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12 嵐の前の、
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キャロルとのティータイムが図らずも盛り上がってしまい、遅れてしまった。昼休憩の終わりを告げる鐘が鳴ったのは確認していたが、まだ時間があるからと余裕に溢れていた少し前の自分を殴りたい。
私は図書館へと続く渡り廊下を走り抜けながら「まだ居ますように」と内心で祈る。
貴族令嬢がドレスのスカートを翻して走るなど普通なら以ての外、禁忌といえる行為だが、ここは滅多に人が近寄らない場所。今だけ、見逃してもらおう。
全速力で廊下を走り抜け、図書館に到着する。入口の前で軽く身だしなみを整えてから、二、三度深く深呼吸し、私は扉を開けた。
向かうのは二つ角を曲がった先の、いつものお気に入りの場所。まだ待っているのならそこに彼がいるはず。半ば神に祈る心地で足を踏み入れた私は、そこに、いつかのように座る人影があったのを見てホッとした。
「ごめんなさい。遅くなりました!」
到着するなり謝罪した私に、相手が気づいて振り返った。
「構わない。俺も今着いたばかりで遅刻してしまったからな。君を待たせるよりは良かった」
いつもの騎士服ではなく、珍しく学園の制服を身につけたグレンフォードがそう返す。
表情を変えないその無表情ぶりはあいかわらずだが、こちらに向ける声は柔らかい。
「それに、君に教えを乞うたのは俺だ。ならば君の都合に合わせるのが筋だ」
「そうですか。ではお互い遅れたので、これ以上の追求はなしということで。それでは今日も特訓を始めますね!」
「ああ、よろしく頼む」
そうして席に着いた彼に、私は用意していた本を取り出して、『魔法学』の講義を始めた。
***
「――君は確か成績優秀だったと聞いている。どうか俺に『魔法学』について教えてくれないか」
午前の授業の終わりを報せる鐘が鳴り、いつものように図書館に向かった私の前に彼が現れ、そう言って頭を下げたのは、つい一週間ほど前の話。
丁度『新聞騒動』があったその日の昼休憩。
いつものように図書館に閉じこもっていた私の前に再び彼――グレンフォードは現れた。
心做しか困ったような雰囲気を漂わせていた彼に「どうしたのか」と問いかけた返事がその言葉。
突然のことに拍子抜けした私は、思わず理由を訊ねた。
すると彼は、
「学期末試験を合格しないと殿下に解雇される」
と答えた。
ますます困惑した私はさらに話を聞くことになり、少しづつ彼から話を聞き出しまとめた結果。
「成程。話をまとめると、グレンフォード様は身体を動かすことには長けているけれど座学が苦手、と。それでも殿下の助けもあり進級をかけた期末試験はなんとか落第は避けていた。けれど卒業を掛けた学期末試験は自分の力で乗り越えろと殿下に怒られてしまった、と」
なんせ学園の卒業をかけた試験だ。当然今までより難易度が上がる試験に、殿下自身も勉学に励まなければならない。その上でグレンフォードの勉強を見るのは無理だと匙を投げた。
グレンフォードは仕方なく自ら勉強を始めたが、どうしても一科目だけ分からない教科があった。
「それが『魔法学』と言うことですね。でも、確かグレンフォード様、『魔法学』の実技は得意でしたよね?」
「実技はな。だが座学の方になると……全く分からない」
「なるほど。学術論文の方が駄目なのですね」
『魔法学』はその名の通り魔法を学門としてまとめたもの。『魔法学』は魔法を実践する実技と、魔法を学術的に紐解いていく学術論文がある。
脳筋――もとい、身体を動かすことが得意なため、実践は完璧なグレンフォードだが、座学に相当する学術論文の方はどう勉強してもさっぱり分からないらしい。
「君は『魔法学』でも特に学術論文が得意だと教師から聞いた。だから教えて貰えないかと」
「そういうことだったんですね……もしかしてあの日、図書館にいたのも……?」
初対面の時、彼はなにか話しにくそうにしていた。もしかしたら……。問いかけると、グレンフォードはバツが悪そうに青い目を逸らした。
「そうだ。何となく言い出しにくかったから、上手くいえなくて、あのような失礼な問いを……」
