すべては誤解だったけど、なぜか二人の男に愛されています。これはきっと冬の花火のせい

橘 咲帆

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17.ナオの決断※

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 再び花火が上がり、三つ巴のまぐわいは花火の光にシルエットとして浮かび上がる。
 タケヒコはソファーに深く腰掛けた。そこへナオが背中を向けた形でゆっくりと腰を落とす。背面座位だ。

「あ、はぁ......んっ」
「ナオ、脚、おっぴろげて動いてみろよ」

 ナオは限界まで脚を拡げ腰を上下させる。その様子を真正面から見つめるハルキの瞳に映るのは、陰茎を激しく揺らしながら恍惚の表情を浮かべるナオの姿だった。タケヒコの猛りがナオの媚肉を押し拡げ、パン、パンと音を立てて突き上げているのがいやらしい。ハルキはごくりと喉を鳴らした。

 ナオと、タケヒコはハルキにアイコンタクトを送る。
 ハルキは二人に近寄り、ナオの先ほどまで中空で踊っていた陰茎を掴んだ。四つん這いになり、ぬるつく先端に口づけた後、舌を這わせて湿らせた。さらにローションを足して、数度扱いたあと、身体を起こして自分の腰を近づけると、ナオの陰茎を自分のアナルで飲み込んでいく。ナオの陰茎がハルキの奥にどちゅんと当たると、ナオの辛抱は限界だった。崩れるように前に倒れ込むと、ナオとハルキは正常位となり、タケヒコとナオは後背位となった。

 ナオは前からも後ろからも迫りくる快感に、もう自分から動くということが出来なくなってしまっていた。タケヒコがゆっくりと抽挿を始める。その動きは徐々に激しさを増し、ナオが動かずとも、ナオの陰茎はハルキのアナルを出入りすることとなった。
 二人の男の嬌声と、一人の男のうめき声が三重奏を奏でる。

「あっ、あああ! も、だめ......だめ......っ、ああああっ!!」
「いくっ、イクイク、いっちゃ……やっ、、んんんん!」
「お、れもっ......イクっ!!中に出すぞ」

 ハルキは自分の腹の上にどぴゅどぴゅと白濁を散らし、ナオはハルキのナカにぶちまけ、タケヒコはナオの奥深くで果てた。

◇◇◇

 今年の最後の日に、よりによって三人でセックスをしてしまった。
 最中の興奮が過ぎ、賢者タイムに入った三人は、リビングに拡げられたケータリングの総菜やピザなどをぎこちなく口に運んだり、特大のテレビから流れてくる紅白を見たり、カウントダウン花火を見たりしていた。
 ナオはそわそわする。あの事を言わなきゃ、聞かなきゃと覚悟を決めた。

「兄ちゃん、俺、見ちゃったんだ」
「ん?」
「兄ちゃんが女の人と一緒にいたところ」
「ん? いつだ?」
「期末の最終日だったから、十日、かな」

 タケヒコが外出して人と会うことは限られている。自治体との懇談会だったり、経営する不動産にかかわる事だったりだ。十日、十日、とタケヒコは頭を巡らせると、はたと思い当たった。あの日はターミナル駅にある自家の不動産を依託している会社の営業と打ち合わせをしたのだった。タケヒコはさらに管理物件を増やそうと、手ごろな土地をターミナル駅近くで内覧をしたのだ。そういえば、あの営業は女性だったなと思い当たる。

「ああ、あれは不動産屋の営業だよ」
「営業?」
「ちょっと商談で一緒にいたけど、あれ? それ見て?」
「うっ」
「ナオ? なんだよ、嫉妬したのか?」
「だって、なんだかお似合いだった……」

 タケヒコは三人の中で一番体格のいい男、ハルキを見た。もそもそ・・・・と冷めたピザを食み、今一つ何を考えているかわからない顔をしている。タケヒコはやれやれと溜息を一つ落として、再び視線をナオに向けた。

「で、その心の隙をついて、お前たちが乳繰り合ったと」

 ピザを食んでいたハルキが視線を落とし、ぼそりと呟いた。

「兄ちゃんがナオをしっかり捕まえておかないのが悪い」
「違うだろ。ナオの早とちりのせいだ」
「ごめん……」
「で、俺は、ナオの事を譲る気はない」

 静かだが、底冷えのする声でタケヒコが宣言をすると、対するハルキはナオをがばっと引き寄せてこちらも宣う。

「俺も譲らないから」

 二人の男がナオに迫る。

「「ナオはどっちを選ぶんだ」」
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