297 / 365
第七部『エイジェント・オブ・クリミナル』
トライアングル・コネクション
しおりを挟む
ジュリオ・カヴァリエーレは言うなれば三角の一番大きな場所を担ういわばコネクション内の中枢メンバーの一人であった。
本来ならば、彼は自身の薄暗くてもガラスの付いた立派な本棚に囲まれた執務室で気持ちよく仕事をしなければならない。が、彼は今はそれどころではないらしい。
と、言うのも他でもない。日本にてコネクションを担う人物の変更である。そうは言っても新しく取り扱う人物の人物自身に不満はない。問題はその組織。本業のマフィア組織ではなく、宗教団体なのである。
宗教団体が麻薬の一大コネクションの一端を担うなど聞いた事がない。
加えて、そのコネクションの大元である北京人民解放連盟のニコラス=呂までもがその宗教団体に入ってしまうとは。
ジュリオは両眉を顰めなが、引き出しの中にしまっていた葉巻を吸う。
両親から受け継いだ葉巻は彼の好物であった。彼は革張りの椅子に深く腰を掛け、葉巻を吸っていく。
そしてある程度、葉巻を吸い終わえて満足すると、口から白い煙を出していく。
葉巻を吸うのがジュリオの一日の楽しみであった。ジュリオは葉巻を吸い終わると、携帯端末を使用して部下を呼び出す。
通話に出なくても良い。バイブ音さえ鳴れば、部下はやってくる。
現れた黒色のツーピースのストライプスーツの男はジュリオに向かって用件を尋ねる。
ジュリオは一々喋らなければ、用件も分からない無能な部下に向かって言ってやる。
「日本の大樹寺雫について調べろ。こんな世間も知らないアルプスの少女みてーな純真そうなお嬢ちゃんに務まるのかがおれは不安でね」
ジュリオの指示を聞くと、部下の男は深々と頭を下げて部屋を後にしていく。
三日の時間が経った後に、部下の男はそのコネクションを担う人物についての情報を持って現れた。
大樹寺雫の情報が纏められた書類をジュリオに手渡し、ジュリオは写真が纏められた書類に目を通していく。
ジュリオは渡された書類を時に冷笑し、時に眉を顰めつつ読み終えていく。
読み終わった書類を机の上に置いて、彼自身の考えを部下に向かって告げる。
「な、し、だ。悪いが、今後の『トライアングル・コネクション』はおれじゃあなく、別の人物にやらせろ。あまりにもリスクが大きすぎる」
部下の男はボスの言う事が理解できずに聞き返す。
が、返答は同じ。やむを得ずに彼はボスに理由を問う。
ジュリオはそれに対して一言だけ告げる。
「勘だよ。こいつにだけはぁ、関わっちゃあならねぇって、おれの勘が告げてんだ。仕舞いにはおれのファミリーが貧乏籤を引いて、破滅しかねぇってな」
ジュリオの指示を聞き、部下の男はその決意をコミッションに伝える。
コミッションはジュリオが次々と力を付ける事に脅威を感じていた事もあり、それを素直に受け入れ、代わりにコミッションの有力マフィアのサラ・ザビアニを後任にあたらせようとしたのだが、その前にある一人の手を挙げた事により、それは頓挫してしまう。
手を挙げたのはジュリオ・カヴァリエーレの実の妹、コンスタンス・カヴァリエーレであった。
古臭いワンピースにボサボサの黒い髪の少女は到底、美人には見えない。
それでも、全員がこのコンスタンスには一目置いていたし、何より、彼女がしくじればそれを名目に勢力を伸ばしつつあるジュリオを叩き潰す事が出来る。
コミッションの見解は一致し、ジュリオの任を解く代わりに、彼女をその後任にあたらせたのだった。
ジュリオは彼女を阿呆と見下していたので、余計な手出しをする事なく彼女を独立させ、補佐だけを派遣させ、その任務を代行させる事で自身はその責任から逃れる事に成功した。
コンスタンスはそんな事も知らずに、日本における『トライアングル・コネクション』の新たなる責任者である大樹寺雫の元へと向かう。
「あの、あたしは試験の時のプレッシャーに弱いんですけれども、どうしたら良いでしょうか?」
「問題ない。わたしも試験ではそうだから。けれど、あなたが苦しむのは見ていられない。なので、わたしが良い方法を教えてあげよう」
雫は腹式呼吸を用いた深呼吸の方法とリラックスする時に連想する事を想像する事を教え、一般人である同い年の学生の質問に答えていく。
