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第二章『王国を覆う影?ならば、この私が取り除かせていただきますわ』
酒場のオンリー・ユー
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場所は駆除人たちが集うギルド。三人の駆除人に囲まれてシュポスはその本拠地へと足を踏み入れていく。
だが、彼の顔に恐怖の色は見えない。むしろ、どこか感心しているかのような表情を浮かべて辺りを見渡していた。
「なるほどね、表向きは普通の酒場を装っているってわけか」
「……あまり詳しく知りたがらない方がいいと思うよ」
レキシーは低い声を出してシュポスに向かって警告の言葉を放つ。
「そうかい?じゃあ、そうさせてもらうか、あっ、マスター、おれあそこに座ってるガキと同じものをちょうだい」
シュポスはバーカウンターでグラスを洗うギルドマスターに向かって言った。その口調はどこまでも明るかった。人を食ったかのような態度にギルドマスターは眉を顰めていたが、レキシーはそれを苦笑しながら見ていた。
シュポスはバーカウンターでギークが飲んでいたのと全く同じグリーンがかかった黄色のワインだ。シュポスはワインを一気飲みし、自分たちを囲む駆除人たちを見つめていく。
「なるほど、ガキが多いな」
「が、ガキだとッ!」
ヒューゴが激昂して掴み掛かっていく。だが、シュポスはそれを逆にヒューゴを突き飛ばし、小馬鹿にしたような笑みを浮かべていく。
「ガキだからガキって言ったんだぜ」
「ぶ、無礼なッ!」
ヒューゴは完全に血が上っている。怒りで我を忘れていた時だ。シュポスが椅子の上から立ち上がってヒューゴの肩を優しく叩いていく。
「落ち着けよぼく……そんなカッカ怒ってたら駆除人なんて務まらねぇぞ」
シュポスはその後全員に悟られることなくヒューゴの背後に回り、肩の上から優しく両手を回していく。そして後少しで互いの唇を重ねるほどに顔を近付けていったのである。
動揺するヒューゴに対して、シュポスは恋人に囁くように優しい声で言った。
「ほぅら、今でもオレに背後を取られちまっただろ?」
「は、離せ……」
「人にものを頼む時には言い方とってものがあるだろ?ぼく」
「……は、離してください」
シュポスはそれからヒューゴを乱暴に離し、警戒の目を向けるカーラの元へと近付いていく。
そしてそのままカーラに向かって先程ヒューゴに向けたのと同じような優しい声で言った。
「オレに惚れてくれよ、可愛らしいオレのお人形ちゃん」
「……申し訳ありませんが、もう少し距離を取っていただけません?そんなに迫られると私怖いんですの」
カーラは冷たい声で告げた。シュポスはそれを聞いてその場から離れ、今度は丁寧に頭を下げて言った。
「オレと付き合ってくれ、頼む」
「お断り致しますわ」
カーラはあっさりと断った。それを聞くとシュポスは困ったように頭をかいた。
「困ったなぁ、ここまで誠意を見せても駄目なのかい?」
「当たり前ですわ。それよりも私が気になるのはどうしてあなたが私の駆除の内容を知っていたのかということですわ。どうやって知ったのかお教え願えません?」
「それ教えたらオレとデートしてくれない?」
カーラはしばらくその問い掛けに対して答えられずにいたが、やがてシュポスの視線に自身の視線を合わせ、はっきりとした低い声で言った。
「いいですわ。その後に妙なことを私にしたり、私に無理に交際を迫ることがなければ……」
「おいおい、まだ条件をつける気か?」
シュポスは冗談めいたように肩をすくめたが、カーラの真剣な瞳を見てこの条件を飲んだ。
「まぁいいや、交渉成立だ。よろしく頼むぜ」
「では、今度のお休みの日ということでよろしいでしょうか?」
「あぁ、頼むぜ」
シュポスはそう言いながらその場を立ち去ろうとした。その時だ。唐突にバーカウンターの前で酒を飲んでいた少年ーーギークが立ち上がり、シュポスに向かって言った。
「待った、まだ帰らないでよ。あんたに聞きたいことがあるんだけどさ」
「聞きたいこと?なんだ?」
「お兄さんってさ駆除人ってわけじゃないよね?誰なの?」
