42 / 65
42 楽園への入り口
しおりを挟む
「帝王、申し上げます」
宰相ベルガが重大な一報を玉座の間にいるイズルに報告しに来た。
虎吉がアルブの森に居た頃、イズルはホリー国と会談を行っていた。 ホリー国に自分の威厳を見せ、帝国への忠誠を再確認する。
選挙という方法でホリー国の民に選ばれたホリー国の現君主は、皇条に手を置き今後も帝国への忠誠を誓っていた。
「ジン国とマンダー国が兵を集め帝国の支配圏からの独立を求めております。その2カ国に、ホリー国が支持しているようです」
「ふざけるな、皇条を前に誓ったばかりだぞ!?」
イズルは玉座を叩いた。
初代帝王の最後の戦争である『ホリー河の大戦』。
その戦いの末、初代帝王のもと100カ国以上の王達が署名して出来たこの世界の秩序である『皇条』。
自分がまだ3才の頃、父が分厚い本に書かれた皇条を見せて曾祖父の偉大さを語っていた。
曾祖父が作り上げた『皇条』こそ帝国が世界を治める英知の結晶。
(だからこそ、守らねばならん!)
その皇条に基づき、これからも国を治めていくと、あの王は言っていた。
「両国が申すにはウロス国とエキルドナ国の問題に一方的にエキルドナ国の味方をしてウロス国を攻め滅ぼすのは理不尽。帝国がそのような態度を取るのであれば、我らも自国を守るために連合を組んで、立ち向かうのは必然。・・・とのことです」
「俺は正当な行いをしたのだ!何もしないで文句だけ言いやがって!」
「今回のウロス国に対する我が帝国の行いにホリー国はこれをチャンスに帝国に反発する国をまとめ上げるでしょう」
「・・・・・・っ!一体何が違うというのだ・・・」
イズルは奥歯をかみしめながら、初代帝王の甲冑と代々受け継がれた最強の太刀『暁』を見た。
「これはあなたは分裂した世界を再び統べ、新しい時代を作るお方だ
ということです・・・更なる力を手に入れましょう」
ベルガは冷静さを失っているイズルに静かな口調でしゃべった。
「更なる力?」
「お忘れですか?セレーネ国がひたすら隠している力を・・・」
「そ、それは初代帝王が絶対に使ってはならぬと堅く戒めたもの!」
「それは初代帝王の時代の話です。あの時代、初代帝王も【覚醒(アウェイクニング)】『暁』の力で世界を平和にし、そして力が世に飛び出し世界が混乱せぬよう封じ込めた。だが今、力が求められるのです。新しい平和のために」
* * *
「あっ虎吉様とルナ様ですか?」
アルブの森に森を切り裂くように流れる大河『竜ノ道(ドラゴンロード)』があった。
この河は龍とアルブティガーの戦いによって掘られた溝に水が流れ込んだという言い伝えがあるらしい。
『竜の楽園』はその先にあるという。
「マカミ様からお聞きしております。こちらが虎吉様とルナ様がお乗りになる舟になります」
その中流にある桟橋に1匹の河童がいて、我らを見ると深々とお辞儀をした。
河童は寝床付き、冒険者用の食べ物もある程度備えられた舟を用意してくれていた。
「帆を張って舵輪とかいう奴で動かすのだな」
「はい、そうでございます!あとこれを持って行ってください。中には薪も用意しております」
河童から釣り竿と釣り一式をいただいた。
バートどのに教えてもらったとおり帆を張り、縄を外し、碇を上げた。
帆で風を調整すると桟橋から離れ、河を進み始めた。
