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第二話 盗賊レヴィン①
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「何度も言わせんな! てめえみてえな使えねえヤツはウチのパーティーにはいらねえんだよ!!」
冒険者ギルド。
労働者向けの安酒場によく似た造りの施設内に、男のダミ声が響き渡った。
声を荒げているのは、屈強な体格を革の軽鎧に包んだ、二十代半ばほどの男だった。
腰には、ごつい戦闘斧《バトル・アックス》を差していて、一目で戦士タイプの冒険者と分かる。
彼を取り巻くのは、同じく冒険者風の女が二人。
「ま、待ってくれ、ゼルフ! どうして急にそんなことを……。俺たち、いままで一緒に戦ってきた仲間じゃないか!?」
彼らに対するのは十七、八頃の若い男性だった。
優しげな目つきでハンサムと呼べる見た目だが、線が細く冒険者としては少々頼りなくも見える。
装備も、彼だけ他のメンバーよりもずいぶん貧弱だった。
「一緒に戦ってきた、だと? 笑わせんな」
ゼルフと呼ばれた斧の男はますます声を荒くした。
「モンスターとの戦いは全部俺たちに押しつけてたくせに、よくそんなことが言えるな」
「そうよそうよ、この恥知らず!」
「あなたを仲間だと思ったことなんて、一度もないわ」
他の女冒険者二人も同調する。
「そ、それは……。最初に説明したはずだろ。俺は盗賊《シーフ》クラスだから、戦いには向かないんだって。それでいいからって話だったじゃないか!」
すがりつくようなレヴィンの姿にも、ゼルフらはますます蔑むようなまなざしを向けるだけだった。
「ああ。向かない、とは言ってたよなぁ。けど、限度ってもんがあるだろ」
「うん。ダガーの一本も振れないシーフなんて聞いたことない」
「バトルに一切参加しないで、ほんとにパーティーの一員でいたつもりなの?」
「それは……」
レヴィンは悔しげに下唇を噛む。
彼は戦闘から逃げ回っていたわけじゃない。
したくてもできなかったのだ。
盗賊純特化というユニーククラスに生まれついたレヴィンは、敏捷力や器用さが高い代わりに、物理攻撃力がゼロだった。防御力も同様に極端に低く、低級のモンスター相手でも、二発か三発攻撃を入れられればすぐにやられてしまう。
これではバトルに参加したとこで、足手まといになるヒマすらなく死亡してしまうだろう。
レベルさえ上がればマシになるんじゃないか、と思っていた時期もあった。
ゼルフたちのようにモンスターを倒して経験値を稼げない代わり、宝箱を発見したり、罠を解除して少しずつ経験値を貯めていた。
が、いくらレベルアップしても敏捷力などのステータスが上がるばかりで、攻撃力はゼロのままだった。
「分かったらもう俺たちのパーティーに関わるんじゃえ。盗賊職なら、他に戦いもできるヤツがいくらでもいるんだからな!」
一方的に言い捨てて、ゼルフたちは冒険者ギルドを後にした。
ギルドの中には、他の冒険者パーティーたちの姿もあった。
だが、レヴィンに声をかけようというものはいない。
みな他のパーティーのことだからと無関心でいるか、ゴタゴタに巻き込まれまいとして目を逸らしているかのどちらかだ。
――ただ一人を除いて。
「あらあら」
口に手を当て、彼らのやりとりを最初から興味深そうに見つめている者がいた。
冒険者ギルドの受付嬢、レベッカだ。
屈強な冒険者たちを相手にするには小柄、というか端的に言って“ちんまい”姿で、冒険者たちからはよく子ども扱いされてからかわれていた。
「ちょっとレヴィンさん。こっちに来ていただけますか?」
レベッカはカウンターの向こうから小声でレヴィンを呼び、手招きする。
“聞き耳”スキルを持った盗賊であるレヴィンでなければ、聞き洩らすようなささやき声だった。
「……俺を呼びましたか?」
