38 / 65
38 伝説の人狼
しおりを挟む
「おう、俺だ」
白髪の男ははっきりと名乗った。
見たところ某より少し年上の感じだが、サハリさまいわく自分よりも高齢で200歳は超えているらしい。
サハリさまと同じで何かの魔術で若くなっているのか。
このお方は先ほどあったダガーや他の人狼とは少し違う臭いを感じた。
腰には見たところ古い刀を差していた。
マカミさまが某をまじまじと見た。
身体が硬直した。見た目は若いがこの瞳は、確かに長い人生戦い抜いてきた証を感じた。
サハリさまが申していた。
戦いに関して、一番強いのは初代帝王でじゃなく人狼のマカミだと。
「ダガーには会ったか?」
「はい」
「最近、馬鹿がこの森に来てモンスターどもらの餌になってんだよ。ダガー達はそういう馬鹿を見つけると、とっとと森から追い出して奴らを助けてんだがな。・・・おまえダガーに勝ったか?」
「武器を使わず勝ちました」
「ほんとか!?」
「嘘は申しませぬ!」
某ははっきりと言った。
マカミさまが笑い出した。
「日本からまた面白いやつが来たな。今度は俺と戦うか?」
「某にご教授をお願いしたく存じます」
マカミさまに片膝をついて願い出た。
マカミさまは笑いを止めた。
ザッ!
マカミさまがいきなりつかみかかってきた。
それをとっさに振りほどいた。そしてマカミさまは某の後ろにいたルナどのを見た。
「この武士に魔術をかけろ」
「え!?」
突然のことにルナが混乱した。
「この武士と一緒に旅してきたんだろ?魔術をかけろ!」
「は、はい!」
ルナは呪文をとなえ虎吉に【疾風迅雷(ラピッドサンダーストーム)】をかけた。
「【覚醒(アウェイクニング)】がかかった初代帝王よりも強いあなたは、戦の時に初代帝王を大いに助けたと聞きます。是非、某にご教授をお願いします!」
「くぅ~懐かしいね。あいつこの世界に来てこの世界を統一するために優秀な人間や種族を求めた。その中でも俺とサハリ・・・あと1人があいつを大いに助けてやった」
古い話をして懐かしがっている。
「お前、あいつみたいに強くなって世界制服でもするのか?」
「約束を守るために強くならねばなりませぬ。そのために最強の太刀を手に入れるため、アルブティガーを倒しに参りました」
イーミーの素石、ハサルトの素石をマカミに見せた。
「・・・・・・」
マカミさまが黙っている。
しばしの沈黙が流れた。
「お前、何をそんなに恐れている?」
「!?」
見抜かれたか。
「・・・某は向こうの世界で14万の敵を退けた強者です」
幼い頃、地頭から馬の綱引きをやらされていた父上を見て自分はあんな風にはなりたくないと思っていた。
武士が出世するには戦しかない。
そのために磨いた武芸で強くなった。
「だが、その先がございませんでした。某の強さなど、その程度なのでしょうか?」
某は地頭になるべく必死に戦ったのに何ももらえなかった。あの世界で某は一生、馬引ひをする身分で終わるのかと恐怖した。
一体何が違ったというのだ。
所領争いで菊池氏の一族から没落したあいつと郎党で馬引きの息子だった某は。
「ギケイもそうだった。あいつは向こうの世界から恐怖をずっと持っていた。今思えば奴が帝国を作ったのも、”それ”の影響かも?」
「”それ”?」
「ああ、奴はその恐怖を抱えてこの世界に来た。よし、これでお前の弱さを教えてやろう」
マカミさまが古い刀の鞘に収め、狼のように某を睨み付け近づいた。
某は太刀を握った。
ダン!
鳩尾に強烈な一撃を食らった。
「今、びびって抜こうとしただろ?」
「!?」
その通り。
恐怖を感じ、必死に太刀を抜こうとした。
「活!」
気合いで恐怖を吹き飛ばし太刀を握った。
「よし、ではもう一度!」
マカミさまはまったくぶれることなくまっすぐ向かってくる。
マカミさまの呼吸をはかった。
がっ!
