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領地復興編 転章-緑の巫女-
とある王女の慟哭
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ラキウスに手を引かれた私は跳ねるような心地で王宮への帰路に着いた。
大好きなラキウスと一緒にいる時間。
心が安らぎ、温かい湯にとっぷりつかった時のような、なんとも言えない幸せな時間。
しかし総じて、幸せな時間というものは早く終わってしまうものだ。
ラキウスと手を繋ぎながら歩いていくと目の前に見えてきたのは薄汚れ、手入れもされないまま草が生い茂った構えだけは立派な屋敷。
かつては白亜に輝く荘厳な王宮の一角だったというそれは、今は離宮と呼ばれ、人が滅多に出入りしない時代遅れの建物だった。
そこは今、存在すら忘れ去られたブランテ王国の第一王女が住まう宮となっている。
「もう着いちゃったわ……」
せっかく大好きなラキウスと過ごせる数少ない時間だったのに。
いじけたようにぷく、と頬をふくらませると横にいるラキウスは困ったような笑みを浮かべた。
「エレスメイラ殿下……」
分かっているのだ。
ラキウスは王宮に仕える宮廷魔術師。
彼には仕事があり、その合間を縫って私に逢いに来てくれているのだ。
しかも正妃にバレないようにこっそりと。
迷惑をかけてはならない。
たとえ皆に忘れ去られていようと私はこの国の第一王女である。
自分の都合で国に仕える一魔術師を留めおくことは出来ない。
だから私は膨らませていた頬を笑みへと変え、ラキウスと繋いでいた手を離した。
胸の中から溢れそうになる寂しさを堪えながら、仕事へと戻るラキウスを見送ることにする。
「お仕事、頑張ってねラキウス!」
「ええ、またすぐに逢いに来ます」
「本当? じゃあそれまでに私は力の制御を完璧にするわ。 最近はセーレ……セイレルーンのおかげで力も大分扱いやすくなったのよ? もう暴走することもないの!」
「加護精霊を得たことで殿下の力が安定するようになったんですね。力を完璧に制御できれば、貴女は間違いなく王族の中では一番の力を持っていらっしゃる。王位継承権を得て、王位を継ぐことも可能になるはずです」
「私が力を持ったら、正妃様はますます私を疎ましく思われるでしょうね……」
「しきたりでは力が強いものが王位を継ぐ決まりです。殿下には王の素質が備わっています。この荒廃しゆくわが国を是非救っていただきたい。……私ももちろん、お傍で尽力させて頂きますよ」
ラキウスの言葉に私は心からの笑顔を浮かべる。
「勿論。お願いね! じゃあ、お仕事頑張って!」
「ええ、それでは」
最後にエメラルドの瞳を細めて、ラキウスは離宮を去っていった。
その姿が見えなくなるまで見送り、私は離宮の中へと戻る。
また一人になり少し心細くなるけれど、心はやる気に満ちていた。
ラキウスが側にいれば百人力だ。
最近ラキウスは宰相直属の部下となり、秘書官のようなことをしているのだという。
宰相からも信頼され、仕事覚えもよく筋もいいと褒められているのだと言っていた。
このまま行けば次に宰相位を継ぐのはラキウスになるはずだ。
ここ近年、国の情勢も安定していないと聞く。
国王は正妃の我儘を許容し、贅沢三昧の日々を送らせているとか。
城下町では税金が増えたと民が嘆き、飢えた子どもたちが生きるために食糧を盗むなどの罪も犯している。
このままではこの国はそう遠くないうちに廃れてしまうだろう。
しかしまだ十三歳の子どもでしかない私にはなんの力も無い。
王女ではあるものの離宮に追いやられ、正妃の嫌がらせに抵抗することしかできない名ばかりの王女。
そんなのはもう嫌だった。
ここから這い上がる為の力が欲しい。
正妃を見返し、私の存在すら忘れたお父様を──国王を退位させるためにも王位継承権を手に入れる。
そのためにはまず、精霊を使役する力を完璧に使いこなすことが最重要課題だ。
それはもうすぐで果たされつつある。
ラキウスが王妃の裏をかいて秘密裏に繋いでくれた縁によって私を支持してくれる存在もできた。
