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第二章『王国を覆う影?ならば、この私が取り除かせていただきますわ』
王子の命を守るために
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カーラは必死であった。第二王子であるフィンにもしものことがあればそれは王国の身にも関わる。
だからこそイーサンに手首を掴まれつつも夢中になって突き刺そうとしているのだ。
少なくともこの男さえ倒れれば第二王子の身は守られる。カーラが必死になって腕を動かそうとしたものの、イーサンはカーラの手首を強く握って離そうとしない。イーサンもこの手を離せば即座にカーラが持つ針の餌食になってしまうことを承知しているので手に力を込めざるを得なかったのだ。
お互いに死力を尽くしあいながらも無言の睨み合いも同時に続けて地面の上で組み合う。影を共にした生きる二人にとって最悪であったのは時間帯が昼間であったために周りに行き交う人々が地面の上で取っ組み合う二人の男女を興味深そうに見つめていたことにあるだろう。二人の体の動きが四角になってか針などは見えていないらしい。
幸いなことにイーサンの武器である短刀は組み合った際に手から落ちて地面の上に転がっている。衆人監視の中というデメリットも多いが、厄介な敵を滅するのにこれ以上の機会はないのだ。是非ともここで仕留めておきたい。
カーラは歯を軋ませながらイーサンを殺害せんと針を喉元にまで近付けていく。
このままイーサンを殺せるかと思っていたが、イーサンはカーラに向かって強烈な頭突きを喰らわせていく。
イーサンはカーラが不意を喰らった瞬間に再びカーラを突き飛ばし、地面の上に落ちた短剣を拾いに向かう。
短剣を拾われたのならば勝ち目はない。カーラはイーサンを追って走っていく。寸前のところでカーラは短剣を蹴飛ばし、地面に落ちていた短剣を拾おうとして屈んだイーサンの延髄を目標に針を突き刺していこうとしたのである。
イーサンはそれを見極めたのか、短剣を撮るのを諦めて地面の上を転がり、そのままフィンの命もカーラの命も諦めてその場を走り去っていったのであった。
カーラは慌てて針を袖の下に隠し、フィンの元へと駆け寄っていく。
「殿下、ご無事でして?」
その言葉を聞いてフィンが首を縦に動かす。
「あぁ、無事だ。それよりもあなたは?」
「私は平気です。かすり傷ですわ。でも念のためにレキシーさんに見てもらったほうがいいかもしれません」
カーラはそう言ってその場を去ろうとしたのだが、不意に背後からフィンによって呼び止められた。
「なぁ、カーラ……どうしてあんな恐ろしい男に立ち向かえたんだ?」
「……殿下もご存知でしょう?『火事場の馬鹿力』というお言葉を……人間というのは追い詰められた際には想像もできない力を発揮するものなのですよ」
「……本当か?」
問い詰めるフィンの目は鋭かった。
「えぇ、そうですよ。私のようなか弱い人物がそんなお力を発揮できるはずありませんわ」
「……そうか」
フィンは訝しげにカーラを見つめた。だが、すぐにカーラに対していつも通りの笑顔を向けて微笑み返す。
カーラは最後にもう一度言い訳するかのようにフィンに微笑んで、レキシーの元へと戻っていく。
カーラは表面上は落ち着いていたもののその中では動揺の色を見せていた。
フィンに勘づかれてしまったかもしれない。もしそんなことがわかったのならば自分はこの街を離れなくてはならなくなってしまう。
義妹に復讐するためにはここが一番手っ取り早くていい場所だというのに。
そのことを個室で伝えると、レキシーが重い溜息を吐きながら言った。
「確かに勘付かれたら面倒だねぇ。けど、その場合選択肢はあたしたちが去るだけじゃないよ」
「どういうことですの?」
「簡単な話だよ。殿下にお隠れいただくのさ。……気の毒だけれどね」
カーラはその言葉を聞いた瞬間に駆除人の掟というものを思い出す。
駆除人の掟というのはどのような場合であれ他人に駆除の現場を見られた際には始末するというものである。
カーラたちはこれまで大胆な手口や手段で多くの駆除を成し遂げてきたが、それは熱心な下準備と多くの幸運が結び付いて成功したに過ぎない。
下準備に幸運、そして殺しに使うための技量とが彼女たちの駆除を助けてきたのだ。