体当たりを食らった。
後方に吹き飛ばされた。
太刀は半分しか抜けなかった。
サハリさま曰く伝説の人狼マカミは【覚醒(アウェイクニング)】がかかった初代帝王が数々の戦で勝利した中で、一騎打ちで何もさせずに勝った男だと。
その話は嘘だ真実だと言われながら伝説として今日まで語り継がれている。
「もう一度お願いしたい」
「ああ、良いよ」
某の願いにマカミさまが快く承知してくれた。
某はもう一度太刀を握った。マカミさまが円を描きながら徐々に某との間合いを詰めていった。
シュ!
太刀を抜こうとした時だった。
「!?」
マカミさまが消えた。
そして腹に激痛が走った。
膝をついて悶絶した。
「生きる恐怖がずっとお前を、苦しめているな。よし、今度はお前の太刀と俺の刀どちらが早く抜けるか見せてやろう」
マカミさまが腰にさしていた太刀に比べて4分の3ほどの刃渡りの古い刀を握った。
某はマカミさまの動きを見た。
マカミさまが刀を抜いた。
遅れた。
そう思って太刀を抜いたときにはもう手遅れだった。マカミさまの刀の切っ先は某の喉仏にあった。
気配が全くなかった。
戦であれば某は討ち取られていた。
「お前、死ぬぞ?」
ザッ!
マカミさまが再び、間を詰めて某の腹を刺そうとした瞬間、反射的に下がり、太刀を抜いた。
「今、必死になっただろ?」
「は、はい・・・」
「もう一度やるぞ」
マカミさまが再び距離を詰める。
某はそれに合わせて太刀を振る。
それを何度も繰り返した。
「はぁはぁ・・・」
どれくらい立ったであろうか。
あたりは暗くなり、マカミさまの後ろにある大きな月がマカミさまを照らしていた。
何度も殺された。
殺された度に息をおもいっきり腹の底まで吸って吐いた。
悔しさで震える身体を抑えてマカミさまをにらみつけた。
「お前の師匠はもしかして天狗か?」
「はい。ご存じですか?」
某の武は幼いときに森の中で出会った天狗に教わった。
太刀を鞘から抜いて敵を切りつける技も足で相手の首を締め付けて倒す技も天狗から教わった。
「やっぱり、あいつか!お前の戦い方は、あいつとよく似ていた。あの天狗は風変わりな奴で気に入った人間に天狗の兵法を教えるんだよ」
「師匠と知り合いなのですか?」
「めちゃくちゃ知ってるぜ。あの天狗だけじゃねぇ。魔物は時々お前らの世界にちょっかいかけるんだよ」
そうか、某はルナどのと出会う前からこの世界の住人と関わっていたのか。
それならば某がこの世界に来てしまったのもうなずける。
「よし、本日の稽古の最後に俺の一撃を見せてやろう」
マカミが腰に下げていた肉の塊を振り回した。
「来た!」
マカミの毛が逆立ち始めた。
眼は大きく見開かれ、赤い覇気が全身からあふれ出た。
空を覆うかのようなドラゴンバードが月の光のもとに現れた。マカミに向かって急降下した。
「来いよ竜!」
マカミが大跳躍した。
ザン!