「なんのつもりかな?」
「だってそうでしょ。話を聞く限りだとお兄さん一般人に見えないし」
「それはどういうことだ?」
「だって一般人なら駆除の現場を目撃したら怯えて何も言わないものだよ、そのまま黙って警備隊なり自警団なりに駆け込むものさ」
「つまり、オレはただものじゃない……そういいたいわけか?」
ギークは首肯した。それから低い声で警告の言葉を投げ掛けるように言った。
「その通り、彼女に何かをするというのはこの街の駆除人たちを敵に回すことに他ならないよ。キミが利口ならさっきの忠告は守れよ」
ギークは確かな殺気を醸し出しながらシュポスに向かって言った。シュポスはその言葉を受けてしばらくは黙っていたが、すぐ口元に笑みを浮かべてギークを安心させるように言った。
「心配するなよ、オレはお前らなんぞ全員まとめて返り討ちにできる自信があるんだからな」
シュポスは懐の中に隠していた針の一本を取り出し、針を大きく振って空を切った。ぴゅっという音が鳴ってその場に居合わせた駆除人たちを警戒させた。
素早い針の動きは『血吸い姫』とあだ名されるカーラにも引けを取らないほどの素晴らしく無駄のない動きだった。
駆除人たちが呆気に取られている姿を見て、シュポスは大きな笑い声を上げた後に満足そうな顔を浮かべながらその場を去っていく。
シュポスが立ち去った後にレキシーがいきなりカーラを強く抱き締めていく。
「ごめんよ、ごめんよ……あんたを助けなくちゃあいけないっていうのに……あんな話を承諾させちまって」
「お気になさらないでくださいな。レキシーさん、元は私が駆除の現場を見られたのが悪いのですから」
「でも、でも、あんな奴に……あんたを」
カーラを強く抱き締めるレキシーの両目から透明の液体が溢れていく。
それからさらに強い力でカーラを抱き締める。一通り抱擁が済むと、カーラを離して、シュポスに警戒するよう気を付けるように声を掛けた。
カーラはその警告を受け取り、デートの日は自分がシュポスを仕留める瞬間まで油断しないことを心の内で約束したのであった。
駆除の現場を見られれば相手が誰であろうと始末する。それが駆除人の掟なのだ。カーラは駆除人としてこの掟に忠実に実行する気でいた。
そんなことを考えながら微笑を浮かべて外に出ていくと外はもう夜だった。
昼間あれだけ人々に温もりと優しさを与えた太陽は沈み、空にも路面にも同じように藍色に染まっていた。連れ添って自宅へと戻っていく。
夜の城下町。それは人通りのない闇と静寂だけが支配する悪霊たちの根倉。人でありながら己の所業のために人ならざるを得なくなった人間たちが迷い込んだ哀れな獲物を獲得するための絶孤高の狩場。そんな夜の城下町で闇を共に裏稼業に勤しむのが害虫駆除人なのだ。
そして、ネオドラビア教の暗殺者たちもそうだろう。その闇の中を舞台にお互いの命を狙って殺し合っている。
一般の人間からすれば恐ろしい光景であるに違いないし、どちらも共倒れになってしまえというのが本音だろう。
害虫駆除などと言いながらも光のある場所に生きる人々からは居なくなって欲しいと願われるのが自分たちの仕事なのだ。
レキシーが妙に情緒めいたことを考えていると、カーラによって現実世界に戻された。一緒に並んで歩いていたカーラによればレキシーは上の空で歩きつつもちゃんと自宅に向かって歩いたらしい。
レキシーが自宅に戻って夕食を作ろうとして扉の前を開けようとした時だ。
「待て、ここが街で評判の診療所に勤める医者レキシーの家だな?」
渇いた喉を必死に震わせて絞り出したような掠れた声が闇の中から聞こえた。
「そうだけど、あんた誰だい?」
レキシーは警戒の目を向けながら声がした方向に向かって問い掛けた。
「わしは宮廷医のウィリアム・バトラーだ。早速で悪いが、陛下の病気を診てくれ」
「…‥冗談じゃないよ、あたしはねぇ、もう家に入ってご飯食べるところだったんだよ」
「陛下に万が一のことがあるかもしれぬのだぞ」
「それを診るのがあんたの仕事だろ?なんのために普段から偉そうに振る舞ってるんだ」
「貴様ッ!たかだか町医者の分際でッ!」
「その町医者に頼ってきたのはあんただろうがッ!」
