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安堂 薫
『彼に会いたい』(5)執筆中
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2人が暮らし始めて、しばらくたった。
ジャックは、初日の買い物の時に、本屋で買った小学生用のドリルを使って言葉を覚え始めていた。
今では、工学と経済関連の専門誌を読むまでに成長していた。
流石は、文武両道なジャック。
数週間前まで、ひらがなの練習をしていた人物とは、思えないくらいだった。
さらに、薫から家電の使い方を教えてもらい、薫の出勤中に家事をして、料理を作って薫の帰宅を待っていてくれてる。
これが、世にいう最強彼氏なのか。
窓の叩く音が聞こえ、音のする方を見ると真っ白な鳩が窓を開けろと言わんばかりに、激しくつついていた。
慌てて窓を開けると、鳩室内に入ってきて携えていた手紙を嘴にくわえ、薫に差し出した。受け取ると、早く読めと言わんばかりに、鳩からの無言の圧を感じた。
【拝啓 安堂 薫殿
アタシは恋命。その名の通り恋愛を司っている神よ。菅原道真公様から貴方達のお話を伺っていて、少しだけ生活を観させて貰ったわ。とってもお似合いの2人でアタシまで嬉しくなって、気がつくと手紙を書いていたわ。きちんと契約も守ってるようだし、これからも様子を見守らせて貰うわね。
追伸
閨の事で困り事があったら、鳩に手紙を渡してね。アタシが秘術を授けてあげる。】
「(なんなの、この国の神様は!あんば様といい、恋命様といい夜の事しか頭に無いのか?)」
『また、神様からの手紙かい?』
後ろから、ハグをするように手紙を読むジャック。
薫はワタワタと手紙を片付けようとしたが、ジャックが奪いとった。
そのまま、読むジャックの腕の中で顔を真っ赤にする事しか、出来なくなった。
『返事書かないの?鳩が待ってるみたいだけど。』
ジャックが指差す方を見ると、「さぁ、返事を書け!」と言ってるかのように、胸を張る鳩がまだいた。
なんとなく、ドヤ顔なのが鼻につく。
「か、書かないよ。私は、今とっても充実してるし、これ以上ワガママ言ったらバチ当たりそう。」
『ふぅん、そっか。』
ジャックは薫から離れ、デスクに向かった。
『じゃあ、僕が書いとくね。』
ポカンとする薫をよそに、メモ用紙に何かを書き、鳩に結びつけた。
飛んでいく鳩を見送った2人だが、その表情は雲泥の差だった。
「ちょっと、ジャック!何書いた
の!?」
『えぇー、教えたいけどそういう事って、他の人に言ったら叶わなくなりそうだから、ダーメ。』
【残念だ、お主は契約を違えた。よって、契約は破棄となる。それ相応の罪を受けてもらう。】
「私は…………しぬんですか?」
【安心せよ、命まではとらぬ。だが、お主は吾らの庇護下から外れる。】
「どういうこと?」
【何故驚く?吾は、別の者の願いを叶えたにすぎない。】
『僕が願ったんだよ。』
ジャックは、初日の買い物の時に、本屋で買った小学生用のドリルを使って言葉を覚え始めていた。
今では、工学と経済関連の専門誌を読むまでに成長していた。
流石は、文武両道なジャック。
数週間前まで、ひらがなの練習をしていた人物とは、思えないくらいだった。
さらに、薫から家電の使い方を教えてもらい、薫の出勤中に家事をして、料理を作って薫の帰宅を待っていてくれてる。
これが、世にいう最強彼氏なのか。
窓の叩く音が聞こえ、音のする方を見ると真っ白な鳩が窓を開けろと言わんばかりに、激しくつついていた。
慌てて窓を開けると、鳩室内に入ってきて携えていた手紙を嘴にくわえ、薫に差し出した。受け取ると、早く読めと言わんばかりに、鳩からの無言の圧を感じた。
【拝啓 安堂 薫殿
アタシは恋命。その名の通り恋愛を司っている神よ。菅原道真公様から貴方達のお話を伺っていて、少しだけ生活を観させて貰ったわ。とってもお似合いの2人でアタシまで嬉しくなって、気がつくと手紙を書いていたわ。きちんと契約も守ってるようだし、これからも様子を見守らせて貰うわね。
追伸
閨の事で困り事があったら、鳩に手紙を渡してね。アタシが秘術を授けてあげる。】
「(なんなの、この国の神様は!あんば様といい、恋命様といい夜の事しか頭に無いのか?)」
『また、神様からの手紙かい?』
後ろから、ハグをするように手紙を読むジャック。
薫はワタワタと手紙を片付けようとしたが、ジャックが奪いとった。
そのまま、読むジャックの腕の中で顔を真っ赤にする事しか、出来なくなった。
『返事書かないの?鳩が待ってるみたいだけど。』
ジャックが指差す方を見ると、「さぁ、返事を書け!」と言ってるかのように、胸を張る鳩がまだいた。
なんとなく、ドヤ顔なのが鼻につく。
「か、書かないよ。私は、今とっても充実してるし、これ以上ワガママ言ったらバチ当たりそう。」
『ふぅん、そっか。』
ジャックは薫から離れ、デスクに向かった。
『じゃあ、僕が書いとくね。』
ポカンとする薫をよそに、メモ用紙に何かを書き、鳩に結びつけた。
飛んでいく鳩を見送った2人だが、その表情は雲泥の差だった。
「ちょっと、ジャック!何書いた
の!?」
『えぇー、教えたいけどそういう事って、他の人に言ったら叶わなくなりそうだから、ダーメ。』
【残念だ、お主は契約を違えた。よって、契約は破棄となる。それ相応の罪を受けてもらう。】
「私は…………しぬんですか?」
【安心せよ、命まではとらぬ。だが、お主は吾らの庇護下から外れる。】
「どういうこと?」
【何故驚く?吾は、別の者の願いを叶えたにすぎない。】
『僕が願ったんだよ。』
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