マカミがドラゴンバードの頭をたたき割った。ドラゴンバードが地面に落ちた。
「ボン!」
ドラゴンバートが何かを吐いた。
マカミはそれを躱した。
塊は弾丸のごとく、木々を倒して飛んでいった。
「ルナどの何だあれは?」
見ていた虎吉はルナに尋ねた。
「聞いた話によればドラゴンバードは『ドラゴンシェル』と呼ばれる自分の涎を固めたものを飛ばすそうです。言い伝えで昔、ある国に一匹のドラゴンバードが飛んできてそのドラゴンシェルで街を粉々に壊したと言われています」
ドラゴンバードがもう一度その弾丸のようなものを吐こうとした。
「ボン!」
吐いたと同時にドラゴンバードの長い首が飛んだ。
マカミが首を飛ばした。
白髪の男ははっきりと名乗った。
見たところ某より少し年上の感じだが、サハリさまいわく自分よりも高齢で200歳は超えているらしい。
サハリさまと同じで何かの魔術で若くなっているのか。
このお方は先ほどあったダガーや他の人狼とは少し違う臭いを感じた。
腰には見たところ古い刀を差していた。
マカミさまが某をまじまじと見た。
身体が硬直した。見た目は若いがこの瞳は、確かに長い人生戦い抜いてきた証を感じた。
サハリさまが申していた。
戦いに関して、一番強いのは初代帝王でじゃなく人狼のマカミだと。
「ダガーには会ったか?」
「はい」
「最近、馬鹿がこの森に来てモンスターどもらの餌になってんだよ。ダガー達はそういう馬鹿を見つけると、とっとと森から追い出して奴らを助けてんだがな。・・・おまえダガーに勝ったか?」
「武器を使わず勝ちました」
「ほんとか!?」
「嘘は申しませぬ!」
某ははっきりと言った。
マカミさまが笑い出した。
「日本からまた面白いやつが来たな。今度は俺と戦うか?」
「某にご教授をお願いしたく存じます」
マカミさまに片膝をついて願い出た。
マカミさまは笑いを止めた。
ザッ!
マカミさまがいきなりつかみかかってきた。
それをとっさに振りほどいた。そしてマカミさまは某の後ろにいたルナどのを見た。
「この武士に魔術をかけろ」
「え!?」
突然のことにルナが混乱した。
「この武士と一緒に旅してきたんだろ?魔術をかけろ!」
「は、はい!」
ルナは呪文をとなえ虎吉に【疾風迅雷(ラピッドサンダーストーム)】をかけた。
「【覚醒(アウェイクニング)】がかかった初代帝王よりも強いあなたは、戦の時に初代帝王を大いに助けたと聞きます。是非、某にご教授をお願いします!」
「くぅ~懐かしいね。あいつこの世界に来てこの世界を統一するために優秀な人間や種族を求めた。その中でも俺とサハリ・・・あと1人があいつを大いに助けてやった」
古い話をして懐かしがっている。
「お前、あいつみたいに強くなって世界制服でもするのか?」
「約束を守るために強くならねばなりませぬ。そのために最強の太刀を手に入れるため、アルブティガーを倒しに参りました」
イーミーの素石、ハサルトの素石をマカミに見せた。
「・・・・・・」
マカミさまが黙っている。
しばしの沈黙が流れた。
「お前、何をそんなに恐れている?」
「!?」
見抜かれたか。
「・・・某は向こうの世界で14万の敵を退けた強者です」
幼い頃、地頭から馬の綱引きをやらされていた父上を見て自分はあんな風にはなりたくないと思っていた。
武士が出世するには戦しかない。
そのために磨いた武芸で強くなった。
「だが、その先がございませんでした。某の強さなど、その程度なのでしょうか?」
某は地頭になるべく必死に戦ったのに何ももらえなかった。あの世界で某は一生、馬引ひをする身分で終わるのかと恐怖した。
一体何が違ったというのだ。
所領争いで菊池氏の一族から没落したあいつと郎党で馬引きの息子だった某は。
「ギケイもそうだった。あいつは向こうの世界から恐怖をずっと持っていた。今思えば奴が帝国を作ったのも、”それ”の影響かも?」
「”それ”?」
「ああ、奴はその恐怖を抱えてこの世界に来た。よし、これでお前の弱さを教えてやろう」
マカミさまが古い刀の鞘に収め、狼のように某を睨み付け近づいた。
某は太刀を握った。
ダン!
鳩尾に強烈な一撃を食らった。
「今、びびって抜こうとしただろ?」
「!?」
その通り。
恐怖を感じ、必死に太刀を抜こうとした。
「活!」
気合いで恐怖を吹き飛ばし太刀を握った。
「よし、ではもう一度!」
マカミさまはまったくぶれることなくまっすぐ向かってくる。
マカミさまの呼吸をはかった。
がっ!