レキシーは激昂しながら侍医に接する。カーラはその様子を見てまたしてもレキシーの悪い癖が発症したと頭を抱えた。
過去の貴族との確執があり、レキシーは貴族に対してあまり印象を持っていないのだ。
だが、今回は相手が悪い。カーラは自らが望んで調停者となりこの場を収めることにしたのである。
だが、彼の顔に恐怖の色は見えない。むしろ、どこか感心しているかのような表情を浮かべて辺りを見渡していた。
「なるほどね、表向きは普通の酒場を装っているってわけか」
「……あまり詳しく知りたがらない方がいいと思うよ」
レキシーは低い声を出してシュポスに向かって警告の言葉を放つ。
「そうかい?じゃあ、そうさせてもらうか、あっ、マスター、おれあそこに座ってるガキと同じものをちょうだい」
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シュポスはバーカウンターでギークが飲んでいたのと全く同じグリーンがかかった黄色のワインだ。シュポスはワインを一気飲みし、自分たちを囲む駆除人たちを見つめていく。
「なるほど、ガキが多いな」
「が、ガキだとッ!」
ヒューゴが激昂して掴み掛かっていく。だが、シュポスはそれを逆にヒューゴを突き飛ばし、小馬鹿にしたような笑みを浮かべていく。
「ガキだからガキって言ったんだぜ」
「ぶ、無礼なッ!」
ヒューゴは完全に血が上っている。怒りで我を忘れていた時だ。シュポスが椅子の上から立ち上がってヒューゴの肩を優しく叩いていく。
「落ち着けよぼく……そんなカッカ怒ってたら駆除人なんて務まらねぇぞ」
シュポスはその後全員に悟られることなくヒューゴの背後に回り、肩の上から優しく両手を回していく。そして後少しで互いの唇を重ねるほどに顔を近付けていったのである。
動揺するヒューゴに対して、シュポスは恋人に囁くように優しい声で言った。
「ほぅら、今でもオレに背後を取られちまっただろ?」
「は、離せ……」
「人にものを頼む時には言い方とってものがあるだろ?ぼく」
「……は、離してください」
シュポスはそれからヒューゴを乱暴に離し、警戒の目を向けるカーラの元へと近付いていく。
そしてそのままカーラに向かって先程ヒューゴに向けたのと同じような優しい声で言った。
「オレに惚れてくれよ、可愛らしいオレのお人形ちゃん」
「……申し訳ありませんが、もう少し距離を取っていただけません?そんなに迫られると私怖いんですの」
カーラは冷たい声で告げた。シュポスはそれを聞いてその場から離れ、今度は丁寧に頭を下げて言った。
「オレと付き合ってくれ、頼む」
「お断り致しますわ」
カーラはあっさりと断った。それを聞くとシュポスは困ったように頭をかいた。
「困ったなぁ、ここまで誠意を見せても駄目なのかい?」
「当たり前ですわ。それよりも私が気になるのはどうしてあなたが私の駆除の内容を知っていたのかということですわ。どうやって知ったのかお教え願えません?」
「それ教えたらオレとデートしてくれない?」
カーラはしばらくその問い掛けに対して答えられずにいたが、やがてシュポスの視線に自身の視線を合わせ、はっきりとした低い声で言った。
「いいですわ。その後に妙なことを私にしたり、私に無理に交際を迫ることがなければ……」
「おいおい、まだ条件をつける気か?」
シュポスは冗談めいたように肩をすくめたが、カーラの真剣な瞳を見てこの条件を飲んだ。
「まぁいいや、交渉成立だ。よろしく頼むぜ」
「では、今度のお休みの日ということでよろしいでしょうか?」
「あぁ、頼むぜ」
シュポスはそう言いながらその場を立ち去ろうとした。その時だ。唐突にバーカウンターの前で酒を飲んでいた少年ーーギークが立ち上がり、シュポスに向かって言った。
「待った、まだ帰らないでよ。あんたに聞きたいことがあるんだけどさ」
「聞きたいこと?なんだ?」
「お兄さんってさ駆除人ってわけじゃないよね?誰なの?」
「なんのつもりかな?」
「だってそうでしょ。話を聞く限りだとお兄さん一般人に見えないし」
「それはどういうことだ?」
「だって一般人なら駆除の現場を目撃したら怯えて何も言わないものだよ、そのまま黙って警備隊なり自警団なりに駆け込むものさ」