逆にそれらの全てを駆使してもカバーしきれず一般人に駆除の目撃されたのならば駆除人がその一般人の口を封じなくてはならないのだ。
皮肉なものである。一般人のために害虫の駆除を行う駆除人が目撃されたという理由だけで一般人を殺さなくてはならないという掟があるというのは。
「嫌なものですよ。オレたちの掟というのは……」
ヒューゴが悲しい顔を浮かべながら答えた。それはカーラを思い遣ってものであった。
万が一の場合にはカーラは自らの手でフィンを始末しなくてはならないカーラに対する憐憫の情がヒューゴにその顔を作らせたのであった。
カーラはヒューゴの言葉を見届けると笑顔を浮かべながら言った。
「まぁ、今のところは私たちの正体が見られたわけでもありませんし、駆除を見られたわけでもありませんわ。このまま今のところはみんなでお仕事を続けさせていただきましょう」
カーラの言葉を聞いてレキシーたちは穏やかな笑みを浮かべながら首を縦に動かしたのであった。
「どういうことなんです!?王子の殺しに手間取ってしまうなんて!?」
ヘンダーはわざわざ教会から高い金を出して刺客として雇い上げた上に襲撃の前に客室に招き入れ、丁寧にもてなしながら自身の現状を包み隠さずに話したというのにイーサンなる暗殺者が自身の脅威となる対象を暗殺に失敗したことを悪びれもせずに報告するものであるからつい感情が昂って自身に与えられた部屋の机を蹴り飛ばしたが、イーサンは平然とした態度であった。そればかりか薄笑いさえ浮かべていた。
その態度を見てヘンダーは堪忍袋の尾がが切れたのか、イーサンの胸ぐらを強く掴み上げて叫ぶ。
「いい加減にしやがれッ!テメェ……何様のつもりだ?モラン大司教の子飼いだからって調子に乗るんじゃねぇぞ。テメェに詫びの言葉を入れさせるまでオレの手でテメェを殴ってもいいんだぞ。あ?」
ヘンダーはそれまでの敬語口調を捨て、いつも通りに無実の容疑者たちを追い詰めてきた高圧的な態度でイーサンへと迫っていった。
だが、肝心の暗殺者は恐ろしいまでの顔を見たとしても笑うばかりである。
ヘンダーがもう一度イーサンは睨み付けた時だ。イーサンはヘンダーを思いっきり殴り付けた。
本場の暗殺者であるイーサンによる強烈な殴打を直に受けたヘンダーは悲鳴を上げて地面の上にのたうち回っていく。
拳を受けた両頬を両手を使って必死に摩るヘンダーの頭をイーサンは足で強く踏み付けながら言った。
「調子に乗ってるのはどっちなんだ?ヘンダーさんよぉ。オレが知らぬとでも思ってるのか?テメェが今おれがやってるみたいに無実の人間を連行して無理やり犯人に仕立て上げてるって事実はちゃーんと知っているんだぜぇ!」
イーサンは足に込める力を強めてその下で苦しむヘンダーを見下ろしながら言った。
「いいか、テメェのやり方が通じるのはテメェよりも弱い人間だけだ。テメェより強い人間には通じねぇぞ。オレはオレのやり方でフィンを殺す……テメェなんぞに邪魔はさせねぇ」
「……テメェ、オレをなんだと……」
「人間のクズもしくは人間の姿をした化け物。更に言うと害虫で生まれるはずが手違いで人間に産まれた我らの偉大なる神ネオドラビアの失敗作。こんなところか?」
「テメェ、誰に向かってそんな……」
「オレを逮捕するっていうのか?やってみろゴミクズ……ただし、逮捕したなら速攻で牢を破ってテメェの首を掻き切るくらいのことはやってやるぞ」
イーサンは地面の上で蹲るヘンダーの頭から足を離したと思うと、そのまま地面の上で蹲るヘンダーの腹を蹴り飛ばしたかと思うと、窓を抜けて闇の中へと消えていく。
ヘンダーはゆっくりと起き上がると廊下に出て、大きな声で自分の故郷から連れてきた腹心の部下の名前を叫ぶ。
その言葉を聞いて腹心の部下が廊下の果てから慌てて駆け寄ってくる。
その男は獲物を狙う肉食獣のような鋭い目に鷲のように高い鼻といった独特の特徴に厚い胸筋を持つ人物であった。
その人物が自身の目の前で跪くとヘンダーは静かな声で命令を下す。
「……隊長命令だ。フィン王子を殺せ……それからイーサンの奴もだ」
「隊長が仰られておりますイーサンなる男にお怒りになるのはごもっともですが、殿下も始末なさるので?」
