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◾️◾️デート
ときめくデートするなんていつぶりかしら?そんな風に思いながら好江はメイクの仕上げにルージュを引いて「んパッ」と鏡の自分にウィンクしてみせた。
「アタシ、なんか綺麗じゃない?」
□□□
「ごめんって言ってるじゃない、たまにはアタシのお願いも聞いてよ、母さん」
娘は実家に預かってもらうことにした、どうしても外せない会社の接待に参加しなくてはならないからと、嘘をついた。母親は渋々ながら了承してくれたが「アンタ、お酒は程々にしなさいよ。それでなくても…」と、過去の断罪が始まりそうなのでそそくさに席を立った。
「未唯はお婆ちゃんの言うこと聞いてね、お願いね」
実家の玄関で娘の方を見ることもなく言葉を掛けた。若い男に会いにいくために、嘘までついて娘を一人残していく罪悪感で振り返ることなど出来なかった。そんなことを知るはずもない未唯はジッと瞬きすることも無く、母の後ろ姿から視線を外さずにいる。
「おかあさん…いってらしゃい」
無気力な送る言葉が好江の耳には届かなかった。
□□□
田舎の地方都市と言えども、市の中心地はそれなりに都会である。知人に偶然に出会う確率など微塵もなく、心配する必要などはない。ましてや独身同士の宮城好江と武井隆が一緒に食事をしていたとしても、世間からとやかく言われる筋合いもない。その年齢差がひと回りほど違うなんてことも含めて。
「21歳かぁ、羨ましいわ。ついこの前の事の様だけど10年はアッという間だったなぁ」
「あ、宮城さんは31歳でしたっけ?」
隆の問いに少しサバ読んだ後ろめたさは有ったが、曖昧に好江はそれを肯定した。年齢差があることを会話の中に潜ませて、彼にジャブを打ってみたのである。
「そ、もうすっかりオバチャンだからね」
反対賛同待ち。「そんなことないですよ」を相手に言わせるためのテクニックである、見事にそれに釣られる若造であった。そのための念入りメイクである。
「え~ッ、ぜんぜんそんなことないっすよ、自分の3コ上にくらいしか見えないっす、かわいいし」
好江は生理後の子宮が締まったような錯覚を覚えた。
〈かわいい〉なんて言葉を掛けられたのは十何年ぶりかしら、仲良かった頃の別れた旦那や、付き合いたての賢一からも綺麗だと言われた記憶はあるが、可愛いと言われた覚えはない。体内に回り始めているアルコールも手伝って、顔が上気するのが自分でもわかった。
「宮城さん、顔赤くないですか?酔いました?」
「え、顔赤い?うん、少し酔っぱらっちゃったかも…」
甘えるような声で、まるで恥ずかしがる乙女のような演技を無意識にしている自分に内心驚いている。
「武井くん、その宮城さんて呼ぶのは止めにしない?なんだか仕事の延長みたいな気分になっちゃうからさ」
「あ、はい。わかりました、どう呼んだらいいですか?」
「そうね、私は隆くんって呼ぶから、好江って名前で呼んでくれたら、おあいこかもね」
「好江さん、ですね」
「ううん、よしえ。呼び捨てでいいからさ、そうして」
□□□
「好江、、、、好江、、、好きだ、愛してる」
激しく打ち込んでくる股間が、熱い愛液でグチュぐちゅと音を立てている。激しい息遣いの中に名前を呟きながら、ただ快感の放出に向けて腰を振る隆が愛しかった。
「すごい、タカシの硬くてすごい、好きにしていいよ」
好江の囁きに興奮度が更に増したようで、中に挿入しているモノがグンッとそそり立った。
「いき、いきそう、、です」
「出していいわよ、我慢しないで、アタシも一緒に…」
正直いうと好江は挿入された直後に一度イッテいる。今は多少の演技も含んでいるが気持ちの良さに嘘はない。
「あ、あ、あ、、、うぐっだぅ」
渾身のひと突きのあとで鼓動のような射精の微動がコンドーム越しに伝わってくる。若くて荒々しい新鮮さを感じて、それは深い吐息と共にヌポりと引き抜かれた。しっとりとした汗が浮き出た身体が重なる。
「好江の…凄すぎるよ、マヂ気持ちよすぎる…」
締まった肉体からの体温が伝わり、幸せになって染みてくるのを好江は極上の快感として捕らえていた。それがまた燃え上がる欲情へと変わっていく。
「タカシの綺麗にしてあげるね…」
体勢を入れ替えて男性器を口に含み、酸っぱく苦い残り汁を舐めとるようにして愛撫をする。
「あ、う、、くすぐった…あ、い、、」
若者の反応を愉しみながら続けると、たちまちの内に血液の流入が再開されて固く太く伸びていく。そして、そそり立つ先を舌先でチロチロとすると、我慢できなくなった男が好江をガバリとベッドに組み敷いて、そそり立つモノを突き入れてきた。
「我慢できないよ、もう一回お願いします」