「つまり、オレはただものじゃない……そういいたいわけか?」
ギークは首肯した。それから低い声で警告の言葉を投げ掛けるように言った。
「その通り、彼女に何かをするというのはこの街の駆除人たちを敵に回すことに他ならないよ。キミが利口ならさっきの忠告は守れよ」
ギークは確かな殺気を醸し出しながらシュポスに向かって言った。シュポスはその言葉を受けてしばらくは黙っていたが、すぐ口元に笑みを浮かべてギークを安心させるように言った。
「心配するなよ、オレはお前らなんぞ全員まとめて返り討ちにできる自信があるんだからな」
シュポスは懐の中に隠していた針の一本を取り出し、針を大きく振って空を切った。ぴゅっという音が鳴ってその場に居合わせた駆除人たちを警戒させた。
素早い針の動きは『血吸い姫』とあだ名されるカーラにも引けを取らないほどの素晴らしく無駄のない動きだった。
駆除人たちが呆気に取られている姿を見て、シュポスは大きな笑い声を上げた後に満足そうな顔を浮かべながらその場を去っていく。
シュポスが立ち去った後にレキシーがいきなりカーラを強く抱き締めていく。
「ごめんよ、ごめんよ……あんたを助けなくちゃあいけないっていうのに……あんな話を承諾させちまって」
「お気になさらないでくださいな。レキシーさん、元は私が駆除の現場を見られたのが悪いのですから」
「でも、でも、あんな奴に……あんたを」
カーラを強く抱き締めるレキシーの両目から透明の液体が溢れていく。
それからさらに強い力でカーラを抱き締める。一通り抱擁が済むと、カーラを離して、シュポスに警戒するよう気を付けるように声を掛けた。
カーラはその警告を受け取り、デートの日は自分がシュポスを仕留める瞬間まで油断しないことを心の内で約束したのであった。
駆除の現場を見られれば相手が誰であろうと始末する。それが駆除人の掟なのだ。カーラは駆除人としてこの掟に忠実に実行する気でいた。
そんなことを考えながら微笑を浮かべて外に出ていくと外はもう夜だった。
昼間あれだけ人々に温もりと優しさを与えた太陽は沈み、空にも路面にも同じように藍色に染まっていた。連れ添って自宅へと戻っていく。
夜の城下町。それは人通りのない闇と静寂だけが支配する悪霊たちの根倉。人でありながら己の所業のために人ならざるを得なくなった人間たちが迷い込んだ哀れな獲物を獲得するための絶孤高の狩場。そんな夜の城下町で闇を共に裏稼業に勤しむのが害虫駆除人なのだ。
そして、ネオドラビア教の暗殺者たちもそうだろう。その闇の中を舞台にお互いの命を狙って殺し合っている。
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害虫駆除などと言いながらも光のある場所に生きる人々からは居なくなって欲しいと願われるのが自分たちの仕事なのだ。
レキシーが妙に情緒めいたことを考えていると、カーラによって現実世界に戻された。一緒に並んで歩いていたカーラによればレキシーは上の空で歩きつつもちゃんと自宅に向かって歩いたらしい。
レキシーが自宅に戻って夕食を作ろうとして扉の前を開けようとした時だ。
「待て、ここが街で評判の診療所に勤める医者レキシーの家だな?」
渇いた喉を必死に震わせて絞り出したような掠れた声が闇の中から聞こえた。
「そうだけど、あんた誰だい?」
レキシーは警戒の目を向けながら声がした方向に向かって問い掛けた。
「わしは宮廷医のウィリアム・バトラーだ。早速で悪いが、陛下の病気を診てくれ」
「…‥冗談じゃないよ、あたしはねぇ、もう家に入ってご飯食べるところだったんだよ」
「陛下に万が一のことがあるかもしれぬのだぞ」
「それを診るのがあんたの仕事だろ?なんのために普段から偉そうに振る舞ってるんだ」
「貴様ッ!たかだか町医者の分際でッ!」
「その町医者に頼ってきたのはあんただろうがッ!」
レキシーは激昂しながら侍医に接する。カーラはその様子を見てまたしてもレキシーの悪い癖が発症したと頭を抱えた。
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