「……その通りだ。どいつもこいつもオレをコケにしやがって……オレは多くの難事件を解決した名隊長だぞ……そのオレにこんな仕打ちをしやがって……絶対に許せねぇ。おれを笑ったやつを皆殺しにしてやれ、ジョー」
「がってんで」
ジョーと呼ばれた男は口元に怪しい笑みを浮かべながら答えた。
だからこそイーサンに手首を掴まれつつも夢中になって突き刺そうとしているのだ。
少なくともこの男さえ倒れれば第二王子の身は守られる。カーラが必死になって腕を動かそうとしたものの、イーサンはカーラの手首を強く握って離そうとしない。イーサンもこの手を離せば即座にカーラが持つ針の餌食になってしまうことを承知しているので手に力を込めざるを得なかったのだ。
お互いに死力を尽くしあいながらも無言の睨み合いも同時に続けて地面の上で組み合う。影を共にした生きる二人にとって最悪であったのは時間帯が昼間であったために周りに行き交う人々が地面の上で取っ組み合う二人の男女を興味深そうに見つめていたことにあるだろう。二人の体の動きが四角になってか針などは見えていないらしい。
幸いなことにイーサンの武器である短刀は組み合った際に手から落ちて地面の上に転がっている。衆人監視の中というデメリットも多いが、厄介な敵を滅するのにこれ以上の機会はないのだ。是非ともここで仕留めておきたい。
カーラは歯を軋ませながらイーサンを殺害せんと針を喉元にまで近付けていく。
このままイーサンを殺せるかと思っていたが、イーサンはカーラに向かって強烈な頭突きを喰らわせていく。
イーサンはカーラが不意を喰らった瞬間に再びカーラを突き飛ばし、地面の上に落ちた短剣を拾いに向かう。
短剣を拾われたのならば勝ち目はない。カーラはイーサンを追って走っていく。寸前のところでカーラは短剣を蹴飛ばし、地面に落ちていた短剣を拾おうとして屈んだイーサンの延髄を目標に針を突き刺していこうとしたのである。
イーサンはそれを見極めたのか、短剣を撮るのを諦めて地面の上を転がり、そのままフィンの命もカーラの命も諦めてその場を走り去っていったのであった。
カーラは慌てて針を袖の下に隠し、フィンの元へと駆け寄っていく。
「殿下、ご無事でして?」
その言葉を聞いてフィンが首を縦に動かす。
「あぁ、無事だ。それよりもあなたは?」
「私は平気です。かすり傷ですわ。でも念のためにレキシーさんに見てもらったほうがいいかもしれません」
カーラはそう言ってその場を去ろうとしたのだが、不意に背後からフィンによって呼び止められた。
「なぁ、カーラ……どうしてあんな恐ろしい男に立ち向かえたんだ?」
「……殿下もご存知でしょう?『火事場の馬鹿力』というお言葉を……人間というのは追い詰められた際には想像もできない力を発揮するものなのですよ」
「……本当か?」
問い詰めるフィンの目は鋭かった。
「えぇ、そうですよ。私のようなか弱い人物がそんなお力を発揮できるはずありませんわ」
「……そうか」
フィンは訝しげにカーラを見つめた。だが、すぐにカーラに対していつも通りの笑顔を向けて微笑み返す。
カーラは最後にもう一度言い訳するかのようにフィンに微笑んで、レキシーの元へと戻っていく。
カーラは表面上は落ち着いていたもののその中では動揺の色を見せていた。
フィンに勘づかれてしまったかもしれない。もしそんなことがわかったのならば自分はこの街を離れなくてはならなくなってしまう。
義妹に復讐するためにはここが一番手っ取り早くていい場所だというのに。
そのことを個室で伝えると、レキシーが重い溜息を吐きながら言った。
「確かに勘付かれたら面倒だねぇ。けど、その場合選択肢はあたしたちが去るだけじゃないよ」
「どういうことですの?」
「簡単な話だよ。殿下にお隠れいただくのさ。……気の毒だけれどね」
カーラはその言葉を聞いた瞬間に駆除人の掟というものを思い出す。
駆除人の掟というのはどのような場合であれ他人に駆除の現場を見られた際には始末するというものである。
カーラたちはこれまで大胆な手口や手段で多くの駆除を成し遂げてきたが、それは熱心な下準備と多くの幸運が結び付いて成功したに過ぎない。
下準備に幸運、そして殺しに使うための技量とが彼女たちの駆除を助けてきたのだ。
逆にそれらの全てを駆使してもカバーしきれず一般人に駆除の目撃されたのならば駆除人がその一般人の口を封じなくてはならないのだ。
