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1.はた迷惑な猛烈アタック
しおりを挟む「……ねぇ、しよ?」
目を潤ませて、こっちを見てるのは、同級生の女子、兵梨結亜。
めくらなくてもすでにパンツが見えそうなほど、短くしている制服のチェックのスカートをめくりあげて、オレの目の前で見せるのは、両サイドリボン結びしている紐パン。
本能ではそっちをむきたくなる男の好奇心。
だからといってじっくり見るわけにもいかず、オレは反射的に目をそらした。
「ゆうあのここ……ひっ、ぱっ、て?」
「……ここ教室だから。っていうか、理一いるんだけど」
「あ、俺のことは気にしないで続けて続けて」
オレ達以外に、人がいないとはいえど。ここは放課後の教室。
親友の横谷理一に数学を教えているオレに、構わず迫ってくる兵梨に、呆れた目を向ける。
「見られながらするエッチもすっごくいいよ?」
「いいよ、じゃないっ!」
丸めた教科書で、スパーンと兵梨の頭を軽くはたく。
もうその手つきはなれたもんで、よどみがない。
「いたぁい!」と、大げさに頭を押さえる兵梨に冷ややかな目を向けて、オレは完全無視で理一に数学を無心で教え続けた。いろんな意味で、気にしたら負けだ。
「かまってよ~」といいながら、しゃがんで上目使いで見つめる兵梨を無視し続ける。
――ここで、同情は禁物だ。
小動物を虐待しているような罪悪感に陥るが、小動物はけしてセクハラはしない。
兵梨はオレの徹底的無視の様子に、しゅんとしてあきらめたようで教室から出て行った。
嵐が去った。
ほっと、ため息をついてると、数学を教えてもらいながらも面白そうに見ていた理一が言った。
「何で、ヤんねーの?」
「何で、って。好きでもないのに、そんな付き合いできねーよ」
「あらら、これだから童貞ちゃんは……別にヤリ捨てればいいじゃん、向こうがいいってんだから」
いつでもできる便利ちゃんだろ? と、ニヤリと意地の悪い顔で言う。
「お前のそういうところは、少し嫌いだ」
不機嫌そうに言うと、あらら、と理一は子供のわがままを聞いているかのような、余裕のある表情をした。
「しっかしまー。お前があのビッチで有名な兵梨にマジボレされるとはね」
「……オレだって信じられないよ、お前ならともかくさ」
目の前の親友は下手なアイドルよりかっこよく、モデル並みにスタイルもいい。街を歩けばナンパされ、モデルの事務所のスカウトはくるはで、人の多い場所ではあまり遊びたくはない。それぐらい、外見はいい。
今だって放課後の教室、何の変哲もないありふれた机。
勉強を教えているだけなのに、雑誌のスナップ写真のようだった。
「別にアンタじゃなくても、俺に付き合ってくれる女いるから」という、いつか背後から刺されても仕方ないセリフを吐いても、女の子は引きも切らずについてくる。
――あれ、なんでこんな奴とオレは親友をやっているのか、よくわからなくなってきたぞ。
とにかく、そんな誘蛾灯のような人間がそばにいるので、オレの恋愛遍歴は……ほとんど片思いで終わっていた。
まーそうだな、パッとしない男よりは理一の方を選ぶよな。
そう納得してしまう程、理一は外見だけでなく友達としてはいい奴でもある。
だから、可愛くて積極的な兵梨がオレなんかに猛烈なアタックをしてくるのが、なぜなのかよくわからん。
しかも、アタックの仕方が露骨にエロい。
エロすぎる。
オレも健全な男子高校生だから、抱きつかれたり、胸を押しつけられたり……今日はパンツ見せられたりすると、たまらなくなるけどさ。
――あ、いかんいかん、思い出してしまった。
リアル女子の下着なんか見る機会なんて……悲しいかな母親の物ぐらいだったオレには一瞬でも目に焼き付いている。
「はぁ……」
兵梨がこんなになったきっかけは、数日前に遡る。
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