一体なんの用だろうかと首をかしげながら、レヴィンは受付カウンターへと近づいた。
レベッカのことは冒険者ギルドの受付嬢として顔と名前は知っていたが、彼の所属するパーティーを担当しているのは、もう一人の受付嬢ダリアの方なので、いままであまり会話したことはなかった。
「災難でしたね、レヴィンさん」
レベッカに同情のこもった微笑みを投げかけられ、レヴィンは苦笑を返すしかなかった。
「あははは、恥ずかしいところをお見せしてしまいましたね」
でも、すぐに苦笑を浮かべるだけの気力もなくなってしまう。
はぁ、と深々とため息をつき、がくりと肩を落とす。
「やっぱり、攻撃力ゼロで冒険者になろうなんて、甘かったのかなぁ」
レベッカは励ますように、しいて明るい声を作って問う。
「これからどうされるつもりですか?」
「う~ん、どうしたものか。冒険者を辞めて田舎に帰ろうにも路銀もないし……」
「えっ、クエスト報酬はどうされたんですか?」
ゼルフのパーティーはBランククラスの冒険者だ。
それなりの成功報酬も稼いでいる。
レヴィンの装備を見る限り、武器・防具にお金をかけているとは思えないし、遊びまわって散財するタイプにも見えなかった。
「いや~、パーティーのお金はずっとゼルフさんが管理してて……。俺はどうしても必要な宿や食事代だけ払ってもらってたんですよ」
「まあ」
レベッカの表情が微かに曇った。
厳密にはギルドの規約違反ではない。
クエスト報酬はギルドからパーティーリーダーに渡され、その後の分配まではギルド側では関知しない。
だが、それはパーティーに公平に行き渡っているものと、パーティーリーダーたちを信頼してのことだ。
「レヴィンさん、人が良すぎますよ……」
今後、このような不公平がギルド内で横行するようでは冒険者たちの士気に関わる。
何か、報酬の受け渡し方法や規約を改善する必要があるかもしれない。
とりあえず、いまはそのことは一旦置くレベッカ。
「では、いまのところ特にアテはない、ということですね?」
「恥ずかしながら……」
「分かりました。では、わたしから一つ提案があります。そのために、レヴィンさんをお呼びしたのです」
揚々と告げるレベッカの言葉の意味が分からず、レヴィンは首をかしげた。
「ゼルフさんのパーティー『火蜥蜴の尾』はダリアさんの担当ですから、いままで口を出すことは控えていたのですが……。正直、ゼルフさんたちはレヴィンさんの恵まれた技術をまるで活かせていないと思っていたんです」
「恵まれている? 俺が?」
パーティーを追放された自分を慰めるにしても、もう少しうまいウソのつきかたもあるだろう。
そう言いたげな目で、レヴィンは彼女を見やる。
「はい。本来狡猾であったり、抜け目がない人がシーフクラスになることが多いんです。戦士職には劣るにしても、攻撃力もそこそこ持っているのがふつうです」
「ですよね……」
いったい彼女は自分をなぐさめたいのか追い打ちをかけたいのか。
レヴィンはさらに首をうなだれた。
冒険者を志す者は、ギルドで初期クラスを鑑定される。
それは天性のもので、本人の意思とは無関係だ。
たいていは本人の資質に合ったクラスになるが、中にはお人好しなレヴィンの場合みたいに、なぜそのクラスが天から与えられたのか、首をかしげてしまうような場合もある。
冒険者ギルド受付に寄せられるクレームの中でも上位の件数を占めるのが、初期クラスに対する不満だった。
受付に言ったところでどうしようもないのだが、レベッカは本人が納得するまで懇切丁寧に苦情に向き合っていた。
意味なく冒険者に与えられるクラスは存在しない、というのが彼女の信条だからだ。
冒険者の神さまがいるとしたら、初期クラスは一番初めの贈り物なのだ。
レヴィンの場合だって例外じゃない、とレベッカは思っている。
「ああ、落ち込まないでください! 珍しいと言っただけで、決してレヴィンさんを責めていたわけじゃないんです」