体当たりを食らった。
後方に吹き飛ばされた。
太刀は半分しか抜けなかった。
サハリさま曰く伝説の人狼マカミは【覚醒(アウェイクニング)】がかかった初代帝王が数々の戦で勝利した中で、一騎打ちで何もさせずに勝った男だと。
その話は嘘だ真実だと言われながら伝説として今日まで語り継がれている。
「もう一度お願いしたい」
「ああ、良いよ」
某の願いにマカミさまが快く承知してくれた。
某はもう一度太刀を握った。マカミさまが円を描きながら徐々に某との間合いを詰めていった。
シュ!
太刀を抜こうとした時だった。
「!?」
マカミさまが消えた。
そして腹に激痛が走った。
膝をついて悶絶した。
「生きる恐怖がずっとお前を、苦しめているな。よし、今度はお前の太刀と俺の刀どちらが早く抜けるか見せてやろう」
マカミさまが腰にさしていた太刀に比べて4分の3ほどの刃渡りの古い刀を握った。
某はマカミさまの動きを見た。
マカミさまが刀を抜いた。
遅れた。
そう思って太刀を抜いたときにはもう手遅れだった。マカミさまの刀の切っ先は某の喉仏にあった。
気配が全くなかった。
戦であれば某は討ち取られていた。
「お前、死ぬぞ?」
ザッ!
マカミさまが再び、間を詰めて某の腹を刺そうとした瞬間、反射的に下がり、太刀を抜いた。
「今、必死になっただろ?」
「は、はい・・・」
「もう一度やるぞ」
マカミさまが再び距離を詰める。
某はそれに合わせて太刀を振る。
それを何度も繰り返した。
「はぁはぁ・・・」
どれくらい立ったであろうか。
あたりは暗くなり、マカミさまの後ろにある大きな月がマカミさまを照らしていた。
何度も殺された。
殺された度に息をおもいっきり腹の底まで吸って吐いた。
悔しさで震える身体を抑えてマカミさまをにらみつけた。
「お前の師匠はもしかして天狗か?」
「はい。ご存じですか?」
某の武は幼いときに森の中で出会った天狗に教わった。
太刀を鞘から抜いて敵を切りつける技も足で相手の首を締め付けて倒す技も天狗から教わった。
「やっぱり、あいつか!お前の戦い方は、あいつとよく似ていた。あの天狗は風変わりな奴で気に入った人間に天狗の兵法を教えるんだよ」
「師匠と知り合いなのですか?」
「めちゃくちゃ知ってるぜ。あの天狗だけじゃねぇ。魔物は時々お前らの世界にちょっかいかけるんだよ」
そうか、某はルナどのと出会う前からこの世界の住人と関わっていたのか。
それならば某がこの世界に来てしまったのもうなずける。
「よし、本日の稽古の最後に俺の一撃を見せてやろう」
マカミが腰に下げていた肉の塊を振り回した。
「来た!」
マカミの毛が逆立ち始めた。
眼は大きく見開かれ、赤い覇気が全身からあふれ出た。
空を覆うかのようなドラゴンバードが月の光のもとに現れた。マカミに向かって急降下した。
「来いよ竜!」
マカミが大跳躍した。
ザン!
マカミがドラゴンバードの頭をたたき割った。ドラゴンバードが地面に落ちた。
「ボン!」
ドラゴンバートが何かを吐いた。
マカミはそれを躱した。
塊は弾丸のごとく、木々を倒して飛んでいった。
「ルナどの何だあれは?」
見ていた虎吉はルナに尋ねた。
「聞いた話によればドラゴンバードは『ドラゴンシェル』と呼ばれる自分の涎を固めたものを飛ばすそうです。言い伝えで昔、ある国に一匹のドラゴンバードが飛んできてそのドラゴンシェルで街を粉々に壊したと言われています」
ドラゴンバードがもう一度その弾丸のようなものを吐こうとした。
「ボン!」
吐いたと同時にドラゴンバードの長い首が飛んだ。
マカミが首を飛ばした。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る
夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる