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62 崩壊
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「さて・・・始めようかね」
ナーバル川から4キロ離れた場所に林が広がっていた。その真ん中に奇妙に円形に開かれた場所があった。
サハリはその場所に立っていた。
戦況はホリー国軍が必死に防戦をしていた。その強さに帝国軍は予想外の苦戦を強いられていた。
思った以上にホリー国軍の指揮が高く、彼らはそう簡単にくじけなかった。
さらには海路において我らの味方だったはずのバート艦隊が補給船に奇襲攻撃を仕掛けたという報告を受けている。
だが、それでもバルド将軍は動揺していなかった。
「目の前に居る部隊を全滅させれば良い。全体的に見て、我が軍が押しているのは間違いない。バート艦隊など少数の兵力だ。多少の損害で帝国軍が壊滅などしたりはしない」
バルドは離れた場所でサハリがとある呪文を唱え始めたのはもちろん知らなかった。
「・・・我が願い、そして友との約束を果たすため・・・我は唱える・・・」
サハリの足下に巨大な魔方陣が現れた。
「世間は、あたしが作り上げた最高の魔法は【覚醒(アウェイクニング)】だと思っているようだけど、これがあたしがギケイのために作った最高の魔法だよ!」
魔方陣から光が放たれた。
そして上空が曇りだし、分厚い雲から無数の竜が現れた。
「龍神よ、我が願いを聞き届けたまえ!」
1匹の龍がサハリへと近づいた。
「お前の願い聞き届けよう」
魔方陣から放たれた光は竜へと注がれた。
「「「ギュゥオオオオオ!」」」
竜類はいっせいに咆哮を上げた。
その咆哮はホリー側、帝国側の全兵士、全モンスターを沈黙させた。
* * *
ツウ・・・・。
イズルの腕から血が流れてきた。
虎吉が躱しざま振った太刀がイズルの腕を軽く切っていた。
「さすが、『黄金の日輪』の時に現れた強者!」
イズルが一呼吸入れると間を詰めた。
カッ、キン、ザッ、ガキッ!
鋭い刃の攻撃だけでは無い刃から放たれる無数の覇気が某を襲ってくる。
千本の刃と戦っているようだ。
イズルの太刀が届く前にこちらの身体に衝撃が走る。
その衝撃に何度も痛みが走る。
イズルから放たれる黒が混じった黄金の覇気が恐ろしいほど凶暴だ。
イズルの覇気を己の覇気で切り裂き、イズルの強烈な一撃に己の一撃が当たった。
イズルと某の双方の究極の覇気がお互いの最強の太刀にさらなる力を与えた最上の強さの音が響いた。
シュパアアン!
イズルの神速の一撃が足下を襲った。
跳躍してそれを躱す。
ほんの一瞬でも集中力途切ればイズルに命を奪われる。最強の敵が最強の太刀で某の首を狙っている。
ガン!
イズルの太刀を受け止めそれを振り上げ、イズルの腹に柄頭を打ち込みイズルを吹き飛ばした。
「こいやぁ、全力で首を討ち取ってみろ!」
「誰に向かって言っている?」
イズルがにらみつけた。
某は金縛りにあったかのように身体が重くなった。
「活!」
己に活を入れた。
某は死ぬわけにはいかぬ。
今必要なのは某がここで死ぬことではない。
地面が変わっている。
先ほどまで灰色の石畳が今は黒くなっていた。
イズルの覇気が足下で完全に黒くなり、地面を覆っていた。
サッ!
「はぁ、はぁ・・・」」
イズルが一瞬にして間合いを詰めた。
ガッ!
下段に打ってきたイズルの太刀を止めてイズルの腕をつかんだ。そしてイズルを投げた。
イズルは宙を舞ったが、片手で地面に付くと宙返りして地面に着地した。
隙を与えず某はさらなる一撃を見舞った。
ガン、ガッ!
太刀を受け流された。
そのまま小手を切られそうになる。
ガン!
その太刀を弾いた。
双方、轟音を何度も響かせながら打ち合っている。
そこに2人だけの世界があった。
どちらが強いのか。
「「こいやぁああああ!」」
パキ・・・。
このとき2人は気づいていなかった。
頂上に館が築かれたこの大きな土台に亀裂が入ったことを。
「すう!」
イズルが大きく息を吸った。
最強の太刀『暁』が閃光を放って虎吉の心臓めがけ電光石火の突きを放った。
某のもう一つの最強の太刀『光明』が受け止めた。
ガッ!
あえてイズルの力に押され、一瞬にして『暁』から『光明』を離した。
イズルは勢い余って、『暁』の切っ先を地面にたたき落としてしまった。
その隙にイズルの肩を狙って突きを入れた。
ガッ!