河童が手を振って見送ってくれた。
「虎吉さま、あともう少し、あともう少しですね!・・・わたし・・・虎吉さまを選んで良かったです」
「そ、そうか・・・」
こんなにも女と長く付き合ったことなどなかった。
もし、某がルナどのの約束を果たしたらその後はどうなるのか。
「油断はできぬ。アルブティガーの次は龍だからな。とりあえず・・・そなたは先に寝てくれ」
「はい!」
『龍の楽園』は3日かかるらしいのでルナどのには先に寝てもらった。
舟は見えぬ先へと進んだ。
河がどんどん大きくなっていく。
日が落ちて来るとき、まるで海にいるかのように河が果てしなく広くなった。
「マカミどのはここならば寝ても大丈夫だと申していたが・・・」
マカミどの曰く船は河が広くなれば後は河が勝手に船を『龍の楽園』へと進めてくれるので寝ても大丈夫だという。
ただしそれでも「小まめに寝て小まめに起きろ」と申していた。
「虎吉さま、わたしが見ていますのでその間寝てください!」
ルナどのが寝床からやって来た。
ルナどのを信じて某は寝ることにした。
飯は舟の中に備え付けられたかまどで冒険者用の乾燥食をふやかして食う。
「おっ釣れた!」
いつも釣れる訳ではないが、針に付けた餌を河に投げ入れ、魚のように動かすと2人が食べるにはちょうど良い大きさの魚が釣れる。
バートどのから教えてもらった。
そんな感じで河を進んでいった。
3日目の朝。
「おはよう・・・何じゃこれは!?」
目を覚まし太陽が降り注ぐ外にでると、恐ろしく巨大な岩壁が続く両端から、まるで天から大水が降り注ぐかのように巨大な滝が水を叩き落としていた。
操縦を変わり滝の中を進んだ。
「行き止まりではないか!」
両端にあった滝が半円を描くように前方を塞いでいた。
「虎吉さま、あの岩に船を近づけてください」
手前に真四角で平らな岩があった。
ルナどのに言われたとおりその岩に船を近づけ、岩の端に突き出している大きな実がなっている木に縄を結びつけた。
それは明らかに何者かが作った見事な正方形の平らな岩だった。
「この岩は幻の王国グローリの門と言われています」
「幻の王国?」
「5000ネン前、龍の力で世界を統べた王国があったそうです。ですがその王国は忽然と姿を消し。その歴史は消え、『空白の歴史』と言われています。『龍の楽園』はこの上にあります」
ルナどのは水そのものが咆哮しているかのような大きな音を立てている滝つぼのど真ん中にあるこの四角い岩が門だと言う。
「と申しても。この滝をいかにして登るのだ?」
上を見れば頂上が見えない高さから水が落ちてきている。
グローリの民はどうやってこの滝を上ったのだ。
「いえ、もっと上です」
ルナどのが天を指さした。
某は天とルナどのを交互に見た。
「まさか・・・」
「調和魔術を唱えます。『龍の楽園』に行くには龍に認められた強さが必要なのです!」
ルナどのが杖を構えた。
「かつて、龍に認められた魔術師は1000ネンの歴史の中で30人しかいないそうです」
ルナは深く息を吸った。
身体の奥から、強い魔力があふれ出してきた。サハリから鍛えてもらった自身に宿る魔力を持って呪文を唱え始めた。
「天に住む、偉大な存在よ。扉を開き我らを導きたまえ・・・【天への道(パス、トゥ、ヘブン)】!」
杖の魔石が輝きだし、ルナどのが光に包まれた。
