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【10】初めての部屋
10-2:潤side
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「貴矢さん!揶揄わないでください!」
「ははは。そんな真っ赤な顔で睨まれても、興奮するだけだよ」
興奮!?なんで!?
なんか今日の貴矢さん……。
「いじわる……」
ボソッと呟くと、ぽんぽんと頭を撫でながらごめんごめんと謝ってくる。
「潤が俺の生活空間にいるんだなって思ったら嬉しくて。調子乗った、ごめん」
そんなの、僕にとっては初めての体験だけど、貴矢さんからしたら恋人を家に呼ぶなんて慣れたことなんじゃないのかな?
自分で想像して、自分でムカムカしてくる。
「歴代の彼女さんも呼んでるんですよね?」
「え?」
うわ。やっちゃった。
こんなこと言いたくなかったのに。完全に八つ当たりじゃないか。
それに、そんなの当たり前だ。貴矢さんには豊富な恋愛経験があって当然なんだから。何言ってるんだろう僕。
「……ごめんなさい、なんでもないです」
泣きそうになりながら、絞り出した声で謝ると、貴矢さんからは意外にも嬉しそうな声が返ってきた。
「潤、もしかしてヤキモチ妬いてるの?」
「…………」
ヤキモチ……嫉妬?
そんなの、僕がしていいことじゃない。貴矢さんには僕の知らない過去があって、僕より長く生きていて、こんなに素敵な人で。
「潤?」
「……………ごめ、なさぃ」
かろうじて涙は溢れていないが、完全に泪声になっている。僕が泣く権利なんてないのに。
「謝らなくていいんだよ。そっか、潤、俺の元カノにヤキモチ妬いちゃうくらい俺のこと好きなんだね」
好き。貴矢さんが好き。
答える代わりに、とうとう目から雫が落ちてしまった。
「嬉しいよー、潤。全然そんな素振り見せなかったし、俺ばっかり潤のこと好きなのかなって思ってたから」
そんなことない。僕だって貴矢さんのこと大好きだ。こんな、馬鹿みたいに、泣いちゃうくらいに。
ふるふると首を横に振ると、涙がまたぽろぽろ零れていった。
「ははは。そんな真っ赤な顔で睨まれても、興奮するだけだよ」
興奮!?なんで!?
なんか今日の貴矢さん……。
「いじわる……」
ボソッと呟くと、ぽんぽんと頭を撫でながらごめんごめんと謝ってくる。
「潤が俺の生活空間にいるんだなって思ったら嬉しくて。調子乗った、ごめん」
そんなの、僕にとっては初めての体験だけど、貴矢さんからしたら恋人を家に呼ぶなんて慣れたことなんじゃないのかな?
自分で想像して、自分でムカムカしてくる。
「歴代の彼女さんも呼んでるんですよね?」
「え?」
うわ。やっちゃった。
こんなこと言いたくなかったのに。完全に八つ当たりじゃないか。
それに、そんなの当たり前だ。貴矢さんには豊富な恋愛経験があって当然なんだから。何言ってるんだろう僕。
「……ごめんなさい、なんでもないです」
泣きそうになりながら、絞り出した声で謝ると、貴矢さんからは意外にも嬉しそうな声が返ってきた。
「潤、もしかしてヤキモチ妬いてるの?」
「…………」
ヤキモチ……嫉妬?
そんなの、僕がしていいことじゃない。貴矢さんには僕の知らない過去があって、僕より長く生きていて、こんなに素敵な人で。
「潤?」
「……………ごめ、なさぃ」
かろうじて涙は溢れていないが、完全に泪声になっている。僕が泣く権利なんてないのに。
「謝らなくていいんだよ。そっか、潤、俺の元カノにヤキモチ妬いちゃうくらい俺のこと好きなんだね」
好き。貴矢さんが好き。
答える代わりに、とうとう目から雫が落ちてしまった。
「嬉しいよー、潤。全然そんな素振り見せなかったし、俺ばっかり潤のこと好きなのかなって思ってたから」
そんなことない。僕だって貴矢さんのこと大好きだ。こんな、馬鹿みたいに、泣いちゃうくらいに。
ふるふると首を横に振ると、涙がまたぽろぽろ零れていった。
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