現実世界に生きる俺のところにゲームキャラが転生してきたんだが、タイプじゃないので手は出しません。

真憂

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転生の謎を知るラスボス登場!主人公は勝てるのか…?そして雑魚キャラヒロインの運命は…?

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翌日、はるとは「きゃるりん☆四天王」の開発をしているゲーム会社にいた。ここにリザロットを連れていけば全てがわかる。一般人だから通してもらえないかと思ったが、受付の人はリザロットの顔を見るなり血相を変え、どこかに電話をしていた。

「4階の会議室にお通りください」

はるとは怖かった。いつのまにか自分はこんなにもリザロットに執着していた。失うのが怖かった。だけど…リザロットは強い娘だ。僕だけの世界に閉じこめておくのはもったいない。もっとたくさんの人に愛されるべきなんだ。

「はると……」リザロットが呼んだ。僕は笑った。

「何?」

「初めて呼んだね、名前。」

リザロットは恥ずかしそうに顔を背けた後、言った。

「私、どうなるの…?」

「分からない。でもここはリザロットが生まれた場所だ。生んでくれた人達が中にいるんだ。リザロットはもっとたくさんの人に愛されるべきなんだ。その人達も今はどうか分からないけど、最初はそれを願ってたはずだ。それに賭けてみる。」

リザロットはそっと腕に抱きついてきた。

「はるとは私に世界を教えてくれた人…本当は離れたくない。でも私はゲームキャラとして生まれてきてしまった…それならその使命を果たすべきだと思う。でも…世界を教えてくれて、ありがとう、はると。」

「ゴホン!」わざとらしい咳払いが響いた。バーコード頭のおじさんが入ってくる。その人は部屋に入るなりリザロットをじろじろ見つめ

「ほう…何という再現力…ぼっちゃんの力も大したものだ…」と謎の言葉を呟いた後、口を開いた。

「お取り込み中すみませんな。開発本部長の矢島です。いやぁ、お越しいただくのを心待ちにしておりましたよ。リザロットは初期からいる我がゲームにとって大切なキャラですからねえ。間近で本物を見られるとは…」

「じゃあ何でストーリーやキャラ編成から消したりしたんですか?おまけにユーザーの記憶からも消えている。これはどういうことですか?」

矢島は汗を拭きながら、「さぁ、ユーザーに関しては忘れただけじゃないですかねぇ。こう言っちゃなんですが影響力のあるキャラではなかったですから」


「誤魔化すのはそこまででいい」


いきなり前髪が片方だけ異様に長く、全身黒ずくめ、やせぎすの男が入ってきた。はるとは直感であの時の帽子の男だと分かった。

「お前…」

「また会ったね、ただの駒君。」

「お前がリザロットに関するものを全部消したのか?」

「いかにも。本物はいただくつもりだがね。立場上やらない訳にはいかなかったのだよ。」

矢島が慌てて椅子から立ち上がる。

「ぼっちゃん!こんなに早いおでましでよかったのですか?もう少し泳がせて楽しんだ方が…」

「これ以上僕の女と別の男がいちゃいちゃしてるのを見るのも気分が悪いからね。何が世界を教えてくれただよ。何のためにこの世界に来たかも知らないくせに。全く反吐が出る。」

男は吐き捨てた後、不気味な笑みを浮かべ言った。

「初めまして、でもないけど自己紹介がまだだったね。この会社の会長の息子で跡取り、ついでにユーザー2位のロンリネスだ。本名は嫌いだから伏せておこう。」

「そんなことはどうでもいい!何のためにリザロットを転生させたんだ?どうやって?何故俺のところに?」

「ふふふ…それは俺が持つ"三重苦"のためさ」

「三重苦…?」

「全てを無に帰す能力、全てといっても的はしぼれるがね。そしてこの跡取りという立場、そして最後が別世界に転生させる能力だ。俺はこれまでも"全てを無に帰す能力"を使って会社の要望に答えてきた。でもリザロットだけは嫌だったんだ。だから転生させた。すなわち、リザロットを所有する権利は俺のものだ。さもなければ…」

男の目が不気味に光った。

「二人とも、消す」

「話は分かった。」はるとは果たして異能力者だと信じていいのか疑いながら言った。でもゲームのキャラが現実に来る時点でありえない事なのだ。それくらいぶっとんでた方が逆に納得できる。

「でも、何故俺のところだったんだ?最初から自分のところに転生させればよかったじゃないか」

「ふふ、君はただの駒だと言っただろう?テストだよ、テスト。転生させる異能力を使うのは初めてだったからね。それに…」

男の顔が歪んだ。

「お前みたいな何の努力もしないでやってるだけでユーザー1位になるような奴は大嫌いなんだよ!僕は異能力はあるがゲームの腕はからっきしで、ユーザー2位なのも親のコネだ…だから与えて、奪って、恨みを晴らしてやろうと思ったのさ」

「あ…」聞いたことがある。ユーザー2位なのに何故かパワーランキングにいつも入らない謎のユーザー。チャットでも都市伝説的に話題がでていた。

「お前みたいな奴に、リザロットは…」はるとが言いかけた声を打ち消したのはリザロットだった。

「わたくし、嫌ですわ。こんな男のところには行かない」

「リザロット!何故なんだ?お前が今存在してるのは俺のおかげなんだぞ。俺のところに来るのが筋ってもんじゃないのか?」

「わたくしはあくまでゲームキャラですわ。ゲームキャラだって時には人間と同じ位価値があるの。だからわたくしはゲームキャラとして愛されるのが望みよ。はるとはそれをいっしょに願いつつ、でも他の世界も広げてくれた。それにあなた、どうせわたくしを独占するつもりでしょう?しかもゲームキャラとしての居場所まで消した。わたくしの世界を狭めている。あなたのところに行くくらいなら潔く私だけ消えるわ。ただはるとは消さないで。」

「こいつ…ずっと推して、消さないで転生までしてやったのに…」男は唇を噛む。

「いいだろう。ただそんなに思い合っているなら2人いっしょに消えたらどうだ?その方がロマンチックじゃないか。いや待てよ、ただ消すだけじゃつまらないな…虚無より辛い世界に落としてやる。出でよ、転生!」
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