さきのない恋だとしても

真憂

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引っ掛かる同棲の話

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「そろそろ一緒に住まない?」

優一と付き合って半年。何気ないデートの合間にカフェで優一が言った。同棲かぁ…半年。確かにそんな頃かぁ。

日当たりの良いあの部屋。気に入っているけど、最近啓の面影を思い出すことも減ってきていた。そろそろ頃合いかもしれない。

「そうだねぇ、引っ越し先考えようか」踏ん切りつけたいし。私を幸せにしてくれるのはどう考えてもこの人なのだ。いつまでも啓の事を引きずってる訳にはいかない。

「マジで?俺一緒に住むのは始めてなんだよね。なんかワクワクするなぁ」

一緒に物件探したり…と優一は喜色満面だ。一方で私は啓の事を思い出さないかと少し心配だった。まあ、楽しい想い出を積み重ねるごとに上書きされていくだろう…と気楽に考える事にした。

このまま同棲して、結婚して、子供ができて…好きな人とやるそれらは大変だけど楽しいだろう。ただ。ただ何か引っ掛かるのは何なんだろう。

「美智留?聞いてる?」私は慌てて笑顔を作る。

「聞いてるよ、楽しみだね。」

楽しみなんてもんじゃないよ~と有頂天の優一をどこか遠い目で見ていた。
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