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序章 鞍馬山
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都の上に天狗が住むという山がある。その山には毘沙門天・千手観世音・護法魔王尊が祀られている寺がある。
あの時、11歳だった某は出会った。
「奴の式神を倒すとは・・・あっぱれ小僧。汝は今あの最強が放った式神を倒しよったぞ!」
上空から巨大な黒い翼をまとい、黄金の髪を生やした天狗が現れた。
地面に降りるとその翼は消え、脇差しを持った某の足下に落ちていた人型の紙切れを拾った。
この紙切れが先ほど魍魎となって動いていた。
「あの子の命を助けた・・・・」
境内に雲珠(うず)桜が咲いていた。
その雲珠桜の下に自分と同じ年くらいの小袖姿の童女(どうじょ)が震えながら立っていた。
髪がボサボサで汚れた小袖をずっと着ている某に対し、その子は桜色の小袖を着ていた。
その子は何故かずっと泣きながら桜を見ていた。何故そんなに哀しいのか、某の胸まで痛んできた。
その子の後ろから突然、魍魎が現れ、その子を襲おうとした。瞬間、腹の底で異様な力が湧いた。
父の形見である脇差しでその、魍魎を斬った。
「あの、名は何と?」
その子が某に恐る恐る近づき、深々と頭を下げて透き通った柔らかな声で某の名を尋ねてきた。
不覚にも胸が高鳴ってしまった。
「色々持っている」
ごまかすようにそう答えた。
ただ、これだけは伝えたかった。
「あなたは綺麗です・・・だから・・・泣かないで・・・下さい!」
「ありがとうございます!」
その子が笑顔になった。
最高に綺麗だった。
奴は、こんな綺麗な子までも殺そうとした?
自分の腹を抑えた。
苦しみと共に異様な力を感じる。
「汝、もしや!?」
耐えられず天狗の袖を思いっきり掴んだ。
「あいつを倒したい!」
あの時、11歳だった某は出会った。
「奴の式神を倒すとは・・・あっぱれ小僧。汝は今あの最強が放った式神を倒しよったぞ!」
上空から巨大な黒い翼をまとい、黄金の髪を生やした天狗が現れた。
地面に降りるとその翼は消え、脇差しを持った某の足下に落ちていた人型の紙切れを拾った。
この紙切れが先ほど魍魎となって動いていた。
「あの子の命を助けた・・・・」
境内に雲珠(うず)桜が咲いていた。
その雲珠桜の下に自分と同じ年くらいの小袖姿の童女(どうじょ)が震えながら立っていた。
髪がボサボサで汚れた小袖をずっと着ている某に対し、その子は桜色の小袖を着ていた。
その子は何故かずっと泣きながら桜を見ていた。何故そんなに哀しいのか、某の胸まで痛んできた。
その子の後ろから突然、魍魎が現れ、その子を襲おうとした。瞬間、腹の底で異様な力が湧いた。
父の形見である脇差しでその、魍魎を斬った。
「あの、名は何と?」
その子が某に恐る恐る近づき、深々と頭を下げて透き通った柔らかな声で某の名を尋ねてきた。
不覚にも胸が高鳴ってしまった。
「色々持っている」
ごまかすようにそう答えた。
ただ、これだけは伝えたかった。
「あなたは綺麗です・・・だから・・・泣かないで・・・下さい!」
「ありがとうございます!」
その子が笑顔になった。
最高に綺麗だった。
奴は、こんな綺麗な子までも殺そうとした?
自分の腹を抑えた。
苦しみと共に異様な力を感じる。
「汝、もしや!?」
耐えられず天狗の袖を思いっきり掴んだ。
「あいつを倒したい!」
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