さきのない恋だとしても

真憂

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満たされる代償

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「へぇ、同棲したんだ。良かったじゃん。」

カエデがサイゼリヤのポテトを頬張りながら言った。

「うん、良かった。良かったんだけどね…」

「けど、って何よ。」

「なんかね、自分が歯の矯正みたいに型にはめられてく気がするの。」

「それは優一さんに?」

「ううん、違う。優一は悪くない。…正確には悪気がない」

「イケメンだから気後れしてる訳?」

「なんかね、なんか…健全なんだよね。眩しいくらい。私は夜のコンビニの方が好きなのに、昼間のバーベキューばっかりやらされてる感じ。」

「贅沢ものだねぇ」カエデは溜め息をついた。

「でも結婚するよ、きっと。結婚式にはカエデも呼ぶね。」

「美智留は今の彼氏とは結婚したくないんじゃない?」

「何で?」

「こうしなきゃって無理してるように見える。自分の気持ちじゃないっていうか。」

「そんなことない、そんなことないよ。」

私はひきつった笑顔で言った。

「まあ、結婚したいのにできなくて前の彼とは別れたんだし、きっと満たしてくれるんじゃない?今の彼なら。応援してるよ。」

カエデが時計を気にし、「もう行かなきゃ」と席を立った。

…満たしてくれる。そう、きっとそうだ。幸せで満ちるはずだ。優一と一緒に居れば。
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