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そりゃ確かに防御力最強なんだけども

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 チュンチュンチュン

 おい!またこの展開かよ!俺ってば何やってんだよ!俺は頭を抱えた。
 昨日のお客様はフェンリルのカイさんだった。
 カイさんは、俺が「ホストクラブ 赤い月」で最初についたテーブルにいたお客様だ。取引先との接待で訪れていたカイさんは、その後ふらりと店に来店しては、俺を指名してくれる。
 カイさんは、おすみ溢れる美丈夫で、豪快なお客様だ。昨日は俺が店に提案したサービス「シャンパンタワー」をしてくれた。
 この世界ではシャンパンとは呼ばないが、似たような発泡酒があり、高く積まれたグラスのタワーにキラキラと輝きながら金色の酒が注がれる。注がれた酒は、そのまま店全体のお客様や、キャストに振る舞われるため、店はおおいに盛り上がる。発泡酒は高い酒だ。俺の売り上げも大幅にUP!こりゃいいぞと、俺はまたもや呑みすぎた次第……。って。カイさん?そのお手々はなんですか?ていうか、この服、「彼シャツ」ってやつじゃ?俺、いつの間に着替えた?

「あっ……ふぅ」

 カイさん?俺の口の中でうごめく舌を止めて!そして、乳首いじるのやめて!きもちいいからっ。

「シュガー。いいか?」

 やばい。……きもちいい。俺、このまま流されてもいいかな。いいよね。
 自分から応えるように、カイさんに口づける。カイさんは、ニヤリとわらうと、くちゅくちゅと耳の中を舌が這う。俺の体中にキスの雨が降ると、ぞわりぞわり快感が走るもんだから、俺ってば背中が自然と反っちまう。やべぇ、ここ、俺、きもちいいポイントだったんだ……。お互いのブツをカイさんが合わせ、ぬちぬちと先走るもので扱き上げると、俺とカイさんは同時にイってしまった。カイさんの指が、俺の後孔を探る。俺、ここ使うの初めてだな。カイさんに捧げちゃうんだな……。

「んん?シュガー。おまえ、穴がないのか?」

 へ?穴?Siri穴の事ですか?昨日も元気よくウ〇コしましたよ?ないわけないですよ。自分でSiri穴があるべきところを探る。

「ええ―――!?ないっ俺のSiri穴どうした?」

 女神様?「大丈夫。痛くないよう防御においては最強です」はい!確かに有るものが無ければ防御もしようがないほど最強です!俺の俺TUEEE仕様ってば、最強じゃん。や、でも俺が処女をささげてもいいと盛り上がった気持ちはどうしてくれる……。
 俺とカイさんは続ける気持ちも萎えてしまった。俺はカイさん宅の風呂を借りて身体を清めると、とぼとぼと帰路についたのだった。
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