ひとりで生きたいわけじゃない

秋野小窓

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【9】花開く

9-13:貴矢side

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 気を散らしているくらいの方が、自然と力が抜けて痛くないだろうと、さっきは不意をついて挿入を試みた。だがきっと潤は、これからすることが分かっていた方が安心するのだろう。

「潤、挿れるね」

 今度は宣言をしてから、潤の後孔に欲望を突き立てる。

「ぁああ………っ!」
「辛くない?」

 ぎゅっと眉根を寄せた表情からはキツそうな様子が窺えるが、大丈夫だと頷く仕草を信じて腰を進める。
 指で慣らしていたとはいえ、やはり狭い。半分くらいで止め、潤の頭を撫でキスの雨を降らせる。

「潤、分かる?入っちゃったね」
「……っ……たかやさ、まだ……」
「ん?」

 潤が涙目で何か訴えてくる。

「まだ……全部、いれて………?」

 ……これだから、この子は。俺がどんな気持ちで途中で止めたのか分かっているのだろうか?
 僅かに残る良心を奪われ、最後まで一気に貫いた。

「~~~っ!!」
「ほら、全部入った」
「…ぅ……うぅ………」
「奥まで届いてる?」

 こんなに深く突き刺しても、気持ちよくはないだろうに。
 潤は苦しそうに呻きながらもどことなく嬉しそうな表情で小さく2回頷いた。

「……動いてもいい?気持ちよくなろう」

 ゆっくり、浅めにピストンする。最初は後ろだけで快感は得られないだろう。前も優しく握り、ゆるくしごいてやる。

「あっ……あぁっ……ふ……あっ……」

 潤にとっては初めてのセックス。怖いものでも、痛いものでもなく、気持ちいいことなんだと体に覚え込ませたい。

「潤のココ、めちゃくちゃ気持ちいいよ」
「んぁっ……ほ、ほん、とに……?」
「ああ。あったかくて、ギューギューに締め付けてきて、すぐイッちゃいそう……」
「よ、よかっ……あぁっ……!」
「俺達、カラダの相性も最高なんじゃない?」

 声を掛けると、強ばった潤の体から力が抜けるようだ。最中にそんなに話すタイプではもともとないが、潤となら悪くない。
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