魔法か。一生牢屋入りは絶対回避。
「ちなみに、スキル以外にも何か分かったりするんですか? 職業とか」
「うむ。職業や称号、あとは使用できる魔法なども分かるな。7歳で職業を持っている人間など滅多にいないが……。なるほど」
小さく頷くお爺さま。
「リーナは複数の魔法を使えるらしいな? たしかにそれは珍しく、騒ぎになってしまうだろう。魔導師団からも目を付けられるだろうが……そればかりはしょうがない。隠すこともできないのだからむしろ堂々としておくがいい」
どうやら「私って複数の魔法使えるんですけど、これって普通じゃないんですよね?」と不安に思ったと勘違いしたみたい。まぁそれも不安と言えば不安なんだけど、問題は闇魔法とか豊富すぎるスキルと職業だよなぁ。特に悪役幼女なんて何とか隠さないと……。
……あ、隠蔽工作を使えばごまかせるかな? 地下室の魔法陣も隠せたし。あとで試してみよう。ミャーなら鑑定も使えるし、隠せているかどうか確認もできるからね。
なんやかんやで二人を止めることに成功し。
「うむ、話が脇に逸れたな」
殺人即決を『脇』扱いするお爺さまだった。こわっ。
「リーナがスキル鑑定をしていないなら、教会に申請して鑑定をしてもらわなければならん。貴族がスキル鑑定をしないなどありえんからな」
そんな感じらしい。出生届を出さない的な? あるいはワクチン接種?
と、お爺さまがアリスに視線を移した。
「たしかアリス嬢も近々誕生日だったのだよな?」
「そうですわね。とはいえ一ヶ月ほど先ですが」
「うむ、ならばアリス嬢と一緒にやってしまうのがいいか。教会にくれてやる金は少ない方がいい」
察するに、スキル鑑定するたびに『寄付』をしなきゃいけない感じなのかな? こんな馬車を用意できる公爵家がお金に困っているとは思えないけど……まぁ、お金があることと寄付をすることは別問題かな。
「スキル鑑定ってどんなことをするんですか?」
「難しいことはない。教会が持つ鑑定用の水晶に触れると、あとは勝手に読み取ってくれる」
「おー」
なんとも異世界チック。なんともテンプレ。そしてお爺さまが寄付を渋るのも分かるね。触れるだけで終わるのにお金儲けしようっていうのだから。
異世界ものだと教会が悪者なことが多いけど、この世界でもそんな感じなのかなーっと考えていると、
「――よいか、リーナ。そしてアリス嬢」
ひときわ真剣な目でお爺さまが私とアリスを見る。
「世の中にはスキルを持たずに生まれた人間もいる。だが、儂が若かった頃ならともかく、今はそれだけで差別されることもない。使い所が限られるスキルよりも身につけた教養の方が重要だからだ。スキルがなくても嘆く必要もないし、逆に、スキルを持たぬ人間を蔑んでもいかん。高貴な生まれの者は、心も高貴でなければならんのだ」
「……はい」
「承知いたしましたわ」
あまりにも真剣。あまりにも真っ当な言葉に深く頷く私とアリスだった。
まぁ私は色々スキルを持っているから嘆くことはないし、スキルを持っていないくらいで誰かを蔑むこともないけれど。
…………。
……あ、ちょっとヤバくない?
私はスキルを持っている。
でも、スキルを持ちすぎているのだ。しかも千里の果てを知る者よとか構造破壊なんていう、知られたら騒ぎになりそうなものとかも……。
あと、懸念事項は闇魔法か。一生牢屋入りは絶対回避。
「ちなみに、スキル以外にも何か分かったりするんですか? 職業とか」
「うむ。職業や称号、あとは使用できる魔法なども分かるな。7歳で職業を持っている人間など滅多にいないが……。なるほど」
小さく頷くお爺さま。
「リーナは複数の魔法を使えるらしいな? たしかにそれは珍しく、騒ぎになってしまうだろう。魔導師団からも目を付けられるだろうが……そればかりはしょうがない。隠すこともできないのだからむしろ堂々としておくがいい」
どうやら「私って複数の魔法使えるんですけど、これって普通じゃないんですよね?」と不安に思ったと勘違いしたみたい。まぁそれも不安と言えば不安なんだけど、問題は闇魔法とか豊富すぎるスキルと職業だよなぁ。特に悪役幼女なんて何とか隠さないと……。
……あ、隠蔽工作を使えばごまかせるかな? 地下室の魔法陣も隠せたし。あとで試してみよう。ミャーなら鑑定も使えるし、隠せているかどうか確認もできるからね。
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