しばらくしてその光は収まったが何も起きない。
ルナどのが再び呪文を唱えた。
「え・・・っと」
某は何をすれば良いのか。
(とりあえず、魚でも釣ろう)
ルナどのが呪文を必死に唱えている間に魚を釣って調理した。
薪で火をおこし、ルナどのが食べれるともうしていた、木に成っている大きな実と魚と葉っぱを火であぶっても燃えない魔術がかかった紙で包んで焼いてみた。
「はあはあ・・・少し休憩します」
一刻ほどルナは呪文を唱えたが何も起きなかった。
ルナは虎吉が調理した魚と冒険者用の飯を食って船の中で寝た。
しばらくして起き上がると再び呪文を唱えた。
「ルナどの、今日はこれくらいにしよう・・・」
もう辺りは暗くなっていた。
「ちゃんとサハリさまのもとで修行して、上達したと思ったのに」
ルナどのが悔しそうに両肩を強く握っていた。
「何故、龍は応えてくれないの!?」
焦っている。
国が心配なのであろう。
なのに天にいる龍は何も応えない。
「師匠から鍛えてもらっていたとき某もずっと怖かった」
「何が怖かったのですか?」
「強者になるために武芸を磨き、兵法を学んだ。だが、その先が見えない時があり、必死であるが故に見えないのが怖い」
「それでどうしたのです?」
「絶望的になりながらも、修行を止めなかった。それしかできることが無かった・・・ずっと不安の中でやっていた。今でも・・・」
「・・・明日も頑張ります!」
ルナどのが笑ってくれた。
次の日。
ルナどのが某より早く起きて呪文を唱えていた。
「【天への道(パス、トゥ、ヘブン)】!」
全く動かない。
ルナどのは何回、同じ言葉を言い続けたのであろうか。
「ルナは魔術を使ってあんたを守ってくれる。だから、あんたもルナに力を貸してやるんだよ」
サハリどのの言葉を思い出した。
「ルナどの・・・これで呪文を唱えてみてくれ」
ルナどのの後ろから両肩に手を置き、精神を研ぎ澄ました。
サハリどの曰く調和魔術は自然とだけではなく人と人とも力を貸すことが出来るという。
「はい!」
ルナどのが呪文を唱えた。
「天に住む、偉大な存在よ。扉を開き我らを導きたまえ・・・【天への道(パス、トゥ、ヘブン)】!」
四角い岩が揺れ浮かび始めた。
そして我らを乗せて天を登り始めた。
「虎吉さま、やりました!ありがとう!」
ルナどのが喜びのあまり某に抱きついた。
宰相ベルガが重大な一報を玉座の間にいるイズルに報告しに来た。
虎吉がアルブの森に居た頃、イズルはホリー国と会談を行っていた。 ホリー国に自分の威厳を見せ、帝国への忠誠を再確認する。
選挙という方法でホリー国の民に選ばれたホリー国の現君主は、皇条に手を置き今後も帝国への忠誠を誓っていた。
「ジン国とマンダー国が兵を集め帝国の支配圏からの独立を求めております。その2カ国に、ホリー国が支持しているようです」
「ふざけるな、皇条を前に誓ったばかりだぞ!?」
イズルは玉座を叩いた。
初代帝王の最後の戦争である『ホリー河の大戦』。
その戦いの末、初代帝王のもと100カ国以上の王達が署名して出来たこの世界の秩序である『皇条』。
自分がまだ3才の頃、父が分厚い本に書かれた皇条を見せて曾祖父の偉大さを語っていた。
曾祖父が作り上げた『皇条』こそ帝国が世界を治める英知の結晶。
(だからこそ、守らねばならん!)
