すべては誤解だったけど、なぜか二人の男に愛されています。これはきっと冬の花火のせい

橘 咲帆

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16.ナオの誘い※

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 三人は磨き抜かれた廊下を進む。廊下を進んだ先には四十畳はあろうかという、贅沢でシックなリビングが広がっている。そこは、いつもよりも照明が落とされ、花火を見る体制が整っていた。

 ドーン

 花火が上がった。天貂祭のカウントダウン花火は、夜の七時から始まり、年が変わる零時近くに最高潮を迎える。ゆえに、始まったばかりの今は、それこそ三十分に一回上がるか、上がらないかといった散発具合だ。
 花火の逆光を受けて、タケヒコが立つ。

「ナオ、どういうことだ?」
「……」
「黙っててもわからねぇ、口がないのか?」
「……あのっ」

 タケヒコは言い澱んでいるナオを鼻で嗤い、背中にハルキをくっつけたままのナオを捉えて、深いキスをした。
 何をするんだと憤るハルキを他所に、何度も角度を変えて行われる行為に、ナオは雌の表情を浮かべる。ハルキの前では決して見せない表情だ。じゅるじゅると互いの唾液を貪り合い、ケンカでもするように舌を絡ませる。

「いつまで見てんだ?」

 タケヒコがハルキに凄む。

「帰れよ」
「嫌だ」

 タケヒコは再び鼻で嗤う。

「ナオ、抱くぞ?」

 酷い話だとナオは思った。だが、強引に事を運ぼうとするタケヒコにむちゃくちゃ興奮した。ちらりとハルキを見ると、惚けた顔でこちらを見ている。もういい、どうとでもなれと、ナオはコートを脱いだ。タケヒコはナオの肩を押すと、L字に配されたソファーのカウチ部分にナオを押し倒す。ムギュっという本革特有の音がした。

「帰らねえなら、そこで見てろ」

 いつになくタケヒコの口調がぞんざいだ。ナオは裸体となった脚を拡げる。脚の間に割り込むように乗り上げたタケヒコを両腕で迎えると、その肩越しにハルキを見上げ、呼んだ。

「ハルキもシよ?」

 ハルキは逃げる様子もないし、どこかでこの状況を受け入れているようだ。ナオは、二人のどちらかを選べと言われても選べないと思ったので、一か八かハルキを呼んでみたのだ。ハルキは猛然とブルゾンを脱ぎ捨てた。

(かかった)

 まんまとナオの口車に乗り、この狂乱に参加することになったハルキは、タケヒコが取り出していたローションのボトルを取り上げると、自分の尻に塗り付けた。

「……ハルキ、そっちかよ」

 タケヒコは思わず零した言葉の端に笑みが乗る。

「ナオ、ハルキで筆おろししたのか?」
「……うん」
「浮気者」

 ナオのつつましやかな褐色ピンクの乳首を尖らせた舌で弾くと、その先端を唇で柔らかく食んだ。

「あんっ」

 その反対の乳首はハルキの担当だった。タケヒコに負けじと音を立てて吸い上げる。ナオは両乳首に異なる刺激を受けて、息も絶え絶えだ。

「に、ちゃ。ちんこ欲しいよ。ハルキ、俺の頭の上に跨って」

 ナオは自分の下半身をタケヒコに任せると、眼前に出されたハルキのアナルに口を付けた。ハルキのアナルは思った以上に仕上がっていた。この寒空に青姦でもしようとでも思ったのだろうか、ほのかにボディシャンプーの香りがする。ナオは抵抗感なく舌をハルキのアナルで抜き差しをした。
 
「んっ……はぁっ、、! んっ……」

 大きく喘ぎ声を上げるハルキの広い背中をちらりと捉え、タケヒコは、ナオのアナルを丁寧に指で拡げる。じゅるっとナオの陰茎を滴る唾液と共に舐めると、垂れ落ちた自分の唾液とローションをナオのアナルの内壁に塗り込んだ。そして、クルミ大に膨らんたそこを探り当てると、とん、とんと一定のリズムで叩いた。

「だめっ、にいちゃ……」
「ほらほら、ナオ、口が疎かだぞ?」
「だってぇ、、そこぉっ……あっ……あっ……も、ちょうだいっ」
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