「いいんですよ、無理になぐさめてもらわなくても。落ちこぼれな自覚は自分でもありますから……」
「そうじゃなくて! レヴィンさんと同じ、盗賊純特化の冒険者さんが、記録上過去にも一人だけいたんです!」
必死になって言いつのったレベッカの言葉に、レヴィンは「えっ?」と顔を上げた。
「……俺以外にも、攻撃力ゼロの冒険者がいたんですか?」
レベッカはここぞとばかりに、ぶんぶんと首を縦に振る。
「そう、そうなんです! わたしが話したかったのは、そのことなんです」
レベッカはその勢いのまま、カウンターから奥へと引っ込んだ。
唖然としてレヴィンはその場に突っ立っていることしかできなかった。
さして間もなく、レベッカはぶ厚いファイルを持って戻ってきた。
小柄な彼女が持つと、余計に巨大に見える。
「盗賊純特化の冒険者ラパン=ドレトーク。いまからおよそ九〇年前くらいに活躍していました。獲得報酬金額は総額約7億ゴールド。文句なしのSランク冒険者です」
「Sランク!?」
現在、このギルドにはSランク冒険者は五人しかいない。
その五人が同じパーティーだから、実質Sランク冒険者とは彼ら一行を指す言葉と化していた。
通称「勇者パーティー」と呼ばれている者たちだ。
もちろん、レヴィンにとっては雲の上の存在だった。
「まさか、そのラパンっていう人も攻撃力ゼロだったって言うんじゃ……」
「はい、そのとおりです」
「いったいどうやって、それでモンスターを倒していたんですか?」
レヴィンの問いかけに、小さく首をかしげ、レベッカは当然のことみたいに言う。
「倒してませんよ?」
「え、ええ!? でも、Sランク冒険者だったって……」
冒険者が担う一番の仕事はモンスター退治だ。
他にも商人の護衛とか、失せもの探しとかこまごまとした仕事もあるにはあるが、メインとはいいがたい。
レベッカはにこりと笑って告げた。
「ふふ~、まさにそのお話をしたかったんです。レヴィンさん、だまされたと思って、これからわたしが言う通りにクエストをこなしてみませんか?」
冒険者ギルド。
労働者向けの安酒場によく似た造りの施設内に、男のダミ声が響き渡った。
声を荒げているのは、屈強な体格を革の軽鎧に包んだ、二十代半ばほどの男だった。
腰には、ごつい戦闘斧《バトル・アックス》を差していて、一目で戦士タイプの冒険者と分かる。
彼を取り巻くのは、同じく冒険者風の女が二人。
「ま、待ってくれ、ゼルフ! どうして急にそんなことを……。俺たち、いままで一緒に戦ってきた仲間じゃないか!?」
彼らに対するのは十七、八頃の若い男性だった。
優しげな目つきでハンサムと呼べる見た目だが、線が細く冒険者としては少々頼りなくも見える。
装備も、彼だけ他のメンバーよりもずいぶん貧弱だった。
「一緒に戦ってきた、だと? 笑わせんな」
ゼルフと呼ばれた斧の男はますます声を荒くした。
「モンスターとの戦いは全部俺たちに押しつけてたくせに、よくそんなことが言えるな」
「そうよそうよ、この恥知らず!」
「あなたを仲間だと思ったことなんて、一度もないわ」
他の女冒険者二人も同調する。
「そ、それは……。最初に説明したはずだろ。俺は盗賊《シーフ》クラスだから、戦いには向かないんだって。それでいいからって話だったじゃないか!」
すがりつくようなレヴィンの姿にも、ゼルフらはますます蔑むようなまなざしを向けるだけだった。
「ああ。向かない、とは言ってたよなぁ。けど、限度ってもんがあるだろ」
「うん。ダガーの一本も振れないシーフなんて聞いたことない」
「バトルに一切参加しないで、ほんとにパーティーの一員でいたつもりなの?」
「それは……」
レヴィンは悔しげに下唇を噛む。
彼は戦闘から逃げ回っていたわけじゃない。
したくてもできなかったのだ。
盗賊純特化というユニーククラスに生まれついたレヴィンは、敏捷力や器用さが高い代わりに、物理攻撃力がゼロだった。防御力も同様に極端に低く、低級のモンスター相手でも、二発か三発攻撃を入れられればすぐにやられてしまう。
これではバトルに参加したとこで、足手まといになるヒマすらなく死亡してしまうだろう。
レベルさえ上がればマシになるんじゃないか、と思っていた時期もあった。
ゼルフたちのようにモンスターを倒して経験値を稼げない代わり、宝箱を発見したり、罠を解除して少しずつ経験値を貯めていた。
が、いくらレベルアップしても敏捷力などのステータスが上がるばかりで、攻撃力はゼロのままだった。
「分かったらもう俺たちのパーティーに関わるんじゃえ。盗賊職なら、他に戦いもできるヤツがいくらでもいるんだからな!」
一方的に言い捨てて、ゼルフたちは冒険者ギルドを後にした。
ギルドの中には、他の冒険者パーティーたちの姿もあった。
だが、レヴィンに声をかけようというものはいない。
みな他のパーティーのことだからと無関心でいるか、ゴタゴタに巻き込まれまいとして目を逸らしているかのどちらかだ。
――ただ一人を除いて。
「あらあら」
口に手を当て、彼らのやりとりを最初から興味深そうに見つめている者がいた。
冒険者ギルドの受付嬢、レベッカだ。
屈強な冒険者たちを相手にするには小柄、というか端的に言って“ちんまい”姿で、冒険者たちからはよく子ども扱いされてからかわれていた。
「ちょっとレヴィンさん。こっちに来ていただけますか?」
レベッカはカウンターの向こうから小声でレヴィンを呼び、手招きする。
“聞き耳”スキルを持った盗賊であるレヴィンでなければ、聞き洩らすようなささやき声だった。
「……俺を呼びましたか?」
一体なんの用だろうかと首をかしげながら、レヴィンは受付カウンターへと近づいた。
レベッカのことは冒険者ギルドの受付嬢として顔と名前は知っていたが、彼の所属するパーティーを担当しているのは、もう一人の受付嬢ダリアの方なので、いままであまり会話したことはなかった。
「災難でしたね、レヴィンさん」
レベッカに同情のこもった微笑みを投げかけられ、レヴィンは苦笑を返すしかなかった。
「あははは、恥ずかしいところをお見せしてしまいましたね」
でも、すぐに苦笑を浮かべるだけの気力もなくなってしまう。
はぁ、と深々とため息をつき、がくりと肩を落とす。
「やっぱり、攻撃力ゼロで冒険者になろうなんて、甘かったのかなぁ」
レベッカは励ますように、しいて明るい声を作って問う。
「これからどうされるつもりですか?」
「う~ん、どうしたものか。冒険者を辞めて田舎に帰ろうにも路銀もないし……」
「えっ、クエスト報酬はどうされたんですか?」
ゼルフのパーティーはBランククラスの冒険者だ。
それなりの成功報酬も稼いでいる。
レヴィンの装備を見る限り、武器・防具にお金をかけているとは思えないし、遊びまわって散財するタイプにも見えなかった。
「いや~、パーティーのお金はずっとゼルフさんが管理してて……。俺はどうしても必要な宿や食事代だけ払ってもらってたんですよ」
「まあ」
レベッカの表情が微かに曇った。
厳密にはギルドの規約違反ではない。
クエスト報酬はギルドからパーティーリーダーに渡され、その後の分配まではギルド側では関知しない。
だが、それはパーティーに公平に行き渡っているものと、パーティーリーダーたちを信頼してのことだ。
「レヴィンさん、人が良すぎますよ……」
今後、このような不公平がギルド内で横行するようでは冒険者たちの士気に関わる。
何か、報酬の受け渡し方法や規約を改善する必要があるかもしれない。
とりあえず、いまはそのことは一旦置くレベッカ。
「では、いまのところ特にアテはない、ということですね?」
「恥ずかしながら……」
「分かりました。では、わたしから一つ提案があります。そのために、レヴィンさんをお呼びしたのです」
揚々と告げるレベッカの言葉の意味が分からず、レヴィンは首をかしげた。
「ゼルフさんのパーティー『火蜥蜴の尾』はダリアさんの担当ですから、いままで口を出すことは控えていたのですが……。正直、ゼルフさんたちはレヴィンさんの恵まれた技術をまるで活かせていないと思っていたんです」
「恵まれている? 俺が?」
パーティーを追放された自分を慰めるにしても、もう少しうまいウソのつきかたもあるだろう。
そう言いたげな目で、レヴィンは彼女を見やる。
「はい。本来狡猾であったり、抜け目がない人がシーフクラスになることが多いんです。戦士職には劣るにしても、攻撃力もそこそこ持っているのがふつうです」
「ですよね……」
いったい彼女は自分をなぐさめたいのか追い打ちをかけたいのか。
レヴィンはさらに首をうなだれた。
冒険者を志す者は、ギルドで初期クラスを鑑定される。
それは天性のもので、本人の意思とは無関係だ。
たいていは本人の資質に合ったクラスになるが、中にはお人好しなレヴィンの場合みたいに、なぜそのクラスが天から与えられたのか、首をかしげてしまうような場合もある。
冒険者ギルド受付に寄せられるクレームの中でも上位の件数を占めるのが、初期クラスに対する不満だった。
受付に言ったところでどうしようもないのだが、レベッカは本人が納得するまで懇切丁寧に苦情に向き合っていた。
意味なく冒険者に与えられるクラスは存在しない、というのが彼女の信条だからだ。
冒険者の神さまがいるとしたら、初期クラスは一番初めの贈り物なのだ。
レヴィンの場合だって例外じゃない、とレベッカは思っている。
「ああ、落ち込まないでください! 珍しいと言っただけで、決してレヴィンさんを責めていたわけじゃないんです」
「いいんですよ、無理になぐさめてもらわなくても。落ちこぼれな自覚は自分でもありますから……」
「そうじゃなくて! レヴィンさんと同じ、盗賊純特化の冒険者さんが、記録上過去にも一人だけいたんです!」
必死になって言いつのったレベッカの言葉に、レヴィンは「えっ?」と顔を上げた。
「……俺以外にも、攻撃力ゼロの冒険者がいたんですか?」
レベッカはここぞとばかりに、ぶんぶんと首を縦に振る。
「そう、そうなんです! わたしが話したかったのは、そのことなんです」
レベッカはその勢いのまま、カウンターから奥へと引っ込んだ。
唖然としてレヴィンはその場に突っ立っていることしかできなかった。
さして間もなく、レベッカはぶ厚いファイルを持って戻ってきた。
小柄な彼女が持つと、余計に巨大に見える。
「盗賊純特化の冒険者ラパン=ドレトーク。いまからおよそ九〇年前くらいに活躍していました。獲得報酬金額は総額約7億ゴールド。文句なしのSランク冒険者です」
「Sランク!?」
現在、このギルドにはSランク冒険者は五人しかいない。
その五人が同じパーティーだから、実質Sランク冒険者とは彼ら一行を指す言葉と化していた。
通称「勇者パーティー」と呼ばれている者たちだ。
もちろん、レヴィンにとっては雲の上の存在だった。
「まさか、そのラパンっていう人も攻撃力ゼロだったって言うんじゃ……」
「はい、そのとおりです」
「いったいどうやって、それでモンスターを倒していたんですか?」
レヴィンの問いかけに、小さく首をかしげ、レベッカは当然のことみたいに言う。
「倒してませんよ?」
「え、ええ!? でも、Sランク冒険者だったって……」
冒険者が担う一番の仕事はモンスター退治だ。
他にも商人の護衛とか、失せもの探しとかこまごまとした仕事もあるにはあるが、メインとはいいがたい。
レベッカはにこりと笑って告げた。
「ふふ~、まさにそのお話をしたかったんです。レヴィンさん、だまされたと思って、これからわたしが言う通りにクエストをこなしてみませんか?」
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