何より誰よりも信頼し、愛する彼が傍に居てくれる。
ラキウスとの出会いによって、私はこの状況を脱するための力を手にした。
ここから這い上がるための勇気をもらった。
王となる決意をした。
だから私が無事に女王になれた日には。
今度は支えてもらったぶん、彼に恩返しをするのだと。
そのためにも、早く力をつけなければならない。
私のために力を尽くしてくれる彼のためにも、私自身のためにも。
何よりこの国の未来のために。
私は一層の決意を固めた。
『――そう思っていたのに』
突如、世界が暗転する。
離宮にいたはずの私は、いつの間にか王宮の控えの間にいた。
周りには誰もいない。
不思議に思ってキョロキョロと辺りを見回して、異変に気づく。
不自然に空気が熱く、あちこちから焦げ臭い匂いがするのだ。
――城が、燃えている。
辺り一面に燃え盛る炎。
視界は真っ赤に埋め尽くされ、辛うじて焼け落ちていないらしい控えの間にも、もうすぐそこまで火の手が迫っていた。
「逃げなきゃ……」
呆然と呟いた私は立ち上がろうとして、しかしそれができないことに気づいた。
足の感覚がないのだ。
正確には太ももから下の感覚がない。
焦った私は必死に動かそうとするも、自らの両足はピクリとも反応してくれなかった。
「なんで……!?」
これでは逃げられない。
呆然としてただ迫る火の手を見つめる中、誰もいないと思っていた控えの間に人の気配を感じた。
暖炉の手前。
地下水道へと続く隠し通路から出てきたらしいその人物。
背に流れた金髪にエメラルドの瞳。
誰よりも愛し、誰よりも信頼する人物。
私は焦っていた心が落ち着いていくのを感じた。
良かった。ラキウスが来てくれた。
彼ならば助けてくれる。
無条件でそう思っていた。そう信じていた。
なんの疑問も抱かず。それが当然であるとばかりに。
しかし。
「生きているようならトドメを刺してやろうと思ったが、これならこのまま転がしておいてもいいな。そのままでもお前はもうすぐ死ぬのだから」
聞いたこともない吐き捨てるような冷たい声音。
けれどそれは間違いなく彼の声で。
私は俄に信じられず、目を見開いて彼を見上げた。
「ラキ、ウス……? ――ッ!!」
思わず息を呑んだ。
無造作に流れた金髪。前髪で隠れた隙間からのぞいたエメラルドの瞳は、信じられないほど冷たい光を宿していた。
口元は少し吊り上がり、こちらを嘲笑っているとしか思えない表情。
いや、ラキウスは嗤っていた。
こちらを見て、嘲笑う。心の底から私が死ぬことを望んでいるように。
これから死ぬ私を嘲笑うように。
「私の愚かな可愛い捨て駒。自分が婚約者に裏切られたことにさえ気づかなかった。気づいたところで今更遅い。お前はここでその短い生涯を終えるのだから」
ウラギッタ?
誰が? 誰を?
彼が、私を?
ラキウスが、私を――『裏切った』?
「お前はここで死ぬんだ。俺はお前の死をもってブランテ王国を終わりにする。これからは俺が同志たちと共に新たな素晴らしい国を築く。お前はそのための文字通りの礎になってくれ。さようなら、エレスメイラ女王」
辺りに響くラキウスの甲高い笑い声。
耳鳴りが止まない。
なにかの間違いではないのか。彼は私を愛してくれていたのではないのか。
私の力になりたいと、あの時笑顔で告げてくれたのは、愛していると囁いてくれたのは、
全て嘘だったというのか。
その瞬間、私の中で何かが壊れた。
「――ラキウスゥゥゥウウウ!!」
立ち上がることもできず、床で無様に這いつくばりながら、私はあらん限りの憎悪をラキウスに向けた。
絶対に許さない。私を殺したお前を私は恨み続ける。
死したあとも、ずっと。絶対に許すものか。
私にここまでの憎悪を抱かせたのだ。簡単には死なせない。
苦しんで、苦しんでもがき続けろ。
私を裏切ったことを、心の底から後悔するまで。
絶対に逃がさない。
溢れる憎悪に身を任せ、あらん限りの呪詛の言葉を吐き続ける。
いつの間にか傍にいた銀鳥――加護精霊セイレルーンが、その煌めかしいばかりの銀の輝き持つその身を、鈍くどす黒い漆黒に覆い始めていた。