古代魔法が使えるか、という質問は気恥ずかしさの裏返しだったというわけか。
「そういうことでしたら。私でよければ喜んで教えて差し上げます」
「いいのか?」
「殿下の苦労を減らためですね」
「俺のためではないのか……」
「私は『ロアンヌ侯爵家』の者ですから」
「……王家に忠誠を誓う『法の番人』として、殿下の品位を落とすことは許さないということか?」
「まぁ、そういうことです」
本当は教えを乞うグレンフォードが面白かったからもあるが。それを隠して伝えると、グレンフォードは僅かに不満そうではあったが、この日から彼の秘密裏の特訓は始まった。
***
授業を終える鐘の音が聞こえて、私は本をパタリと閉じた。
「――キリがいいので、今日はここまでにしましょう」
「そうだな」
グレンフォードが椅子から立ち上がり、伸びをする。普段から近衛騎士の正装である純白の騎士服を纏う彼が、紺色で統一された学園の制服を来ているのはなかなか違和感がある。
「そういえば、今日はなぜ騎士服ではないのですか?」
「昼飯を溢してしまってな、他に着替えがなかった。殿下にすぐに身ぐるみを剥がされて、この制服を押し付けられたんだ」
「そういうことでしたか」
純白の騎士服に汚れなどつこうものなら目立つことこの上ない。どうか無事に落ちることを祈ろう。ここ数日関わるようになってわかったが、グレンフォードは割と大雑把である。細かいことはあまり気にしない性質で、それ故に繊細な分野である学術論文が苦手なのだろう。
そんなことを考えていると、ふとグレンフォードがこちらを見ているのに気づいた。なにか言いあぐねている様子に首を傾げる。
「どうかしましたか?」
「君の婚約者の話を、聞いた」
「アレクシス様のことですか? それが何か?」
今や学園中の噂になっている。何処で聞いても可笑しくはない話だ。
「君は、その……大丈夫なのか?」
「え?」
一瞬、何を問われているのか分からなかった。
「新聞記事を読んだ。君の婚約者は、君の妹と関係を持っていた、と……。だから、その、色々と大丈夫なのか?」
グレンフォードからの思いがけないその問いかけに、私は驚きすぎて本音が漏れてしまう。
「グレンフォード様でも人の心配なんてするんですね。私、びっくりしました」
「なっ!」
グレンフォードにとっては思わぬ反撃だったらしく、彼が珍しく慌てたような表情になる。
「君にはいつも、世話になっているから……! 知らない仲ではないのだから、心配にはなるだろう……」
だんだん気恥ずかしさが勝ってきたらしい。仕舞いにはそっぽを向いて語尾が小さくなったグレンフォードに、私はついに笑ってしまった。
「なっ、笑うことはないだろう!」
「すみません。ご心配して下さりありがとうございます。けれど私はこの通り全く何も思っていませんので」
「そのようだな。けれど、気をつけた方がいい」
「どういうことですか?」
先程とは違って真剣な表情になったグレンフォードに思わず居住まいを正すと、彼は声音を抑えて告げる。
「騎士団から我が国に、『黄昏石』が不正に密輸されているという連絡があった。そしてそれにアレクシスが関与しているかもしれない」
続くグレンフォードは取引現場に、見目麗しい金髪の青年が同席していたという情報があった、と小さく呟く。
「『黄昏石』――トワイライトルーンは魔力を霧散させる効果があるとされる魔除けの石。より純度の高いものは構築した魔法を無効化する力もあるという。君はかなりの魔法の使い手らしいが『黄昏石』の前では歯が立たない。アレクシスことだ、恐らく君への報復を考えているかもしれない。十分注意してほしい」
『黄昏石』――トワイライトルーン。
ロアンヌ家の地下の書庫にも記述があった伝説の石。
魔除けとして用いられる石。産出度は極めて低く、その中の純度が高いものとなれば全財産を叩いても欲しいと思うものはそれなりにいる。
果たしてアレクシスはそれを手に入れるのにどれほどの金をつぎ込んだのか。はたまた別の協力者が現れたか。
いずれにせよ、面白い。
「情報ありがとうございます。グレンフォード様。是非注意しておきますわ」
あくまで上品に見える笑顔で、私はグレンフォードの言葉に頷いてみせた。
――そして、図書館で繰り広げられるまさに今その瞬間の、その光景を。