その皇条に基づき、これからも国を治めていくと、あの王は言っていた。
「両国が申すにはウロス国とエキルドナ国の問題に一方的にエキルドナ国の味方をしてウロス国を攻め滅ぼすのは理不尽。帝国がそのような態度を取るのであれば、我らも自国を守るために連合を組んで、立ち向かうのは必然。・・・とのことです」
「俺は正当な行いをしたのだ!何もしないで文句だけ言いやがって!」
「今回のウロス国に対する我が帝国の行いにホリー国はこれをチャンスに帝国に反発する国をまとめ上げるでしょう」
「・・・・・・っ!一体何が違うというのだ・・・」
イズルは奥歯をかみしめながら、初代帝王の甲冑と代々受け継がれた最強の太刀『暁』を見た。
「これはあなたは分裂した世界を再び統べ、新しい時代を作るお方だ
ということです・・・更なる力を手に入れましょう」
ベルガは冷静さを失っているイズルに静かな口調でしゃべった。
「更なる力?」
「お忘れですか?セレーネ国がひたすら隠している力を・・・」
「そ、それは初代帝王が絶対に使ってはならぬと堅く戒めたもの!」
「それは初代帝王の時代の話です。あの時代、初代帝王も【覚醒(アウェイクニング)】『暁』の力で世界を平和にし、そして力が世に飛び出し世界が混乱せぬよう封じ込めた。だが今、力が求められるのです。新しい平和のために」
* * *
「あっ虎吉様とルナ様ですか?」
アルブの森に森を切り裂くように流れる大河『竜ノ道(ドラゴンロード)』があった。
この河は龍とアルブティガーの戦いによって掘られた溝に水が流れ込んだという言い伝えがあるらしい。
『竜の楽園』はその先にあるという。
「マカミ様からお聞きしております。こちらが虎吉様とルナ様がお乗りになる舟になります」
その中流にある桟橋に1匹の河童がいて、我らを見ると深々とお辞儀をした。
河童は寝床付き、冒険者用の食べ物もある程度備えられた舟を用意してくれていた。
「帆を張って舵輪とかいう奴で動かすのだな」
「はい、そうでございます!あとこれを持って行ってください。中には薪も用意しております」
河童から釣り竿と釣り一式をいただいた。
バートどのに教えてもらったとおり帆を張り、縄を外し、碇を上げた。
帆で風を調整すると桟橋から離れ、河を進み始めた。
河童が手を振って見送ってくれた。
「虎吉さま、あともう少し、あともう少しですね!・・・わたし・・・虎吉さまを選んで良かったです」
「そ、そうか・・・」
こんなにも女と長く付き合ったことなどなかった。
もし、某がルナどのの約束を果たしたらその後はどうなるのか。
「油断はできぬ。アルブティガーの次は龍だからな。とりあえず・・・そなたは先に寝てくれ」
「はい!」
『龍の楽園』は3日かかるらしいのでルナどのには先に寝てもらった。
舟は見えぬ先へと進んだ。
河がどんどん大きくなっていく。
日が落ちて来るとき、まるで海にいるかのように河が果てしなく広くなった。
「マカミどのはここならば寝ても大丈夫だと申していたが・・・」
マカミどの曰く船は河が広くなれば後は河が勝手に船を『龍の楽園』へと進めてくれるので寝ても大丈夫だという。
ただしそれでも「小まめに寝て小まめに起きろ」と申していた。
「虎吉さま、わたしが見ていますのでその間寝てください!」
ルナどのが寝床からやって来た。
ルナどのを信じて某は寝ることにした。
飯は舟の中に備え付けられたかまどで冒険者用の乾燥食をふやかして食う。
「おっ釣れた!」
いつも釣れる訳ではないが、針に付けた餌を河に投げ入れ、魚のように動かすと2人が食べるにはちょうど良い大きさの魚が釣れる。
バートどのから教えてもらった。
そんな感じで河を進んでいった。
3日目の朝。
「おはよう・・・何じゃこれは!?」
目を覚まし太陽が降り注ぐ外にでると、恐ろしく巨大な岩壁が続く両端から、まるで天から大水が降り注ぐかのように巨大な滝が水を叩き落としていた。
操縦を変わり滝の中を進んだ。
「行き止まりではないか!」
両端にあった滝が半円を描くように前方を塞いでいた。
「虎吉さま、あの岩に船を近づけてください」
手前に真四角で平らな岩があった。
ルナどのに言われたとおりその岩に船を近づけ、岩の端に突き出している大きな実がなっている木に縄を結びつけた。
それは明らかに何者かが作った見事な正方形の平らな岩だった。
「この岩は幻の王国グローリの門と言われています」
「幻の王国?」
