ひとりで生きたいわけじゃない

秋野小窓

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【9】花開く

9-14:貴矢side

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「潤は?気持ちいい?」
「っあぁ……う……っ」
「まだよく分かんない?」
「んっ……んんっ………」

 ふふ。首を振っているが肯定か否定か読み取れない。

「いいよ。もっと分かんなくなっちゃおうね」
「はぁっん……んぁ……!」

 腰を振りながら、深く口づける。

「んっ……んぅ……はぁ…っ……」

 とろけた表情。完全に体からは力が抜け、いい具合に仕上がっている。
 まだまだ続けていられるが、初めてであまり長くしすぎても辛いだろう。

「潤、俺そろそろ出そう」
「あっ………」
「ちょっとこっち任せた」

 潤の左手を取り、俺の右手の代わりに潤自身を握らせる。恥ずかしそうに瞳が揺れたが、もう何も考えられないのだろう。素直に手を動かしている。

 ーーあー、これ、ヤバい。潤が自分で広げているところを見たいとゴネてよかった。自慰行為を見ているだけでゾクゾクする。

「動くよ、キツかったら言って」

 先ほどからずっと動いてはいたのだが、今度は自分の快感を高めることに集中する。

「あっ!あっ!やぁっ!あぁん!」

 潤の細い腰を掴み、欲望のままに犯す。

「潤、イクよ……」
「あっ!あぁ!」
「ああ、イクっ……ッ………!」
「あぁああぁっ………!」

 俺が中で果てたのと同時に、潤も自分の腹に精を放った。力尽き、潤の上にそのまま覆い被さる。

「たかやさっ、汚れちゃう……」
「いいよ。重い?」
「だいじょぶ、です」

 息を整えながら、囁く。

「潤、ありがとう。気持ちよかった」
「ん……すき、たかやさん……」
「最後までできたね?」

 潤は恥ずかしいのか嬉しいのか、俺の首に両腕を回して抱きついてくる。

「またしようね」

 まさかまだ1回きりだとか思っていないだろうな。念のため次の約束を持ちかけると、力が入らないはずの腕でぎゅうっと抱きしめてきた。
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