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23.知らないままでいたい
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しおりを挟む理央の柔らかい腿に自身の欲を擦らせる。
「可愛い、…」
理央は就寝時に衣服を着用しない。
俺は何時でも、理央の肌に直接触れることができた。
「…っんん、…」
寝返りを打った理央が俺の方を向いて、その寝顔に見惚れる。
長い睫毛が白い頬に長い影を落とし、微かに開いた唇からは赤い舌が覗いていた。
「…ッ、」
緩く抱き寄せ、こめかみにキスして頬にも口付ける。
唇にしようとして、もはや自分には許されていない気がして出来なかった。
甘い吐息がもどかしさを増長させる。
(どうか、俺が耐えられるうちに早く吉良と番ってくれ…)
恐る恐る理央の鎖骨に口付けた。
そろそろ理央のヒートも去るだろう。
遮断剤を服用していても、微かに馨るヒート中の理央のフェロモンは俺の欲を掻き立てる。
再び寝返りを打った理央は俺に背を向けた。
華奢な細い背を自分の胸で覆う。
あまり厚みのない、猫のようにしなやかな身体を腕に抱いて甘く香る襟足を鼻先で掻き分けてキスした。
微かな内出血の痕に満足する。
ここなら、襟足に隠れて見えない。
理央の邪魔にもならないだろう。
「好きです、理央、…」
最近は『嫌いだと言え』と命令される。
理央をあいしている俺はそんなことは命令でも口にしたくない。
俺のようなアルファからの好意など不要なのは分かっている。
それでも俺はただ理央をあいしていた。
※
翌日も理央は午後に登校し、夜には俺を寝室に喚んだ。
「大和」
「はい」
「明日からはお前は先に登校してくれ。俺は午後から行く」
寝室のドアを潜りながら、理央は俺を振り返らずにそう言ってベッドに潜る。
俺がこの邸に戻った翌日から、理央は俺を見ない。
「…はい」
俺にはそう答えることしか出来なかった。
俺がいくら理央を護りたくても、理央がそれを望んでいないのなら意味が無い。
常に他のアルファの匂いをさせていることも、俺に触れてくれなくなってしまったことも、もはや俺にはどうにも出来ないことだ。
いくら学園のアルファや関連企業の子息を調べても結局、俺には理央が誰をあいしているのか見当もつかなかった。
かすかな寝息が聞こえて俺に背を向けて眠っている理央を抱き寄せる。
「理央…」
(俺など疾うに用済みだろうに)
その優しさが有り難くも哀しくもあった。
襟足を掻き分け、口付ける。
「…ん」
胎児のように身体を丸める理央の肩にキスして手のひらで細い二の腕を撫でた。
「…起きないで、…理央、…」
(俺はもう、この時間しかあなたに触れることが出来ない)
しなやかな脚を手のひらで掴んで感触を確かめる。
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