主人の願いを実行するために。
「呪われてあれ――!!」
完全に死に絶える直前。
私はその呪言を叫ぶと、一筋の涙を流してその意識を永遠に閉ざした。
大好きなラキウスと一緒にいる時間。
心が安らぎ、温かい湯にとっぷりつかった時のような、なんとも言えない幸せな時間。
しかし総じて、幸せな時間というものは早く終わってしまうものだ。
ラキウスと手を繋ぎながら歩いていくと目の前に見えてきたのは薄汚れ、手入れもされないまま草が生い茂った構えだけは立派な屋敷。
かつては白亜に輝く荘厳な王宮の一角だったというそれは、今は離宮と呼ばれ、人が滅多に出入りしない時代遅れの建物だった。
そこは今、存在すら忘れ去られたブランテ王国の第一王女が住まう宮となっている。
「もう着いちゃったわ……」
せっかく大好きなラキウスと過ごせる数少ない時間だったのに。
いじけたようにぷく、と頬をふくらませると横にいるラキウスは困ったような笑みを浮かべた。
「エレスメイラ殿下……」
分かっているのだ。
ラキウスは王宮に仕える宮廷魔術師。
彼には仕事があり、その合間を縫って私に逢いに来てくれているのだ。
しかも正妃にバレないようにこっそりと。
迷惑をかけてはならない。
たとえ皆に忘れ去られていようと私はこの国の第一王女である。
自分の都合で国に仕える一魔術師を留めおくことは出来ない。
だから私は膨らませていた頬を笑みへと変え、ラキウスと繋いでいた手を離した。
胸の中から溢れそうになる寂しさを堪えながら、仕事へと戻るラキウスを見送ることにする。
「お仕事、頑張ってねラキウス!」
「ええ、またすぐに逢いに来ます」
「本当? じゃあそれまでに私は力の制御を完璧にするわ。 最近はセーレ……セイレルーンのおかげで力も大分扱いやすくなったのよ? もう暴走することもないの!」
「加護精霊を得たことで殿下の力が安定するようになったんですね。力を完璧に制御できれば、貴女は間違いなく王族の中では一番の力を持っていらっしゃる。王位継承権を得て、王位を継ぐことも可能になるはずです」
「私が力を持ったら、正妃様はますます私を疎ましく思われるでしょうね……」
「しきたりでは力が強いものが王位を継ぐ決まりです。殿下には王の素質が備わっています。この荒廃しゆくわが国を是非救っていただきたい。……私ももちろん、お傍で尽力させて頂きますよ」
ラキウスの言葉に私は心からの笑顔を浮かべる。
「勿論。お願いね! じゃあ、お仕事頑張って!」
「ええ、それでは」
最後にエメラルドの瞳を細めて、ラキウスは離宮を去っていった。
その姿が見えなくなるまで見送り、私は離宮の中へと戻る。
また一人になり少し心細くなるけれど、心はやる気に満ちていた。
ラキウスが側にいれば百人力だ。
最近ラキウスは宰相直属の部下となり、秘書官のようなことをしているのだという。
宰相からも信頼され、仕事覚えもよく筋もいいと褒められているのだと言っていた。
このまま行けば次に宰相位を継ぐのはラキウスになるはずだ。
ここ近年、国の情勢も安定していないと聞く。
国王は正妃の我儘を許容し、贅沢三昧の日々を送らせているとか。
城下町では税金が増えたと民が嘆き、飢えた子どもたちが生きるために食糧を盗むなどの罪も犯している。
このままではこの国はそう遠くないうちに廃れてしまうだろう。
しかしまだ十三歳の子どもでしかない私にはなんの力も無い。
王女ではあるものの離宮に追いやられ、正妃の嫌がらせに抵抗することしかできない名ばかりの王女。
そんなのはもう嫌だった。
ここから這い上がる為の力が欲しい。
正妃を見返し、私の存在すら忘れたお父様を──国王を退位させるためにも王位継承権を手に入れる。
そのためにはまず、精霊を使役する力を完璧に使いこなすことが最重要課題だ。
それはもうすぐで果たされつつある。
ラキウスが王妃の裏をかいて秘密裏に繋いでくれた縁によって私を支持してくれる存在もできた。
何より誰よりも信頼し、愛する彼が傍に居てくれる。
ラキウスとの出会いによって、私はこの状況を脱するための力を手にした。
