さきのない恋だとしても

真憂

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クリオネの飼い方

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夏になり、海に来ていた。理由は優一が付き合おうと言った時、私の目が海みたいだと言ったのを私が気に入っているということのみだ。あれがなかったら付き合ってなかったかもしれない。優一はサーフィンができるらしく、海の上をまるで波の一部になったかのように滑っている。見事だなぁ、と素直に思う反面、私とはやっぱり人間の種類が違う、と思ってしまう。カナヅチだし、私。

「ふぅ~、やっぱ海はいいね!美智留もやってみる?いくらでも教えるよ。」

「私、運動神経が半端なく悪いの。大惨事になりそうだからやめとく。」

「そっか、ちょっと滑りすぎて疲れたな。」優一が私の隣に腰を下ろす。「飲み物ちょうだい」「はいよ」スポーツドリンクを投げて渡す。「サンキュ」ごくごくと飲み干す優一に聞いてみた。

「ねぇ、私の目の中分かった?」

「ん?」

「告白してきた時言ってたじゃん」

「あ~、あれね」優一は腕組みしてしばらく考え、苦笑した。

「なかなか思ってたより深海だったよ。付き合ってみて分かった。でもね、一番奥までいったらお宝だったり、すげえ珍しいクリオネ的なものがいそうな気がする」

「お宝かクリオネ?」

「お宝かクリオネ。」私達は何となく吹き出した。

「それが見つかるまでは絶対別れないからね。見つけたら見つけたで、クリオネを飼って過ごせばいいんだよ。」

「そうだねぇ」

…優一はちゃんと見つけてくれてるんだよな。私の中の人と違う、しこりみたいな闇を。

「もっかい滑ってくるわ~」

「いってらっしゃい」

優一は私の事をちゃんと見てくれている。私はどうだろう?優一のどこをちゃんと見ているんだろうか。


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