さきのない恋だとしても

真憂

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糸が切れる瞬間

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3日後、高めのレストランで優一と向き合っていた。

「美味しいね~」

「ん~」

「ん~のニュアンスが分かるようになってきたよ。量が少なすぎてよく分かんないんだね。」

「当たり」私はそれなりに緊張していた。そのせいで味がよく分からないというのもある。

「改めて、美智留。」優一が私に向き直った。

「俺と結婚して欲しい。美智留といると宝探ししてるみたいで楽しいんだ。それを一生かけて続けていけたらと思ってる。一生一緒にいて欲しい。」

「…ありがとう」

私が言うと優一は指輪を取り出した。ダイヤが結構高そうなカラットで光っている。それをゆっくり私の手をとって、はめようとする優一。その途端、何かが弾けた。

日の当たりの良いあの部屋、ゲームをする啓の横顔、一緒にゲーセン行った時に取ってくれたちゃちいおもちゃの指輪、今でも化粧ポーチの底に入ってる。そっちの方がいい、そっちの方がいい、私は結局……

思い出してしまった、自分の本当の恋心を。

「やめて!」私は思わず叫んでいた。店内の客がいっせいに振り向く。優一もびっくりした表情をしている。

「どうしたの?指輪気にいらなかった?」

「ごめん。本当にごめん。私、会いたい人がいる。求めてるものがある。それは優一には叶えられない。時間を奪って、期待させて本当にごめん。でも私、行くね。」

ぽかんとした顔の優一を置いて私は店を飛び出した。最初っから無理だったんだ。行こう、あの人がいる場所へ。
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