まだ充分な潤滑を保つ中へにゅるりと滑り込んできた、歳の差カップルの激しい夜はまだまだ続くのであった。
ときめくデートするなんていつぶりかしら?そんな風に思いながら好江はメイクの仕上げにルージュを引いて「んパッ」と鏡の自分にウィンクしてみせた。
「アタシ、なんか綺麗じゃない?」
□□□
「ごめんって言ってるじゃない、たまにはアタシのお願いも聞いてよ、母さん」
娘は実家に預かってもらうことにした、どうしても外せない会社の接待に参加しなくてはならないからと、嘘をついた。母親は渋々ながら了承してくれたが「アンタ、お酒は程々にしなさいよ。それでなくても…」と、過去の断罪が始まりそうなのでそそくさに席を立った。
「未唯はお婆ちゃんの言うこと聞いてね、お願いね」
実家の玄関で娘の方を見ることもなく言葉を掛けた。若い男に会いにいくために、嘘までついて娘を一人残していく罪悪感で振り返ることなど出来なかった。そんなことを知るはずもない未唯はジッと瞬きすることも無く、母の後ろ姿から視線を外さずにいる。
「おかあさん…いってらしゃい」
無気力な送る言葉が好江の耳には届かなかった。
□□□
田舎の地方都市と言えども、市の中心地はそれなりに都会である。知人に偶然に出会う確率など微塵もなく、心配する必要などはない。ましてや独身同士の宮城好江と武井隆が一緒に食事をしていたとしても、世間からとやかく言われる筋合いもない。その年齢差がひと回りほど違うなんてことも含めて。
「21歳かぁ、羨ましいわ。ついこの前の事の様だけど10年はアッという間だったなぁ」
「あ、宮城さんは31歳でしたっけ?」
隆の問いに少しサバ読んだ後ろめたさは有ったが、曖昧に好江はそれを肯定した。年齢差があることを会話の中に潜ませて、彼にジャブを打ってみたのである。
「そ、もうすっかりオバチャンだからね」
反対賛同待ち。「そんなことないですよ」を相手に言わせるためのテクニックである、見事にそれに釣られる若造であった。そのための念入りメイクである。
「え~ッ、ぜんぜんそんなことないっすよ、自分の3コ上にくらいしか見えないっす、かわいいし」
好江は生理後の子宮が締まったような錯覚を覚えた。
〈かわいい〉なんて言葉を掛けられたのは十何年ぶりかしら、仲良かった頃の別れた旦那や、付き合いたての賢一からも綺麗だと言われた記憶はあるが、可愛いと言われた覚えはない。体内に回り始めているアルコールも手伝って、顔が上気するのが自分でもわかった。
「宮城さん、顔赤くないですか?酔いました?」
「え、顔赤い?うん、少し酔っぱらっちゃったかも…」
甘えるような声で、まるで恥ずかしがる乙女のような演技を無意識にしている自分に内心驚いている。
「武井くん、その宮城さんて呼ぶのは止めにしない?なんだか仕事の延長みたいな気分になっちゃうからさ」
「あ、はい。わかりました、どう呼んだらいいですか?」
「そうね、私は隆くんって呼ぶから、好江って名前で呼んでくれたら、おあいこかもね」
「好江さん、ですね」
「ううん、よしえ。呼び捨てでいいからさ、そうして」
□□□
「好江、、、、好江、、、好きだ、愛してる」
激しく打ち込んでくる股間が、熱い愛液でグチュぐちゅと音を立てている。激しい息遣いの中に名前を呟きながら、ただ快感の放出に向けて腰を振る隆が愛しかった。
「すごい、タカシの硬くてすごい、好きにしていいよ」
好江の囁きに興奮度が更に増したようで、中に挿入しているモノがグンッとそそり立った。
「いき、いきそう、、です」
「出していいわよ、我慢しないで、アタシも一緒に…」
正直いうと好江は挿入された直後に一度イッテいる。今は多少の演技も含んでいるが気持ちの良さに嘘はない。
「あ、あ、あ、、、うぐっだぅ」
渾身のひと突きのあとで鼓動のような射精の微動がコンドーム越しに伝わってくる。若くて荒々しい新鮮さを感じて、それは深い吐息と共にヌポりと引き抜かれた。しっとりとした汗が浮き出た身体が重なる。
「好江の…凄すぎるよ、マヂ気持ちよすぎる…」
締まった肉体からの体温が伝わり、幸せになって染みてくるのを好江は極上の快感として捕らえていた。それがまた燃え上がる欲情へと変わっていく。
「タカシの綺麗にしてあげるね…」
体勢を入れ替えて男性器を口に含み、酸っぱく苦い残り汁を舐めとるようにして愛撫をする。
「あ、う、、くすぐった…あ、い、、」
若者の反応を愉しみながら続けると、たちまちの内に血液の流入が再開されて固く太く伸びていく。そして、そそり立つ先を舌先でチロチロとすると、我慢できなくなった男が好江をガバリとベッドに組み敷いて、そそり立つモノを突き入れてきた。
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