「………………やっと、やっと見つけたぞ、セシル……!!」
憤怒の形相を浮かべて、振り乱した金髪と、怪しく輝いた琥珀の目を持った青年が盗み見ていたことなど。
この時の私は、まだ知る由もなかった。
私は図書館へと続く渡り廊下を走り抜けながら「まだ居ますように」と内心で祈る。
貴族令嬢がドレスのスカートを翻して走るなど普通なら以ての外、禁忌といえる行為だが、ここは滅多に人が近寄らない場所。今だけ、見逃してもらおう。
全速力で廊下を走り抜け、図書館に到着する。入口の前で軽く身だしなみを整えてから、二、三度深く深呼吸し、私は扉を開けた。
向かうのは二つ角を曲がった先の、いつものお気に入りの場所。まだ待っているのならそこに彼がいるはず。半ば神に祈る心地で足を踏み入れた私は、そこに、いつかのように座る人影があったのを見てホッとした。
「ごめんなさい。遅くなりました!」
到着するなり謝罪した私に、相手が気づいて振り返った。
「構わない。俺も今着いたばかりで遅刻してしまったからな。君を待たせるよりは良かった」
いつもの騎士服ではなく、珍しく学園の制服を身につけたグレンフォードがそう返す。
表情を変えないその無表情ぶりはあいかわらずだが、こちらに向ける声は柔らかい。
「それに、君に教えを乞うたのは俺だ。ならば君の都合に合わせるのが筋だ」
「そうですか。ではお互い遅れたので、これ以上の追求はなしということで。それでは今日も特訓を始めますね!」
「ああ、よろしく頼む」
そうして席に着いた彼に、私は用意していた本を取り出して、『魔法学』の講義を始めた。
***
「――君は確か成績優秀だったと聞いている。どうか俺に『魔法学』について教えてくれないか」
午前の授業の終わりを報せる鐘が鳴り、いつものように図書館に向かった私の前に彼が現れ、そう言って頭を下げたのは、つい一週間ほど前の話。
丁度『新聞騒動』があったその日の昼休憩。
いつものように図書館に閉じこもっていた私の前に再び彼――グレンフォードは現れた。
心做しか困ったような雰囲気を漂わせていた彼に「どうしたのか」と問いかけた返事がその言葉。
突然のことに拍子抜けした私は、思わず理由を訊ねた。
すると彼は、
「学期末試験を合格しないと殿下に解雇される」
と答えた。
ますます困惑した私はさらに話を聞くことになり、少しづつ彼から話を聞き出しまとめた結果。
「成程。話をまとめると、グレンフォード様は身体を動かすことには長けているけれど座学が苦手、と。それでも殿下の助けもあり進級をかけた期末試験はなんとか落第は避けていた。けれど卒業を掛けた学期末試験は自分の力で乗り越えろと殿下に怒られてしまった、と」
なんせ学園の卒業をかけた試験だ。当然今までより難易度が上がる試験に、殿下自身も勉学に励まなければならない。その上でグレンフォードの勉強を見るのは無理だと匙を投げた。
グレンフォードは仕方なく自ら勉強を始めたが、どうしても一科目だけ分からない教科があった。
「それが『魔法学』と言うことですね。でも、確かグレンフォード様、『魔法学』の実技は得意でしたよね?」
「実技はな。だが座学の方になると……全く分からない」
「なるほど。学術論文の方が駄目なのですね」
『魔法学』はその名の通り魔法を学門としてまとめたもの。『魔法学』は魔法を実践する実技と、魔法を学術的に紐解いていく学術論文がある。
脳筋――もとい、身体を動かすことが得意なため、実践は完璧なグレンフォードだが、座学に相当する学術論文の方はどう勉強してもさっぱり分からないらしい。
「君は『魔法学』でも特に学術論文が得意だと教師から聞いた。だから教えて貰えないかと」
「そういうことだったんですね……もしかしてあの日、図書館にいたのも……?」
初対面の時、彼はなにか話しにくそうにしていた。もしかしたら……。問いかけると、グレンフォードはバツが悪そうに青い目を逸らした。
「そうだ。何となく言い出しにくかったから、上手くいえなくて、あのような失礼な問いを……」
古代魔法が使えるか、という質問は気恥ずかしさの裏返しだったというわけか。
「そういうことでしたら。私でよければ喜んで教えて差し上げます」
「いいのか?」
「殿下の苦労を減らためですね」