イズルが払い落とした。
上段、下段、内小手。
わずかな間に双方どれだけ打ち込んだであろう。
それでも、二つの最強の太刀は少しも刃こぼれすることなく、折れることもなくぶつかり合っていた。
(イズルのやろう、強烈な一撃を水の流れのような柔らかい動きでだしやがる)
あの小さな身体に巨大な影が見える。
錯覚かもしれないがあの影から力を感じる。
あれがイズルが背負っているものか。
3万の大軍はあれを見て怖じ気づいたのか。
確かにイズルの強さは今まで感じたことの無い強さだ。3万はおろか、蒙古の14万とてすぐに逃げるはずだ。
だがな。
「某がここまで歩いてきた道のりをお前は歩けるか?」
ザッ!
イズルの右腕を切ろうとした。。
ガン!
受け止められた。
イズルがすねを狙う下段攻撃をだした。
身体が自然に引いた。
喉を狙う下からの切り上げを躱した。
そしてそのまま某の正中を通るように上にあがって振り下ろされた。
シュパ。
痛みを感じた。
だが大丈夫だ。
左肩の大袖を切り落とされただけだ。
うまく躱し、ぶつかっても潰されることは無く、常に変化するイズルの攻撃を捌いている。
「どうした?それが帝王の強さか?」
「ほざくな!帝王になれない奴が!」
ルナどのにかけてもらった力が丹田からあふれ出し、その力が全身の神経へと伝わり、『月の清水』が加わったイズルの動きを感じ取り、合わせている。
ルナどのお主の魔術の力は凄いぞ。
お主が必死に鍛えた魔力の力でイズルと互角に戦っている。
ありがとう。
ルナどのがいてくれたからこそ、某はこの世界で強くなることが出来た。
あとは某。
本当の目的は、イズルを倒すことでは無い。
その向こうにあるのが目的だ。
その目的を果たさねばならぬ。
ルナどののところへ。
パキ!
土台にさらなるひびが入った。
館へと続く階段がゆがみ始めた。
館が震えだした。
ぶつかりあう2つの巨大な力に、この小さな館が限界を迎えていた。
「・・・・・・」
さてどうする。
師匠から教えてもらい、何度も使ってきたあの技を使うか。
師匠が「これを武士に教えるのはまだ早い気はするが」と言いながらも、剣術、体術、薙刀全てを教えてもらってこれを徹底的に教えられた。
「物事は突然やってくる。その時に己が居たとき、止まることなく動ければ問題はない。そのためのちゃんとした心身と技量がなければならぬが。まぁ、しかと修行して居ながら合わせて見ろ」
と言われ、何度も何度も鞘から刃を抜いて鍛錬した。
虎吉は太刀を鞘に収めようと思った。
だが、ためらった。
(くそ・・・こんな時にかよ・・・)
ナーバル川から4キロ離れた場所に林が広がっていた。その真ん中に奇妙に円形に開かれた場所があった。
サハリはその場所に立っていた。
戦況はホリー国軍が必死に防戦をしていた。その強さに帝国軍は予想外の苦戦を強いられていた。
思った以上にホリー国軍の指揮が高く、彼らはそう簡単にくじけなかった。
さらには海路において我らの味方だったはずのバート艦隊が補給船に奇襲攻撃を仕掛けたという報告を受けている。
だが、それでもバルド将軍は動揺していなかった。
「目の前に居る部隊を全滅させれば良い。全体的に見て、我が軍が押しているのは間違いない。バート艦隊など少数の兵力だ。多少の損害で帝国軍が壊滅などしたりはしない」
バルドは離れた場所でサハリがとある呪文を唱え始めたのはもちろん知らなかった。
「・・・我が願い、そして友との約束を果たすため・・・我は唱える・・・」
サハリの足下に巨大な魔方陣が現れた。
「世間は、あたしが作り上げた最高の魔法は【覚醒(アウェイクニング)】だと思っているようだけど、これがあたしがギケイのために作った最高の魔法だよ!」
魔方陣から光が放たれた。
そして上空が曇りだし、分厚い雲から無数の竜が現れた。
「龍神よ、我が願いを聞き届けたまえ!」
1匹の龍がサハリへと近づいた。
「お前の願い聞き届けよう」
魔方陣から放たれた光は竜へと注がれた。
「「「ギュゥオオオオオ!」」」
竜類はいっせいに咆哮を上げた。
その咆哮はホリー側、帝国側の全兵士、全モンスターを沈黙させた。
* * *
ツウ・・・・。
イズルの腕から血が流れてきた。
虎吉が躱しざま振った太刀がイズルの腕を軽く切っていた。
「さすが、『黄金の日輪』の時に現れた強者!」
イズルが一呼吸入れると間を詰めた。
カッ、キン、ザッ、ガキッ!
鋭い刃の攻撃だけでは無い刃から放たれる無数の覇気が某を襲ってくる。
千本の刃と戦っているようだ。
イズルの太刀が届く前にこちらの身体に衝撃が走る。
その衝撃に何度も痛みが走る。
イズルから放たれる黒が混じった黄金の覇気が恐ろしいほど凶暴だ。
イズルの覇気を己の覇気で切り裂き、イズルの強烈な一撃に己の一撃が当たった。
イズルと某の双方の究極の覇気がお互いの最強の太刀にさらなる力を与えた最上の強さの音が響いた。
シュパアアン!
イズルの神速の一撃が足下を襲った。
跳躍してそれを躱す。
ほんの一瞬でも集中力途切ればイズルに命を奪われる。最強の敵が最強の太刀で某の首を狙っている。
ガン!
イズルの太刀を受け止めそれを振り上げ、イズルの腹に柄頭を打ち込みイズルを吹き飛ばした。
「こいやぁ、全力で首を討ち取ってみろ!」
「誰に向かって言っている?」
イズルがにらみつけた。
某は金縛りにあったかのように身体が重くなった。
「活!」
己に活を入れた。
某は死ぬわけにはいかぬ。
今必要なのは某がここで死ぬことではない。
地面が変わっている。
先ほどまで灰色の石畳が今は黒くなっていた。
イズルの覇気が足下で完全に黒くなり、地面を覆っていた。
サッ!
「はぁ、はぁ・・・」」
イズルが一瞬にして間合いを詰めた。
ガッ!
下段に打ってきたイズルの太刀を止めてイズルの腕をつかんだ。そしてイズルを投げた。
イズルは宙を舞ったが、片手で地面に付くと宙返りして地面に着地した。
隙を与えず某はさらなる一撃を見舞った。
ガン、ガッ!
太刀を受け流された。
そのまま小手を切られそうになる。
ガン!
その太刀を弾いた。
双方、轟音を何度も響かせながら打ち合っている。
そこに2人だけの世界があった。
どちらが強いのか。
「「こいやぁああああ!」」
パキ・・・。
このとき2人は気づいていなかった。
頂上に館が築かれたこの大きな土台に亀裂が入ったことを。
「すう!」
イズルが大きく息を吸った。
最強の太刀『暁』が閃光を放って虎吉の心臓めがけ電光石火の突きを放った。
某のもう一つの最強の太刀『光明』が受け止めた。
ガッ!
あえてイズルの力に押され、一瞬にして『暁』から『光明』を離した。
イズルは勢い余って、『暁』の切っ先を地面にたたき落としてしまった。
その隙にイズルの肩を狙って突きを入れた。
ガッ!
イズルが払い落とした。
上段、下段、内小手。
わずかな間に双方どれだけ打ち込んだであろう。
それでも、二つの最強の太刀は少しも刃こぼれすることなく、折れることもなくぶつかり合っていた。
(イズルのやろう、強烈な一撃を水の流れのような柔らかい動きでだしやがる)
あの小さな身体に巨大な影が見える。
錯覚かもしれないがあの影から力を感じる。
あれがイズルが背負っているものか。
3万の大軍はあれを見て怖じ気づいたのか。
確かにイズルの強さは今まで感じたことの無い強さだ。3万はおろか、蒙古の14万とてすぐに逃げるはずだ。
だがな。
「某がここまで歩いてきた道のりをお前は歩けるか?」
ザッ!
イズルの右腕を切ろうとした。。
ガン!
受け止められた。
イズルがすねを狙う下段攻撃をだした。
身体が自然に引いた。
喉を狙う下からの切り上げを躱した。
そしてそのまま某の正中を通るように上にあがって振り下ろされた。
シュパ。
痛みを感じた。
だが大丈夫だ。
左肩の大袖を切り落とされただけだ。
うまく躱し、ぶつかっても潰されることは無く、常に変化するイズルの攻撃を捌いている。
「どうした?それが帝王の強さか?」
「ほざくな!帝王になれない奴が!」
ルナどのにかけてもらった力が丹田からあふれ出し、その力が全身の神経へと伝わり、『月の清水』が加わったイズルの動きを感じ取り、合わせている。
ルナどのお主の魔術の力は凄いぞ。
お主が必死に鍛えた魔力の力でイズルと互角に戦っている。
ありがとう。
ルナどのがいてくれたからこそ、某はこの世界で強くなることが出来た。
あとは某。
本当の目的は、イズルを倒すことでは無い。
その向こうにあるのが目的だ。
その目的を果たさねばならぬ。
ルナどののところへ。
パキ!
土台にさらなるひびが入った。
館へと続く階段がゆがみ始めた。
館が震えだした。
ぶつかりあう2つの巨大な力に、この小さな館が限界を迎えていた。
「・・・・・・」
さてどうする。
師匠から教えてもらい、何度も使ってきたあの技を使うか。
師匠が「これを武士に教えるのはまだ早い気はするが」と言いながらも、剣術、体術、薙刀全てを教えてもらってこれを徹底的に教えられた。
「物事は突然やってくる。その時に己が居たとき、止まることなく動ければ問題はない。そのためのちゃんとした心身と技量がなければならぬが。まぁ、しかと修行して居ながら合わせて見ろ」
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