皮肉なものである。一般人のために害虫の駆除を行う駆除人が目撃されたという理由だけで一般人を殺さなくてはならないという掟があるというのは。
「嫌なものですよ。オレたちの掟というのは……」
ヒューゴが悲しい顔を浮かべながら答えた。それはカーラを思い遣ってものであった。
万が一の場合にはカーラは自らの手でフィンを始末しなくてはならないカーラに対する憐憫の情がヒューゴにその顔を作らせたのであった。
カーラはヒューゴの言葉を見届けると笑顔を浮かべながら言った。
「まぁ、今のところは私たちの正体が見られたわけでもありませんし、駆除を見られたわけでもありませんわ。このまま今のところはみんなでお仕事を続けさせていただきましょう」
カーラの言葉を聞いてレキシーたちは穏やかな笑みを浮かべながら首を縦に動かしたのであった。
「どういうことなんです!?王子の殺しに手間取ってしまうなんて!?」
ヘンダーはわざわざ教会から高い金を出して刺客として雇い上げた上に襲撃の前に客室に招き入れ、丁寧にもてなしながら自身の現状を包み隠さずに話したというのにイーサンなる暗殺者が自身の脅威となる対象を暗殺に失敗したことを悪びれもせずに報告するものであるからつい感情が昂って自身に与えられた部屋の机を蹴り飛ばしたが、イーサンは平然とした態度であった。そればかりか薄笑いさえ浮かべていた。
その態度を見てヘンダーは堪忍袋の尾がが切れたのか、イーサンの胸ぐらを強く掴み上げて叫ぶ。
「いい加減にしやがれッ!テメェ……何様のつもりだ?モラン大司教の子飼いだからって調子に乗るんじゃねぇぞ。テメェに詫びの言葉を入れさせるまでオレの手でテメェを殴ってもいいんだぞ。あ?」
ヘンダーはそれまでの敬語口調を捨て、いつも通りに無実の容疑者たちを追い詰めてきた高圧的な態度でイーサンへと迫っていった。
だが、肝心の暗殺者は恐ろしいまでの顔を見たとしても笑うばかりである。
ヘンダーがもう一度イーサンは睨み付けた時だ。イーサンはヘンダーを思いっきり殴り付けた。
本場の暗殺者であるイーサンによる強烈な殴打を直に受けたヘンダーは悲鳴を上げて地面の上にのたうち回っていく。
拳を受けた両頬を両手を使って必死に摩るヘンダーの頭をイーサンは足で強く踏み付けながら言った。
「調子に乗ってるのはどっちなんだ?ヘンダーさんよぉ。オレが知らぬとでも思ってるのか?テメェが今おれがやってるみたいに無実の人間を連行して無理やり犯人に仕立て上げてるって事実はちゃーんと知っているんだぜぇ!」
イーサンは足に込める力を強めてその下で苦しむヘンダーを見下ろしながら言った。
「いいか、テメェのやり方が通じるのはテメェよりも弱い人間だけだ。テメェより強い人間には通じねぇぞ。オレはオレのやり方でフィンを殺す……テメェなんぞに邪魔はさせねぇ」
「……テメェ、オレをなんだと……」
「人間のクズもしくは人間の姿をした化け物。更に言うと害虫で生まれるはずが手違いで人間に産まれた我らの偉大なる神ネオドラビアの失敗作。こんなところか?」
「テメェ、誰に向かってそんな……」
「オレを逮捕するっていうのか?やってみろゴミクズ……ただし、逮捕したなら速攻で牢を破ってテメェの首を掻き切るくらいのことはやってやるぞ」
イーサンは地面の上で蹲るヘンダーの頭から足を離したと思うと、そのまま地面の上で蹲るヘンダーの腹を蹴り飛ばしたかと思うと、窓を抜けて闇の中へと消えていく。
ヘンダーはゆっくりと起き上がると廊下に出て、大きな声で自分の故郷から連れてきた腹心の部下の名前を叫ぶ。
その言葉を聞いて腹心の部下が廊下の果てから慌てて駆け寄ってくる。
その男は獲物を狙う肉食獣のような鋭い目に鷲のように高い鼻といった独特の特徴に厚い胸筋を持つ人物であった。
その人物が自身の目の前で跪くとヘンダーは静かな声で命令を下す。
「……隊長命令だ。フィン王子を殺せ……それからイーサンの奴もだ」
「隊長が仰られておりますイーサンなる男にお怒りになるのはごもっともですが、殿下も始末なさるので?」
「……その通りだ。どいつもこいつもオレをコケにしやがって……オレは多くの難事件を解決した名隊長だぞ……そのオレにこんな仕打ちをしやがって……絶対に許せねぇ。おれを笑ったやつを皆殺しにしてやれ、ジョー」
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