ここから這い上がるための勇気をもらった。
王となる決意をした。
だから私が無事に女王になれた日には。
今度は支えてもらったぶん、彼に恩返しをするのだと。
そのためにも、早く力をつけなければならない。
私のために力を尽くしてくれる彼のためにも、私自身のためにも。
何よりこの国の未来のために。
私は一層の決意を固めた。
『――そう思っていたのに』
突如、世界が暗転する。
離宮にいたはずの私は、いつの間にか王宮の控えの間にいた。
周りには誰もいない。
不思議に思ってキョロキョロと辺りを見回して、異変に気づく。
不自然に空気が熱く、あちこちから焦げ臭い匂いがするのだ。
――城が、燃えている。
辺り一面に燃え盛る炎。
視界は真っ赤に埋め尽くされ、辛うじて焼け落ちていないらしい控えの間にも、もうすぐそこまで火の手が迫っていた。
「逃げなきゃ……」
呆然と呟いた私は立ち上がろうとして、しかしそれができないことに気づいた。
足の感覚がないのだ。
正確には太ももから下の感覚がない。
焦った私は必死に動かそうとするも、自らの両足はピクリとも反応してくれなかった。
「なんで……!?」
これでは逃げられない。
呆然としてただ迫る火の手を見つめる中、誰もいないと思っていた控えの間に人の気配を感じた。
暖炉の手前。
地下水道へと続く隠し通路から出てきたらしいその人物。
背に流れた金髪にエメラルドの瞳。
誰よりも愛し、誰よりも信頼する人物。
私は焦っていた心が落ち着いていくのを感じた。
良かった。ラキウスが来てくれた。
彼ならば助けてくれる。
無条件でそう思っていた。そう信じていた。
なんの疑問も抱かず。それが当然であるとばかりに。
しかし。
「生きているようならトドメを刺してやろうと思ったが、これならこのまま転がしておいてもいいな。そのままでもお前はもうすぐ死ぬのだから」
聞いたこともない吐き捨てるような冷たい声音。
けれどそれは間違いなく彼の声で。
私は俄に信じられず、目を見開いて彼を見上げた。
「ラキ、ウス……? ――ッ!!」
思わず息を呑んだ。
無造作に流れた金髪。前髪で隠れた隙間からのぞいたエメラルドの瞳は、信じられないほど冷たい光を宿していた。
口元は少し吊り上がり、こちらを嘲笑っているとしか思えない表情。
いや、ラキウスは嗤っていた。
こちらを見て、嘲笑う。心の底から私が死ぬことを望んでいるように。
これから死ぬ私を嘲笑うように。
「私の愚かな可愛い捨て駒。自分が婚約者に裏切られたことにさえ気づかなかった。気づいたところで今更遅い。お前はここでその短い生涯を終えるのだから」
ウラギッタ?
誰が? 誰を?
彼が、私を?
ラキウスが、私を――『裏切った』?
「お前はここで死ぬんだ。俺はお前の死をもってブランテ王国を終わりにする。これからは俺が同志たちと共に新たな素晴らしい国を築く。お前はそのための文字通りの礎になってくれ。さようなら、エレスメイラ女王」
辺りに響くラキウスの甲高い笑い声。
耳鳴りが止まない。
なにかの間違いではないのか。彼は私を愛してくれていたのではないのか。
私の力になりたいと、あの時笑顔で告げてくれたのは、愛していると囁いてくれたのは、
全て嘘だったというのか。
その瞬間、私の中で何かが壊れた。
「――ラキウスゥゥゥウウウ!!」
立ち上がることもできず、床で無様に這いつくばりながら、私はあらん限りの憎悪をラキウスに向けた。
絶対に許さない。私を殺したお前を私は恨み続ける。
死したあとも、ずっと。絶対に許すものか。
私にここまでの憎悪を抱かせたのだ。簡単には死なせない。
苦しんで、苦しんでもがき続けろ。
私を裏切ったことを、心の底から後悔するまで。
絶対に逃がさない。
溢れる憎悪に身を任せ、あらん限りの呪詛の言葉を吐き続ける。
いつの間にか傍にいた銀鳥――加護精霊セイレルーンが、その煌めかしいばかりの銀の輝き持つその身を、鈍くどす黒い漆黒に覆い始めていた。
主人の願いを実行するために。
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