両性愛は人類愛!

真憂

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アンチがいなきゃ、ファンもいない

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「何なのよ?いきなり夢の世界で単独ライブをしろって」

「SNSの告知はちゃんとしたか?」

「Xではつぶやいといたけど…」

そのとたん、血の気が引いた。「あいつが来るじゃない」

「ていうか、あいつしか来ないだろ。ファン1人なんだから」

「嫌よ!こんなのもうやめる!夢とはいえなんであいつと一対一でライブしなきゃいけないのよ!あんなのファンじゃないし」

「お姉さん、お姉さんを縛ってるのは「ファンへの恐れ」だ。あいつはそれの具現化だ。まあ現実でも色々あったみたいだけどな。誹謗中傷とか来ない?」

「…来る。ババアとか、ブスとか、死ねとか」

「アンチがいなきゃファンもいないんだよ。お姉さんには才能がある。人を惹き付ける魅力が」

そういって彼は伸びをする。

「それは確かだから。さーて、そろそろ来させようかな…」

「怖い!お願いだから止めて!思い出してきたの。あいつは私を殺そうとしたのよ。電車待ってたら急に背中を押されて…」

「心外だな、うっつー」

あいつが立っていた。彼女は口も聞けなくなる。

「うっつーを愛してるのは僕だけなのに。じゃあいっそ心中でもする?死んでいくうっつーもきれいだろうなぁ。僕はその欠片を集めて大切に保管するんだ」

「早くライブをやれ!」彼が叫んだ。

「でも、音楽も流れてないし…」

「アカペラでもなんとでもなるだろ!パフォーマンスしろ!」

というかストーカーがにじりよってくるので、ステージに逃げるしかなかった。

前のグループの曲を歌う。あいつが見ている。殺されそうになった時の、恐怖が蘇ってくる。

その時だった。あいつが怪しい動きを見せた。ナイフを持って、ステージに向かってくる。

「歌うのをやめるな!」彼の声が響く。

「ここは夢だ!あいつはお前を殺せない!むしろ目覚めるチャンスなんだ!」

ここは夢…でも目覚めてしまったら?
あなたと会えなくなっちゃうじゃない。

そんなことを考えながら歌っている間にあっという間にストーカーは目の前まで来る。

「今度こそ死んでね、うっつー」

ナイフが振りかぶられた時だった。
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