さきのない恋だとしても

真憂

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不幸に導く声

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同棲は特に問題なく進んでいた。料理や掃除の役割を分けようかと話したけれど、お互いの家事能力値が同じくらいだったので全部当番制にした。それもきちんと守ってくれているし、私も負担ではない。

優一が家で何をしているかというと、普通に動画を見て笑っていたりもするが、筋トレを毎日決まった時間にやっていてすごいなと思う。仕事の他にはジムやサウナに行ったりしている事も多い。本当にアウトドアというか私とは正反対だ。

私の趣味と言えば本、ゲーム(啓の影響も多少ある)、映画、たまに音楽くらいで思いっきりインドアだ。優一はそれらにも興味を持ってくれたりするが、私の趣味がマニアックすぎるのとじっと座って何かをするのがあまり得意ではないようで、あまり盛り上がらず席を立ってしまう。しかし、私がそれに特に不満を持っているという事はない。違う人種なのはもともと分かっていたことだし。逆に言えば私も優一のアウトドア趣味に興味を持ててるかと言ったらそうではないし。お互い様だろう。

夜の方も順調だ。まあ一緒に住まないでただ付き合ってた頃と変わらないし。愛情表現にも足りないところはない。

全てが順調に進んでいた。私もそれを受け入れられると思っていた。


同棲し始めて5か月。優一が改まって切り出してきた。

「美智留、今度時間がある日ある?大事な話があるんだけど」

ああ…来たか。「3日後なら空いてるよ。」

「じゃあその日ちょっと出かけよう。フォーマルな服の方がいいかも」

「分かった。」そう言うと優一はふっと表情を緩め、言った。

「愛してるよ、美智留。」

「…うん」これはもう完全にアレだな。さすがに分かるよ。ついにこの時が来たか。

その時。急に啓の声がフラッシュバックした。

「美智留も俺を捨てるんだね」

「美智留は俺みたいなのじゃないとダメだよ。同じ事を繰り返す」

やめて!違う…そんなことない。そんなことない!これだいいんだ。これで…
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