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しおりを挟むいつからだろうか
この夢を見るようになったのは
行った事もない人間の街
見たことも無いような美味しそうな食べ物
凄く大きい建物
うさぎの魔物である自分は
行けないような場所見れない景色
食べれない食べ物
そんな夢を見て虚しくなる
どうして僕は魔物なんだろう
なんで人間に産まれさせてくれなかったんだ
そんな話を同じ種族の仲間にしたら
「お前はそんな事ばっかり言ってるからいつまで経っても狩りもまともに出来ない弱虫なんだよ」
等と馬鹿にされて群れの中でも孤立していた。
僕達は角の生えたうさぎの魔物で
森の中の小柄な動物を狩って食べたり
近くに生えてる草を食べて生きている。
群れから孤立してる僕に動物の肉を分けてくれるような優しい者はここには居ない
常に孤立して1人でいるから
夢の事ばかり考えてしまう。
僕はどうして人間になれないんだろう。。。
そんなことを思いながら
お昼寝をしようと目をつぶっていると
仲間達の騒ぐ声が聞こえた。
どうしたんだろうと
目を開けるとそこにあったのは
仲間達の亡骸と血で濡れた剣をもった
人間だった
きっと近くの街から来た
冒険者と言うやつだろう
仲間達の亡骸を見ても悲しくもならない僕はおかしいんだろうかそれどころか死の間際になっても自分の夢の事を考えていた
(ああ、ようやくこの虚しい日々から
解放されるんだ
次産まれるなら人間になれますように)
そんな事を願いながら僕はそっと
目を閉じた。
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