「俺のためではないのか……」
「私は『ロアンヌ侯爵家』の者ですから」
「……王家に忠誠を誓う『法の番人』として、殿下の品位を落とすことは許さないということか?」
「まぁ、そういうことです」
本当は教えを乞うグレンフォードが面白かったからもあるが。それを隠して伝えると、グレンフォードは僅かに不満そうではあったが、この日から彼の秘密裏の特訓は始まった。
***
授業を終える鐘の音が聞こえて、私は本をパタリと閉じた。
「――キリがいいので、今日はここまでにしましょう」
「そうだな」
グレンフォードが椅子から立ち上がり、伸びをする。普段から近衛騎士の正装である純白の騎士服を纏う彼が、紺色で統一された学園の制服を来ているのはなかなか違和感がある。
「そういえば、今日はなぜ騎士服ではないのですか?」
「昼飯を溢してしまってな、他に着替えがなかった。殿下にすぐに身ぐるみを剥がされて、この制服を押し付けられたんだ」
「そういうことでしたか」
純白の騎士服に汚れなどつこうものなら目立つことこの上ない。どうか無事に落ちることを祈ろう。ここ数日関わるようになってわかったが、グレンフォードは割と大雑把である。細かいことはあまり気にしない性質で、それ故に繊細な分野である学術論文が苦手なのだろう。
そんなことを考えていると、ふとグレンフォードがこちらを見ているのに気づいた。なにか言いあぐねている様子に首を傾げる。
「どうかしましたか?」
「君の婚約者の話を、聞いた」
「アレクシス様のことですか? それが何か?」
今や学園中の噂になっている。何処で聞いても可笑しくはない話だ。
「君は、その……大丈夫なのか?」
「え?」
一瞬、何を問われているのか分からなかった。
「新聞記事を読んだ。君の婚約者は、君の妹と関係を持っていた、と……。だから、その、色々と大丈夫なのか?」
グレンフォードからの思いがけないその問いかけに、私は驚きすぎて本音が漏れてしまう。
「グレンフォード様でも人の心配なんてするんですね。私、びっくりしました」
「なっ!」
グレンフォードにとっては思わぬ反撃だったらしく、彼が珍しく慌てたような表情になる。
「君にはいつも、世話になっているから……! 知らない仲ではないのだから、心配にはなるだろう……」
だんだん気恥ずかしさが勝ってきたらしい。仕舞いにはそっぽを向いて語尾が小さくなったグレンフォードに、私はついに笑ってしまった。
「なっ、笑うことはないだろう!」
「すみません。ご心配して下さりありがとうございます。けれど私はこの通り全く何も思っていませんので」
「そのようだな。けれど、気をつけた方がいい」
「どういうことですか?」
先程とは違って真剣な表情になったグレンフォードに思わず居住まいを正すと、彼は声音を抑えて告げる。
「騎士団から我が国に、『黄昏石』が不正に密輸されているという連絡があった。そしてそれにアレクシスが関与しているかもしれない」
続くグレンフォードは取引現場に、見目麗しい金髪の青年が同席していたという情報があった、と小さく呟く。
「『黄昏石』――トワイライトルーンは魔力を霧散させる効果があるとされる魔除けの石。より純度の高いものは構築した魔法を無効化する力もあるという。君はかなりの魔法の使い手らしいが『黄昏石』の前では歯が立たない。アレクシスことだ、恐らく君への報復を考えているかもしれない。十分注意してほしい」
『黄昏石』――トワイライトルーン。
ロアンヌ家の地下の書庫にも記述があった伝説の石。
魔除けとして用いられる石。産出度は極めて低く、その中の純度が高いものとなれば全財産を叩いても欲しいと思うものはそれなりにいる。
果たしてアレクシスはそれを手に入れるのにどれほどの金をつぎ込んだのか。はたまた別の協力者が現れたか。
いずれにせよ、面白い。
「情報ありがとうございます。グレンフォード様。是非注意しておきますわ」
あくまで上品に見える笑顔で、私はグレンフォードの言葉に頷いてみせた。
――そして、図書館で繰り広げられるまさに今その瞬間の、その光景を。
「………………やっと、やっと見つけたぞ、セシル……!!」
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