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いわゆる転生トラックってやつ
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Twitterにて、サブローさんが主催された「GWドキドキシャッフル企画」に参加いたしました。
お題は、糸輪さんに頂戴した「受けを巡って争う美形攻めの客達×男性専門の高級クラブ(ソープでもホストでも)に在籍する平凡」です。
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だからさ、なんでこうなってんのか誰か説明してくんねーかな。
なんで、この人たち。んん?人でいいんだっけ。まあいいや、人ってことで。俺をめぐって争ってるわけよ。俺ってば、ちょっとこの世界では珍しいのかもしんねーけど。ただその辺にゴロゴロいるサラリーマンだぜ?
事の発端は、あれだ。よくあるやつ。「転生トラック」ってやつ。
あの日、同僚が結婚するってんで、「おい、おまえもやっと年貢を納めたな」だの、「嫁さん(仮)との馴れ初めは」だの、さんざん盛り上がった帰り道。
幸せそうな奴の顔を見ていたら、なんかムショーに腹が立ってきて、「幸せすぎるやつなんざ呪われろ~」と、呪いのダンスを交差点の真ん中でやってたら、ハイ、ここでトラックの出番。見事にトラックに轢かれた俺。
そして気が付くとお決まりの「白い部屋」で女神様とやらに告げられたわけだ。
「あなたが、お亡くなりになったのは、私の手違いです。でも、元のあなたの世界にはもうあなたの身体はありません。私の管理する別の世界に転生できますが、いかがでしょう」
はぁ。他人を呪わば穴二つだよね。そうだよね。呪っちゃいけなかった。しかも交差点の真ん中で。
なんて情けない死因。とーちゃん、かーちゃんごめんなさい。俺の死因くそみたいなこんなんで。あっ。あっ。弟よ。俺のコレクションはどうかこっそり捨ててくれ。パソコンは物理的に破壊してくれ──!!
なんてことを考えているうちに、容赦なく女神様とやらは返答を求めて来た。
「私も忙しいのです。早く決めてください」
ああ゛?そっちの手違いで死んだってんなら、もうちっと悩ませろや。まあいいや、転生ってやつで。仕方ねえ。転生してやんよ。せいぜい、俺TUEEEな仕様にしてくれよな。
そうして転生してきたこの世界。あれあれ?これ転生か?転生って赤ちゃんから始まるんじゃねえの?まんま俺じゃねえか。転生じゃなく、転移じゃね?それに、俺TUEEE仕様どこだよ。女神様は「大丈夫。痛くないよう防御においては最強です」っていってたよね。
ギルドとやらに所属して、畑の作物を食べちゃうスライムを駆除する、初級者用のミッションをこなすパーティーに潜り込んではみたものの。フツーに痛え。学生時代は陸上部だったから、戦闘能力は皆無。幸い逃げ足だけは速かったからなんとか死なずに済んだけど、初級者用パーティーでさえクビ。そりゃそうだよねー。ただの足手まといだもんな。俺でもやだ。こんなやつ。
しかし、働かざる者食うべからずだよな。ちびちび薬草とりだの、ペット探しだのといったミッションはこなしたけど、毎日ミッションがあるわけでもなく、俺はたちまち困窮したわけだ。
「ホストクラブ 赤い月」
この看板の前でぱったりと倒れる俺。そこに現れるオーナー。オーナーはこの界隈で「夜の帝王」と呼ばれるお人だった。お人というか、「吸血鬼」だな。「ヴァンパイア」。ヴァンパイアとはいえ、魔物の血を時々飲めばよいらしく、その辺にいる人々と変わらない生活を送れるということだった。あ、お日様はだめだぜ。焼け焦げて死んじまう。夜の帝王、ラドゥさんは行き倒れた俺を拾ってくれた上に、「ホストクラブ 赤い月」で雇ってくれた。
お題は、糸輪さんに頂戴した「受けを巡って争う美形攻めの客達×男性専門の高級クラブ(ソープでもホストでも)に在籍する平凡」です。
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だからさ、なんでこうなってんのか誰か説明してくんねーかな。
なんで、この人たち。んん?人でいいんだっけ。まあいいや、人ってことで。俺をめぐって争ってるわけよ。俺ってば、ちょっとこの世界では珍しいのかもしんねーけど。ただその辺にゴロゴロいるサラリーマンだぜ?
事の発端は、あれだ。よくあるやつ。「転生トラック」ってやつ。
あの日、同僚が結婚するってんで、「おい、おまえもやっと年貢を納めたな」だの、「嫁さん(仮)との馴れ初めは」だの、さんざん盛り上がった帰り道。
幸せそうな奴の顔を見ていたら、なんかムショーに腹が立ってきて、「幸せすぎるやつなんざ呪われろ~」と、呪いのダンスを交差点の真ん中でやってたら、ハイ、ここでトラックの出番。見事にトラックに轢かれた俺。
そして気が付くとお決まりの「白い部屋」で女神様とやらに告げられたわけだ。
「あなたが、お亡くなりになったのは、私の手違いです。でも、元のあなたの世界にはもうあなたの身体はありません。私の管理する別の世界に転生できますが、いかがでしょう」
はぁ。他人を呪わば穴二つだよね。そうだよね。呪っちゃいけなかった。しかも交差点の真ん中で。
なんて情けない死因。とーちゃん、かーちゃんごめんなさい。俺の死因くそみたいなこんなんで。あっ。あっ。弟よ。俺のコレクションはどうかこっそり捨ててくれ。パソコンは物理的に破壊してくれ──!!
なんてことを考えているうちに、容赦なく女神様とやらは返答を求めて来た。
「私も忙しいのです。早く決めてください」
ああ゛?そっちの手違いで死んだってんなら、もうちっと悩ませろや。まあいいや、転生ってやつで。仕方ねえ。転生してやんよ。せいぜい、俺TUEEEな仕様にしてくれよな。
そうして転生してきたこの世界。あれあれ?これ転生か?転生って赤ちゃんから始まるんじゃねえの?まんま俺じゃねえか。転生じゃなく、転移じゃね?それに、俺TUEEE仕様どこだよ。女神様は「大丈夫。痛くないよう防御においては最強です」っていってたよね。
ギルドとやらに所属して、畑の作物を食べちゃうスライムを駆除する、初級者用のミッションをこなすパーティーに潜り込んではみたものの。フツーに痛え。学生時代は陸上部だったから、戦闘能力は皆無。幸い逃げ足だけは速かったからなんとか死なずに済んだけど、初級者用パーティーでさえクビ。そりゃそうだよねー。ただの足手まといだもんな。俺でもやだ。こんなやつ。
しかし、働かざる者食うべからずだよな。ちびちび薬草とりだの、ペット探しだのといったミッションはこなしたけど、毎日ミッションがあるわけでもなく、俺はたちまち困窮したわけだ。
「ホストクラブ 赤い月」
この看板の前でぱったりと倒れる俺。そこに現れるオーナー。オーナーはこの界隈で「夜の帝王」と呼ばれるお人だった。お人というか、「吸血鬼」だな。「ヴァンパイア」。ヴァンパイアとはいえ、魔物の血を時々飲めばよいらしく、その辺にいる人々と変わらない生活を送れるということだった。あ、お日様はだめだぜ。焼け焦げて死んじまう。夜の帝王、ラドゥさんは行き倒れた俺を拾ってくれた上に、「ホストクラブ 赤い月」で雇ってくれた。
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