「5000ネン前、龍の力で世界を統べた王国があったそうです。ですがその王国は忽然と姿を消し。その歴史は消え、『空白の歴史』と言われています。『龍の楽園』はこの上にあります」
ルナどのは水そのものが咆哮しているかのような大きな音を立てている滝つぼのど真ん中にあるこの四角い岩が門だと言う。
「と申しても。この滝をいかにして登るのだ?」
上を見れば頂上が見えない高さから水が落ちてきている。
グローリの民はどうやってこの滝を上ったのだ。
「いえ、もっと上です」
ルナどのが天を指さした。
某は天とルナどのを交互に見た。
「まさか・・・」
「調和魔術を唱えます。『龍の楽園』に行くには龍に認められた強さが必要なのです!」
ルナどのが杖を構えた。
「かつて、龍に認められた魔術師は1000ネンの歴史の中で30人しかいないそうです」
ルナは深く息を吸った。
身体の奥から、強い魔力があふれ出してきた。サハリから鍛えてもらった自身に宿る魔力を持って呪文を唱え始めた。
「天に住む、偉大な存在よ。扉を開き我らを導きたまえ・・・【天への道(パス、トゥ、ヘブン)】!」
杖の魔石が輝きだし、ルナどのが光に包まれた。
しばらくしてその光は収まったが何も起きない。
ルナどのが再び呪文を唱えた。
「え・・・っと」
某は何をすれば良いのか。
(とりあえず、魚でも釣ろう)
ルナどのが呪文を必死に唱えている間に魚を釣って調理した。
薪で火をおこし、ルナどのが食べれるともうしていた、木に成っている大きな実と魚と葉っぱを火であぶっても燃えない魔術がかかった紙で包んで焼いてみた。
「はあはあ・・・少し休憩します」
一刻ほどルナは呪文を唱えたが何も起きなかった。
ルナは虎吉が調理した魚と冒険者用の飯を食って船の中で寝た。
しばらくして起き上がると再び呪文を唱えた。
「ルナどの、今日はこれくらいにしよう・・・」
もう辺りは暗くなっていた。
「ちゃんとサハリさまのもとで修行して、上達したと思ったのに」
ルナどのが悔しそうに両肩を強く握っていた。
「何故、龍は応えてくれないの!?」
焦っている。
国が心配なのであろう。
なのに天にいる龍は何も応えない。
「師匠から鍛えてもらっていたとき某もずっと怖かった」
「何が怖かったのですか?」
「強者になるために武芸を磨き、兵法を学んだ。だが、その先が見えない時があり、必死であるが故に見えないのが怖い」
「それでどうしたのです?」
「絶望的になりながらも、修行を止めなかった。それしかできることが無かった・・・ずっと不安の中でやっていた。今でも・・・」
「・・・明日も頑張ります!」
ルナどのが笑ってくれた。
次の日。
ルナどのが某より早く起きて呪文を唱えていた。
「【天への道(パス、トゥ、ヘブン)】!」
全く動かない。
ルナどのは何回、同じ言葉を言い続けたのであろうか。
「ルナは魔術を使ってあんたを守ってくれる。だから、あんたもルナに力を貸してやるんだよ」
サハリどのの言葉を思い出した。
「ルナどの・・・これで呪文を唱えてみてくれ」
ルナどのの後ろから両肩に手を置き、精神を研ぎ澄ました。
サハリどの曰く調和魔術は自然とだけではなく人と人とも力を貸すことが出来るという。
「はい!」
ルナどのが呪文を唱えた。
「天に住む、偉大な存在よ。扉を開き我らを導きたまえ・・・【天への道(パス、トゥ、ヘブン)】!」
四角い岩が揺れ浮かび始めた。
そして我らを乗せて天を登り始めた。
「虎吉さま、やりました!ありがとう!」
ルナどのが喜びのあまり某に抱きついた。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
アベル・ヴィアラットは、五歳の時、ベッドから転げ落ちてその拍子に前世の記憶を思い出した。
大人気ゲーム『ヒーローズ・ジャーニー』の世界に転生したアベルは、ゲームの知識を使って全男の子の憧れである“最強”になることを決意する。
そのために努力を続け、順調に強くなっていくアベル。
しかしこの世界にはゲームには無かった知識ばかり。
戦闘もただスキルをブッパすればいいだけのゲームとはまったく違っていた。
「面白いじゃん?」
アベルはめげることなく、辺境最強の父と優しい母に見守られてすくすくと成長していくのだった。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる