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1巻
1-2
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◇ ◇ ◇
数分歩くと、森の中には多くの素材があることに気づいた。
火属性の呪文に使う『赤炎石』。照明の呪文に使う『光ゴケ』。毒消しの薬になる『銀香草』。今まで、ただの石や草だと思っていたのに。
「あ……」
数メートル先の木の根元に夢月草が生えていることに気づいた。夢月草は回復呪文に使える素材だ。これがあれば足のケガが治せるはず。
僕は黄緑色に発光する夢月草を引き抜いた。右手にはめたダールの指輪が輝き、夢月草が別の空間に収納される。
「これと『魔力キノコ』を組み合わせれば、回復呪文が使えるはずだ」
意識を集中させて、ケガをした右足に触れる。黄金色の光が僕の足を包む。
今まで感じていた痛みがすっと消えた。
僕はその場で足踏みをしてみた。痛みはまったく感じられない。
「こんな簡単にケガが治るのか……」
口の中が乾き、ノドが大きく動く。
創造魔法ってすごいな。素材さえあれば、全ての属性(火、水、風、土、光、闇)の魔法を本人の特性に関係なく、使うことができる。それはトップクラスの魔道師でさえ不可能なことだと、アコロンが教えてくれた。普通は一つか二つの属性の魔法しか使えないらしい。
僕は別の空間に収納していた『マグドナルド』のハンバーガーを取り出した。これは『滋養樹』の葉と『記憶石』で創造したものだ。
記憶石を使えば、今まで見て触れたことがあるものを創造するための素材のレシピを知ることができる。滋養樹の葉は、食べ物を創造する時に必要になる素材だ。この二つを組み合わせることで、僕は元の世界で食べたことがある料理を全て再現できるようになっていた。
マグドナルドのハンバーガーも『ピザール』のピザも、十六歳の誕生日に高級レストランで食べた『杉阪牛』のステーキも創造することができる。
滋養樹の木を見つけることができたのは幸運だったな。千枚以上の葉を手に入れたから、当分、食べ物には困らない。
ふと、クラスメイトたちの顔が脳裏に浮かんだ。みんなは野草のスープや木の実、小さな果物を食べて生活している。たまに鳥や魚を獲れたら大騒ぎだ。
「追放前の僕なら、喜んでみんなにマグドのハンバーガーを食べさせただろうな」
今の僕はクラスメイトなんて、どうだっていい。あいつらは青臭い草でも食ってればいいんだ。
だけど、由那だけは違う。由那は僕の追放に反対してくれた。それどころか、僕といっしょに学校を出ようとしてくれた。彼女だけは飢えさせたくない。
そうだ! 由那に美味しいものを食べさせてあげよう。たしか、クリーム系のパスタが好きだったはずだ。
そのアイデアはすごくいいものに思えた。
僕は学校のある東に向かって歩き出した。
◇ ◇ ◇
校門の前にはヤンキーグループの四郎がいた。
四郎は僕を見ると、唇を歪ませるようにして笑った。
「あれ? まだ、生きてたんだ?」
「足のケガが治ったから」
「……へーっ。それはよかったね」
かくりと首を曲げて、四郎は僕の足を見る。
「でも、君の追放はホームルームで決まったんだ。今さら、撤回はないよ」
「そうだろうね」
「なら、何故、戻ってきたんだよ?」
「由那さんに話があるんだ」
「あぁー。由那なら、もういないよ」
「いない? どういう意味?」
「そのまんまの意味さ」
四郎は、きひひと笑って舌を出した。
「君が追放されてから、いろいろあったんだよ」
「いろいろって?」
「それは僕が説明しよう」
いつの間にか、委員長の宗一が四郎の背後に立っていた。
宗一はメガネのつるに触れながら、僕に歩み寄った。
「結論から言おう。由那は窃盗の罪で追放した」
「窃盗? 由那さんが?」
「ああ。由那は貴重な干し肉を盗んで食べたからね。その行為は絶対にしてはいけない大罪だ。それは君も知ってるだろ?」
「だけど、由那さんがそんなことするはずないよ!」
自分の声が荒くなる。
「それはどうかな。僕たちはぎりぎりの食料を分け合って生きている。彼女が食欲に負けて干し肉に手を出したとしてもおかしくはない。目撃者もいるしね」
「目撃者って?」
「エリナと副委員長の瑞恵だよ。二人は由那が食料庫に入っていくのを見たんだ。そして、その後に干し肉がなくなっていることが発覚した。由那は犯行を否認したが、信じる者は少なかった。そしてホームルームで追放が決まったんだ」
宗一は悲しげな表情で首を左右に動かした。
「由那ってバカだよね。きひっ」
四郎が上唇を舐めた。
「追放に反対してもいいって言ってた男子が多かったのに」
「……その代わりに何を要求したんだ?」
「たいした要求じゃないさ。一週間、恋人になってくれって言っただけで」
「……」
「悪い話じゃないだろ? たった一週間なんだからさ」
四郎は好色な笑みを浮かべる。
「それだけで追放されなくてすんだのに、ほんと頭悪いよ」
「残念だよ」
宗一が、ふっと息を吐いた。
「もし、彼女が僕を頼ってくれれば、こんなことにはならなかったのに」
その言葉に僕は奥歯を強く噛んだ。
宗一も由那に『恋人になれ』って言ったんだな。その誘いを由那は断ったんだ。
かっと体が熱くなり、両手の爪が手のひらに食い込む。
由那が干し肉なんて盗むはずがない。目撃者のエリナと瑞恵がウソをついてるんだ。上位カーストグループのエリナは、男子に人気がある由那に嫉妬していた。由那がいなくなれば、もっと男子を利用できると考えたんだろう。
瑞恵は委員長の宗一が好きだから、ライバル排除のためか。
僕だけじゃなく、由那まで追放するなんて……。
その時――。
「おーっ! 何やってるんだ?」
背後の茂みから、四人の男子が現れた。
ヤンキーグループの恭一郎と力也。剣道部の小次郎と野球部の浩二だ。恭一郎は草のつるで縛った赤茶色の鳥を手に持っていた。
「何だ、優樹か」
恭一郎はゴミでも見るような目つきで僕を見た。
「肉につられて戻ってきたのか? 悪いがお前の分はないぞ」
「ああ。もうクラスメイトじゃないからな」
恭一郎の隣にいた小次郎が鉄の棒の先端を僕に向ける。
「この鳥は俺たちが獲った貴重な食料だ。森の中を何時間も歩き回ってな」
「そーそー」と浩二が同意する。
「役立たずの追放者くんには骨もあげられないよ」
「そうだな。骨も野草のスープに入れれば味がよくなる」
「さすがだな」
宗一が浩二たちを見回し、満足げにうなずいた。
「運動能力のある君たちを組ませてよかったよ。おかげで今夜は久しぶりに新鮮な肉が食える」
「俺たちの分は多めに頼むぜ。委員長」
恭一郎が宗一の肩を叩く。
「わかってる。役に立った者は多くの報酬を得ることができるルールだからな」
「やったぜ。ゴブリンの群れから逃げ回ったかいはあったな」
浩二がぐっとこぶしを握る。
「さて……と」
宗一は視線を僕に戻した。
「優樹。君は追放者だ。学校の敷地に入りたいのなら、代価を支払ってもらおうか」
「代価って……」
「何かの食べ物でいい。木の実十個か食べられる草を一束。それを渡してくれれば、学校への滞在を一日許可しよう」
「……もし、肉を持ってきたら?」
「ははっ。それなら一ヶ月の滞在を認めるよ」
宗一はメガネの奥の目を細めた。
「君が食べ物を手に入れることを祈ってるよ」
「……わかった。今度、学校に来る時は食べ物を持ってくるようにするよ」
僕は暗く低い声で言った。
◇ ◇ ◇
「早く由那さんを見つけないと」
僕は視線を左右に動かして、薄暗い森の中を見回した。
もうすぐ日が暮れる。夜になったら捜しにくくなるし、モンスターの動きも活発になる。
ダールの指輪に視線を向けると、収納された素材のデータがゲームのように表示された。
【魔石×10】(レア素材)
【魔力キノコ×28】
【滋養樹の葉×1108】
【記憶石×45】
【夢月草×3】
【虹水晶×1】(レア素材)
【赤炎石×18】
【蒼冷石×2】
【変化の土×48】
【光ゴケ×25】
【黒百合の花びら×72】
【銀香草×34】
【スライムの欠片×2】
【黄金蜘蛛の糸×12】
【眠り草×8】
【パルク草×50……】
etc.……
魔力キノコと光ゴケ、黄金蜘蛛の糸を組み合わせれば、『トレース』の呪文を使用できるか。
トレースは過去に触れた相手のいる位置を探る呪文だ。由那とは小学生の頃、手をつないで登校していた時期があった。
僕は素材を組み合わせて、トレースの呪文を発動する。直径十センチほどの光球が現れた。光球はふわふわと僕の周囲を漂った後、南に向かって進み始めた。
「よし! 上手くいったぞ。これで由那さんを見つけられる」
ぐっとこぶしを握り締め、僕は光球の後を追って歩き出した。
◇ ◇ ◇
光球は薄暗い森の中を進み、崖下の洞窟の中に入っていった。
「この洞窟は……」
光る石が均等に配置されている。足元も平らなところが多いし、誰かが使っているのか?
僕は足音を立てないようにして奥に進む。
十数分後、開けた場所に出た。そこは教室ぐらいの広さで、壁際の棚に多くのビンが並んでいた。ビンは液体で満たされ、何かの生物の脳や臓器が中に入っていた。
「何だ? この部屋は……」
全身の血が一気に冷えた。
まさか、由那も……。
一瞬、最悪の予想をしたが、光球は棚のビンに近づくことなく、奥にある扉の前で止まった。
溜めていた息を吐き出し、僕は扉に近づく。かんぬきを外して扉を開けると、狭い部屋の中に由那が倒れていた。
「由那さんっ!」
由那の肩を何度も揺すっていると、彼女のまぶたが薄く開いた。
「……あ……優樹くん?」
由那はゆっくりと上半身を起こす。
「私……男の人に捕まって……」
「男の人?」
「うん。痩せたお爺ちゃんみたいな。それで何か注射されて……」
由那は白い右腕を僕に見せた。肘の部分に注射の痕が残っている。
「大丈夫なの?」
「う、うん。痛みもないし」
「そっか。よかった。とにかく、ここから出て……」
その時――。
電気に触れたような衝撃が僕の体を走った。
「があっ……」
僕は苦痛に顔を歪めて倒れ込んだ。
これは……雷系の呪文か。
視線を動かすと、目の前に黒いローブを着た男が立っていた。男は骨に皮膚だけが張りついたように痩せていて、額に黒い角が生えていた。
人間……じゃない。人型のモンスターか。
動こうとしたが、手足がしびれて上半身を起こすこともできない。
「バカな男だ」
青黒い男の唇が動いた。
「女を助けに来たようだが、魔法も使えぬ異界人に何ができる」
「ゆ……由那さんに何を……した?」
「お前には理解できぬことよ」
男は枯れ木のような手で由那を掴み、彼女の目を見つめる。
「……ふむ。上手く混じってきたな。これなら成功するだろう」
「何が……成功なんだ?」
僕はしびれた唇を動かして、男に質問した。
「この女がモンスター化するということだ」
「モン……スター?」
「そうだ。女には特別に調合した秘薬を注射した。『水晶龍の牙』に『夢妖精の心臓』、そして『サキュバスの血』を混ぜた極上の秘薬をな」
「何で……そんなこと」
「強き生物を生み出し、我、ジェグダの奴隷とするためだ」
男――ジェグダは、背後から由那の左胸をわし掴みにした。
「この女は器量もいい。戦い以外にも使えそうだな」
「やっ……止めろ」
「無駄だ。お前は当分動けない。魔法耐性のない異界人だからな。カカカッ」
ジェグダは笑いながら、右手を僕に向ける。
「お前の死体は、ちゃんと役立ててやる。安心して死ね!」
その瞬間――。
僕の思考が加速した。
持ってる素材……魔石でレシピを作り、魔力キノコ、虹水晶、光ゴケを組み合わせる。これで僕が考えた呪文を創造する。イメージはレーザー光線だ。光を増幅させて一点に集中させる。
僕は人差し指をジェグダの胸に向けた。指先が輝き、青白い光線がジェグダの胸を貫いた。
「ぐあっ……」
ジェグダは両目と口を大きく開いて、由那から離れた。
「なっ、何故、異界人のお前が……こんな強力な……魔法を無詠唱で……」
ジェグダは青紫色の血を噴き出し、そのまま前のめりに倒れた。
僕はしびれている手を動かして、上半身を起こした。
ジェグダは倒れたまま、ぴくりとも動かない。
僕が殺したのか……。
一瞬、心臓が締めつけられるような痛みを感じた。
いや、殺さなければ僕が殺されていた。ここは平和な日本じゃない。死が身近にある危険な異世界なんだ。
何度も深呼吸をして、心を落ち着かせる。
「由那さん。大丈夫?」
僕は呆然としている由那に声をかけた。
「……」
由那は僕の問いかけに反応せず、ぐらりと横倒しになった。
「由那さんっ!」
僕はしびれた足を引きずりながら、彼女に近づく。倒れた由那の呼吸が安定してるのを確認して、ふっと息を吐いた。
命に別状はなさそうだ。問題は注射された秘薬か。ジェグダが『混じった』みたいな言い方をしてたけど、外見に変化は今のところない。
でも、このままじゃまずいだろうな。混じった秘薬を体から取り除く呪文を使うには……レア素材以上のスペシャルレア素材『幻魔の化石』が必要か。見つけるのに時間がかかりそうだ。
とりあえず、由那さんを休ませる場所を見つけよう。
◇ ◇ ◇
洞窟の中の別の小部屋に由那さんを寝かせた後、僕は隅に置かれた大きな木箱を開けた。
その中には、いくつものレア素材が入っていた。
【スライムクィーンの欠片×2】(レア素材)
【ユニコーンの角×1】(レア素材)
【戦天使の羽×3】(レア素材)
【時空鉱×6】(レア素材)
【世界樹のしずく×1】(レア素材)
【地龍のウロコ×5】(レア素材)
【魔龍のウロコ×3】(レア素材)
「悪くないな」
スライムクィーンの欠片は強い防具を創るのに役立つ。時空鉱は転移の呪文に使える。他にも素材が入ってるし、これで創造魔法でやれることが格段に増えたぞ。まずは武器と防具を作って……。
さっきのダメージが残っていたのか、いつの間にか僕の意識はなくなっていた。
◇ ◇ ◇
どのぐらい時間が経ったのか。腹部に重さを感じて、僕はまぶたを開いた。
「え……?」
一瞬、僕は状況が理解できなかった。
「ど……どうして?」
由那が僕に馬乗りになって、妖しい笑みを浮かべていた。
「優樹くん……」
普段とは違う甘い声が由那の半開きの唇から漏れた。
「どっ、どうしたの?」
僕は自分に馬乗りになってる由那を見上げる。由那の瞳は潤んでいて、荒い吐息が聞こえてくる。
「もしかして、調子悪いの? 顔が少し赤いような……」
「ううん。大丈夫だよ。体は熱いけど」
由那は白いシャツのボタンを外す。きめ細かい胸元の肌と白い下着が見えた。
「ゆっ、由那さん⁉ 何をしてるの?」
「何って……わかるでしょ? 優樹くんだってもう高校生なんだから」
由那の手が僕の首筋に触れる。
「ねぇ、優樹くん。私の気持ち……わかってるよね?」
「きっ、気持ち?」
「そう。ずっと前から、私が……優樹くんを好きってこと」
由那は僕の体に柔らかい胸を押しつけて、顔を近づける。
「優樹くんは、私のことキライ?」
由那の唇から、甘い声が漏れる。
「いや、そんなことないけど……」
「それなら、二人で気持ちよくなろ」
「由那さん……」
僕は由那の瞳孔が猫のように細くなっていることに気づいた。
これ……モンスター化の影響か?
たしか、ジェグダがサキュバスの血を秘薬に混ぜたと言っていた。そのせいか。
とにかく、由那さんを正気に戻さないと。
魔力キノコと銀香草を使って、状態異常を治す呪文を創造する!
青白い光が由那の体を包み、彼女の動きが止まった。
「……」
「由那……さん?」
「あ……」
由那の瞳が元に戻った。
「私……何を……あ……」
みるみる由那の顔が真っ赤になる。
「わっ……わわっ」
由那は慌てて僕から離れた。
「ちっ、違うの。私……眠ってる優樹くんを見てたら、変な気持ちになっちゃって」
「変な気持ち?」
「あ……ぅ……」
「いっ、いや。事情はわかってるから」
僕は立ち上がって、由那に近づく。
「由那さんの体のことだけど、少し待ってて。治せる可能性があるから」
「治せる?」
由那はまぶたをぱちぱちと動かす。
「それって、どういうこと?」
「実は……」
僕は創造魔法が使えるようになったことを由那に話した。
「……だから、『幻魔の化石』を手に入れることができたら、由那さんは元の体に戻るよ」
「そう……なんだ」
由那は桜色の唇だけを動かした。
「ただ、珍しい素材だから、見つけるのに時間がかかるかもしれない。それでも、必ず見つけるから!」
「……ありがとう。優樹くん」
由那は僕に頭を下げた。
「気にしなくていいよ。由那さんは幼馴染みでクラスメイトだし、助けるのは当然だからね」
そう言って、僕は由那に笑顔を向ける。
「……由那さん。みんなのところに戻りたい?」
僕は由那に質問した。
「もし、由那さんが望むのなら、なんとかなると思う。今の僕なら、食料を簡単に手に入れられるから」
「……ううん」
由那は首を左右に振った。
「みんなは私が干し肉を盗んだと思ってるし。それに男子がいるから」
「男子?」
「うん。さっきみたいなことになったらイヤだし」
由那は頬を赤くする。
「あ……そっか。それはイヤだよね」
「だっ、だけど、優樹くんならいいの」
「え? いいの?」
「……うん。だから、みんなとじゃなくて、優樹くんといっしょにいたい。ダメ……かな?」
「あ、いや。ダメじゃないけど」
自分の顔が熱くなっているのがわかる。
「……じゃあ、いっしょに……暮らそうか」
「うんっ!」
由那が大きくうなずいた。
「でも、この洞窟は薄暗くて、太陽も見えないし住みにくそうだね」
「住む場所は別のところに作ろう。創造魔法でね」
「えっ? 作る?」
「うん。創造魔法を使えば、家を建てることもできるから」
数分歩くと、森の中には多くの素材があることに気づいた。
火属性の呪文に使う『赤炎石』。照明の呪文に使う『光ゴケ』。毒消しの薬になる『銀香草』。今まで、ただの石や草だと思っていたのに。
「あ……」
数メートル先の木の根元に夢月草が生えていることに気づいた。夢月草は回復呪文に使える素材だ。これがあれば足のケガが治せるはず。
僕は黄緑色に発光する夢月草を引き抜いた。右手にはめたダールの指輪が輝き、夢月草が別の空間に収納される。
「これと『魔力キノコ』を組み合わせれば、回復呪文が使えるはずだ」
意識を集中させて、ケガをした右足に触れる。黄金色の光が僕の足を包む。
今まで感じていた痛みがすっと消えた。
僕はその場で足踏みをしてみた。痛みはまったく感じられない。
「こんな簡単にケガが治るのか……」
口の中が乾き、ノドが大きく動く。
創造魔法ってすごいな。素材さえあれば、全ての属性(火、水、風、土、光、闇)の魔法を本人の特性に関係なく、使うことができる。それはトップクラスの魔道師でさえ不可能なことだと、アコロンが教えてくれた。普通は一つか二つの属性の魔法しか使えないらしい。
僕は別の空間に収納していた『マグドナルド』のハンバーガーを取り出した。これは『滋養樹』の葉と『記憶石』で創造したものだ。
記憶石を使えば、今まで見て触れたことがあるものを創造するための素材のレシピを知ることができる。滋養樹の葉は、食べ物を創造する時に必要になる素材だ。この二つを組み合わせることで、僕は元の世界で食べたことがある料理を全て再現できるようになっていた。
マグドナルドのハンバーガーも『ピザール』のピザも、十六歳の誕生日に高級レストランで食べた『杉阪牛』のステーキも創造することができる。
滋養樹の木を見つけることができたのは幸運だったな。千枚以上の葉を手に入れたから、当分、食べ物には困らない。
ふと、クラスメイトたちの顔が脳裏に浮かんだ。みんなは野草のスープや木の実、小さな果物を食べて生活している。たまに鳥や魚を獲れたら大騒ぎだ。
「追放前の僕なら、喜んでみんなにマグドのハンバーガーを食べさせただろうな」
今の僕はクラスメイトなんて、どうだっていい。あいつらは青臭い草でも食ってればいいんだ。
だけど、由那だけは違う。由那は僕の追放に反対してくれた。それどころか、僕といっしょに学校を出ようとしてくれた。彼女だけは飢えさせたくない。
そうだ! 由那に美味しいものを食べさせてあげよう。たしか、クリーム系のパスタが好きだったはずだ。
そのアイデアはすごくいいものに思えた。
僕は学校のある東に向かって歩き出した。
◇ ◇ ◇
校門の前にはヤンキーグループの四郎がいた。
四郎は僕を見ると、唇を歪ませるようにして笑った。
「あれ? まだ、生きてたんだ?」
「足のケガが治ったから」
「……へーっ。それはよかったね」
かくりと首を曲げて、四郎は僕の足を見る。
「でも、君の追放はホームルームで決まったんだ。今さら、撤回はないよ」
「そうだろうね」
「なら、何故、戻ってきたんだよ?」
「由那さんに話があるんだ」
「あぁー。由那なら、もういないよ」
「いない? どういう意味?」
「そのまんまの意味さ」
四郎は、きひひと笑って舌を出した。
「君が追放されてから、いろいろあったんだよ」
「いろいろって?」
「それは僕が説明しよう」
いつの間にか、委員長の宗一が四郎の背後に立っていた。
宗一はメガネのつるに触れながら、僕に歩み寄った。
「結論から言おう。由那は窃盗の罪で追放した」
「窃盗? 由那さんが?」
「ああ。由那は貴重な干し肉を盗んで食べたからね。その行為は絶対にしてはいけない大罪だ。それは君も知ってるだろ?」
「だけど、由那さんがそんなことするはずないよ!」
自分の声が荒くなる。
「それはどうかな。僕たちはぎりぎりの食料を分け合って生きている。彼女が食欲に負けて干し肉に手を出したとしてもおかしくはない。目撃者もいるしね」
「目撃者って?」
「エリナと副委員長の瑞恵だよ。二人は由那が食料庫に入っていくのを見たんだ。そして、その後に干し肉がなくなっていることが発覚した。由那は犯行を否認したが、信じる者は少なかった。そしてホームルームで追放が決まったんだ」
宗一は悲しげな表情で首を左右に動かした。
「由那ってバカだよね。きひっ」
四郎が上唇を舐めた。
「追放に反対してもいいって言ってた男子が多かったのに」
「……その代わりに何を要求したんだ?」
「たいした要求じゃないさ。一週間、恋人になってくれって言っただけで」
「……」
「悪い話じゃないだろ? たった一週間なんだからさ」
四郎は好色な笑みを浮かべる。
「それだけで追放されなくてすんだのに、ほんと頭悪いよ」
「残念だよ」
宗一が、ふっと息を吐いた。
「もし、彼女が僕を頼ってくれれば、こんなことにはならなかったのに」
その言葉に僕は奥歯を強く噛んだ。
宗一も由那に『恋人になれ』って言ったんだな。その誘いを由那は断ったんだ。
かっと体が熱くなり、両手の爪が手のひらに食い込む。
由那が干し肉なんて盗むはずがない。目撃者のエリナと瑞恵がウソをついてるんだ。上位カーストグループのエリナは、男子に人気がある由那に嫉妬していた。由那がいなくなれば、もっと男子を利用できると考えたんだろう。
瑞恵は委員長の宗一が好きだから、ライバル排除のためか。
僕だけじゃなく、由那まで追放するなんて……。
その時――。
「おーっ! 何やってるんだ?」
背後の茂みから、四人の男子が現れた。
ヤンキーグループの恭一郎と力也。剣道部の小次郎と野球部の浩二だ。恭一郎は草のつるで縛った赤茶色の鳥を手に持っていた。
「何だ、優樹か」
恭一郎はゴミでも見るような目つきで僕を見た。
「肉につられて戻ってきたのか? 悪いがお前の分はないぞ」
「ああ。もうクラスメイトじゃないからな」
恭一郎の隣にいた小次郎が鉄の棒の先端を僕に向ける。
「この鳥は俺たちが獲った貴重な食料だ。森の中を何時間も歩き回ってな」
「そーそー」と浩二が同意する。
「役立たずの追放者くんには骨もあげられないよ」
「そうだな。骨も野草のスープに入れれば味がよくなる」
「さすがだな」
宗一が浩二たちを見回し、満足げにうなずいた。
「運動能力のある君たちを組ませてよかったよ。おかげで今夜は久しぶりに新鮮な肉が食える」
「俺たちの分は多めに頼むぜ。委員長」
恭一郎が宗一の肩を叩く。
「わかってる。役に立った者は多くの報酬を得ることができるルールだからな」
「やったぜ。ゴブリンの群れから逃げ回ったかいはあったな」
浩二がぐっとこぶしを握る。
「さて……と」
宗一は視線を僕に戻した。
「優樹。君は追放者だ。学校の敷地に入りたいのなら、代価を支払ってもらおうか」
「代価って……」
「何かの食べ物でいい。木の実十個か食べられる草を一束。それを渡してくれれば、学校への滞在を一日許可しよう」
「……もし、肉を持ってきたら?」
「ははっ。それなら一ヶ月の滞在を認めるよ」
宗一はメガネの奥の目を細めた。
「君が食べ物を手に入れることを祈ってるよ」
「……わかった。今度、学校に来る時は食べ物を持ってくるようにするよ」
僕は暗く低い声で言った。
◇ ◇ ◇
「早く由那さんを見つけないと」
僕は視線を左右に動かして、薄暗い森の中を見回した。
もうすぐ日が暮れる。夜になったら捜しにくくなるし、モンスターの動きも活発になる。
ダールの指輪に視線を向けると、収納された素材のデータがゲームのように表示された。
【魔石×10】(レア素材)
【魔力キノコ×28】
【滋養樹の葉×1108】
【記憶石×45】
【夢月草×3】
【虹水晶×1】(レア素材)
【赤炎石×18】
【蒼冷石×2】
【変化の土×48】
【光ゴケ×25】
【黒百合の花びら×72】
【銀香草×34】
【スライムの欠片×2】
【黄金蜘蛛の糸×12】
【眠り草×8】
【パルク草×50……】
etc.……
魔力キノコと光ゴケ、黄金蜘蛛の糸を組み合わせれば、『トレース』の呪文を使用できるか。
トレースは過去に触れた相手のいる位置を探る呪文だ。由那とは小学生の頃、手をつないで登校していた時期があった。
僕は素材を組み合わせて、トレースの呪文を発動する。直径十センチほどの光球が現れた。光球はふわふわと僕の周囲を漂った後、南に向かって進み始めた。
「よし! 上手くいったぞ。これで由那さんを見つけられる」
ぐっとこぶしを握り締め、僕は光球の後を追って歩き出した。
◇ ◇ ◇
光球は薄暗い森の中を進み、崖下の洞窟の中に入っていった。
「この洞窟は……」
光る石が均等に配置されている。足元も平らなところが多いし、誰かが使っているのか?
僕は足音を立てないようにして奥に進む。
十数分後、開けた場所に出た。そこは教室ぐらいの広さで、壁際の棚に多くのビンが並んでいた。ビンは液体で満たされ、何かの生物の脳や臓器が中に入っていた。
「何だ? この部屋は……」
全身の血が一気に冷えた。
まさか、由那も……。
一瞬、最悪の予想をしたが、光球は棚のビンに近づくことなく、奥にある扉の前で止まった。
溜めていた息を吐き出し、僕は扉に近づく。かんぬきを外して扉を開けると、狭い部屋の中に由那が倒れていた。
「由那さんっ!」
由那の肩を何度も揺すっていると、彼女のまぶたが薄く開いた。
「……あ……優樹くん?」
由那はゆっくりと上半身を起こす。
「私……男の人に捕まって……」
「男の人?」
「うん。痩せたお爺ちゃんみたいな。それで何か注射されて……」
由那は白い右腕を僕に見せた。肘の部分に注射の痕が残っている。
「大丈夫なの?」
「う、うん。痛みもないし」
「そっか。よかった。とにかく、ここから出て……」
その時――。
電気に触れたような衝撃が僕の体を走った。
「があっ……」
僕は苦痛に顔を歪めて倒れ込んだ。
これは……雷系の呪文か。
視線を動かすと、目の前に黒いローブを着た男が立っていた。男は骨に皮膚だけが張りついたように痩せていて、額に黒い角が生えていた。
人間……じゃない。人型のモンスターか。
動こうとしたが、手足がしびれて上半身を起こすこともできない。
「バカな男だ」
青黒い男の唇が動いた。
「女を助けに来たようだが、魔法も使えぬ異界人に何ができる」
「ゆ……由那さんに何を……した?」
「お前には理解できぬことよ」
男は枯れ木のような手で由那を掴み、彼女の目を見つめる。
「……ふむ。上手く混じってきたな。これなら成功するだろう」
「何が……成功なんだ?」
僕はしびれた唇を動かして、男に質問した。
「この女がモンスター化するということだ」
「モン……スター?」
「そうだ。女には特別に調合した秘薬を注射した。『水晶龍の牙』に『夢妖精の心臓』、そして『サキュバスの血』を混ぜた極上の秘薬をな」
「何で……そんなこと」
「強き生物を生み出し、我、ジェグダの奴隷とするためだ」
男――ジェグダは、背後から由那の左胸をわし掴みにした。
「この女は器量もいい。戦い以外にも使えそうだな」
「やっ……止めろ」
「無駄だ。お前は当分動けない。魔法耐性のない異界人だからな。カカカッ」
ジェグダは笑いながら、右手を僕に向ける。
「お前の死体は、ちゃんと役立ててやる。安心して死ね!」
その瞬間――。
僕の思考が加速した。
持ってる素材……魔石でレシピを作り、魔力キノコ、虹水晶、光ゴケを組み合わせる。これで僕が考えた呪文を創造する。イメージはレーザー光線だ。光を増幅させて一点に集中させる。
僕は人差し指をジェグダの胸に向けた。指先が輝き、青白い光線がジェグダの胸を貫いた。
「ぐあっ……」
ジェグダは両目と口を大きく開いて、由那から離れた。
「なっ、何故、異界人のお前が……こんな強力な……魔法を無詠唱で……」
ジェグダは青紫色の血を噴き出し、そのまま前のめりに倒れた。
僕はしびれている手を動かして、上半身を起こした。
ジェグダは倒れたまま、ぴくりとも動かない。
僕が殺したのか……。
一瞬、心臓が締めつけられるような痛みを感じた。
いや、殺さなければ僕が殺されていた。ここは平和な日本じゃない。死が身近にある危険な異世界なんだ。
何度も深呼吸をして、心を落ち着かせる。
「由那さん。大丈夫?」
僕は呆然としている由那に声をかけた。
「……」
由那は僕の問いかけに反応せず、ぐらりと横倒しになった。
「由那さんっ!」
僕はしびれた足を引きずりながら、彼女に近づく。倒れた由那の呼吸が安定してるのを確認して、ふっと息を吐いた。
命に別状はなさそうだ。問題は注射された秘薬か。ジェグダが『混じった』みたいな言い方をしてたけど、外見に変化は今のところない。
でも、このままじゃまずいだろうな。混じった秘薬を体から取り除く呪文を使うには……レア素材以上のスペシャルレア素材『幻魔の化石』が必要か。見つけるのに時間がかかりそうだ。
とりあえず、由那さんを休ませる場所を見つけよう。
◇ ◇ ◇
洞窟の中の別の小部屋に由那さんを寝かせた後、僕は隅に置かれた大きな木箱を開けた。
その中には、いくつものレア素材が入っていた。
【スライムクィーンの欠片×2】(レア素材)
【ユニコーンの角×1】(レア素材)
【戦天使の羽×3】(レア素材)
【時空鉱×6】(レア素材)
【世界樹のしずく×1】(レア素材)
【地龍のウロコ×5】(レア素材)
【魔龍のウロコ×3】(レア素材)
「悪くないな」
スライムクィーンの欠片は強い防具を創るのに役立つ。時空鉱は転移の呪文に使える。他にも素材が入ってるし、これで創造魔法でやれることが格段に増えたぞ。まずは武器と防具を作って……。
さっきのダメージが残っていたのか、いつの間にか僕の意識はなくなっていた。
◇ ◇ ◇
どのぐらい時間が経ったのか。腹部に重さを感じて、僕はまぶたを開いた。
「え……?」
一瞬、僕は状況が理解できなかった。
「ど……どうして?」
由那が僕に馬乗りになって、妖しい笑みを浮かべていた。
「優樹くん……」
普段とは違う甘い声が由那の半開きの唇から漏れた。
「どっ、どうしたの?」
僕は自分に馬乗りになってる由那を見上げる。由那の瞳は潤んでいて、荒い吐息が聞こえてくる。
「もしかして、調子悪いの? 顔が少し赤いような……」
「ううん。大丈夫だよ。体は熱いけど」
由那は白いシャツのボタンを外す。きめ細かい胸元の肌と白い下着が見えた。
「ゆっ、由那さん⁉ 何をしてるの?」
「何って……わかるでしょ? 優樹くんだってもう高校生なんだから」
由那の手が僕の首筋に触れる。
「ねぇ、優樹くん。私の気持ち……わかってるよね?」
「きっ、気持ち?」
「そう。ずっと前から、私が……優樹くんを好きってこと」
由那は僕の体に柔らかい胸を押しつけて、顔を近づける。
「優樹くんは、私のことキライ?」
由那の唇から、甘い声が漏れる。
「いや、そんなことないけど……」
「それなら、二人で気持ちよくなろ」
「由那さん……」
僕は由那の瞳孔が猫のように細くなっていることに気づいた。
これ……モンスター化の影響か?
たしか、ジェグダがサキュバスの血を秘薬に混ぜたと言っていた。そのせいか。
とにかく、由那さんを正気に戻さないと。
魔力キノコと銀香草を使って、状態異常を治す呪文を創造する!
青白い光が由那の体を包み、彼女の動きが止まった。
「……」
「由那……さん?」
「あ……」
由那の瞳が元に戻った。
「私……何を……あ……」
みるみる由那の顔が真っ赤になる。
「わっ……わわっ」
由那は慌てて僕から離れた。
「ちっ、違うの。私……眠ってる優樹くんを見てたら、変な気持ちになっちゃって」
「変な気持ち?」
「あ……ぅ……」
「いっ、いや。事情はわかってるから」
僕は立ち上がって、由那に近づく。
「由那さんの体のことだけど、少し待ってて。治せる可能性があるから」
「治せる?」
由那はまぶたをぱちぱちと動かす。
「それって、どういうこと?」
「実は……」
僕は創造魔法が使えるようになったことを由那に話した。
「……だから、『幻魔の化石』を手に入れることができたら、由那さんは元の体に戻るよ」
「そう……なんだ」
由那は桜色の唇だけを動かした。
「ただ、珍しい素材だから、見つけるのに時間がかかるかもしれない。それでも、必ず見つけるから!」
「……ありがとう。優樹くん」
由那は僕に頭を下げた。
「気にしなくていいよ。由那さんは幼馴染みでクラスメイトだし、助けるのは当然だからね」
そう言って、僕は由那に笑顔を向ける。
「……由那さん。みんなのところに戻りたい?」
僕は由那に質問した。
「もし、由那さんが望むのなら、なんとかなると思う。今の僕なら、食料を簡単に手に入れられるから」
「……ううん」
由那は首を左右に振った。
「みんなは私が干し肉を盗んだと思ってるし。それに男子がいるから」
「男子?」
「うん。さっきみたいなことになったらイヤだし」
由那は頬を赤くする。
「あ……そっか。それはイヤだよね」
「だっ、だけど、優樹くんならいいの」
「え? いいの?」
「……うん。だから、みんなとじゃなくて、優樹くんといっしょにいたい。ダメ……かな?」
「あ、いや。ダメじゃないけど」
自分の顔が熱くなっているのがわかる。
「……じゃあ、いっしょに……暮らそうか」
「うんっ!」
由那が大きくうなずいた。
「でも、この洞窟は薄暗くて、太陽も見えないし住みにくそうだね」
「住む場所は別のところに作ろう。創造魔法でね」
「えっ? 作る?」
「うん。創造魔法を使えば、家を建てることもできるから」
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