何故、こんな事をしているのかといえば、雫がテレビのバラエティ番組にゲスト出演し、テレビ番組に集まったゲストの人たちの質問に答えるというものであったからだ。ちなみにこの後にはコンスタンス・カヴァリエーレとの夕食会談が控えている。なので、延長はできないと局側にも伝えているので、余程の事がない限りは次の質問で終わりだろう。
雫はそう思いながら群衆の中に紛れた刑事を見やる。
あの刑事は相変わらずしつこい。どうしてやろう。雫が身構えそうになった時だ。肩を優しく叩かれて、
「いやぁ、流石だねぇ、天才少女は違うねぇ」
「そうそう、おじさんびっくりー。なんたって~」
と、バラエティ番組の司会を司る二人のお笑い芸人の男が雫を弄る。雫はそれに伴って年ごろの少女の様に恥ずかしそうに下に俯く。
当初は非難があったテレビ番組出演であったが、このテレビ番組が盛り上がる頃にはそんな非難の声も鳴りを潜め、このまま絶頂のままテレビ番組が終わるかと思われた時だ。
お笑い芸人の男が最後に一人の赤い肌をした青年を指した事により、雫の表情に翳りが見えた。
お笑い芸人に指された赤い肌の男は雫に向かって微笑むと、何も言う事なく質問を行う。
「おれは刑事であり、多くの人を犯罪から守る事を生き甲斐にしています。ですが、最近、それで迷っている事が増えまして」
「と、言うのは?」
お笑い芸人の問い掛けに孝太郎はひどく深刻そうな顔を浮かべて答えた。
「はい、あまりにも敵が強大過ぎるんです。奴らは魔法使いであり、怪しげな超能力を用いて、人々を自らの手脚として使います。人々を怪しげな魔法で蝕む魔女を倒すのにはどうすれば良いのかをおれに教えて欲しいんです」
孝太郎はそう言って目の前に立っている雫を強く睨む。予想外の質問に困惑した笑顔を浮かべる司会二人。
このまま何も言わずにお通夜ムードになるかと思われたのだが、あろう事か雫はその質問に堂々と返す。
「……成る程、それは大変ですね。でも、わたしなら絶対に手を引きます。だって、あなたの言う魔女は本当はただの女なのですから。あなたからはそう見えるだけでしょう。まずは偏見に満ちた主観を捨てる事が先決だと思います」
「ありがとうございます。それを聞くと、おれはますます引けなくなりました。あと、偏見に満ちているかどうかは分かりません。所詮は他人から見た自分ですからね。自分の事は自分が一番よく知っていますから」
孝太郎はそう言うと丁寧に雫に向かって頭を下げる。
雫はそんな孝太郎を睨み返す。これはまさに、光と影の互いの宣戦布告の合図だった。
本来ならば、彼は自身の薄暗くてもガラスの付いた立派な本棚に囲まれた執務室で気持ちよく仕事をしなければならない。が、彼は今はそれどころではないらしい。
と、言うのも他でもない。日本にてコネクションを担う人物の変更である。そうは言っても新しく取り扱う人物の人物自身に不満はない。問題はその組織。本業のマフィア組織ではなく、宗教団体なのである。
宗教団体が麻薬の一大コネクションの一端を担うなど聞いた事がない。
加えて、そのコネクションの大元である北京人民解放連盟のニコラス=呂までもがその宗教団体に入ってしまうとは。
ジュリオは両眉を顰めなが、引き出しの中にしまっていた葉巻を吸う。
両親から受け継いだ葉巻は彼の好物であった。彼は革張りの椅子に深く腰を掛け、葉巻を吸っていく。
そしてある程度、葉巻を吸い終わえて満足すると、口から白い煙を出していく。
葉巻を吸うのがジュリオの一日の楽しみであった。ジュリオは葉巻を吸い終わると、携帯端末を使用して部下を呼び出す。
通話に出なくても良い。バイブ音さえ鳴れば、部下はやってくる。
現れた黒色のツーピースのストライプスーツの男はジュリオに向かって用件を尋ねる。
ジュリオは一々喋らなければ、用件も分からない無能な部下に向かって言ってやる。
「日本の大樹寺雫について調べろ。こんな世間も知らないアルプスの少女みてーな純真そうなお嬢ちゃんに務まるのかがおれは不安でね」
ジュリオの指示を聞くと、部下の男は深々と頭を下げて部屋を後にしていく。
三日の時間が経った後に、部下の男はそのコネクションを担う人物についての情報を持って現れた。
大樹寺雫の情報が纏められた書類をジュリオに手渡し、ジュリオは写真が纏められた書類に目を通していく。
ジュリオは渡された書類を時に冷笑し、時に眉を顰めつつ読み終えていく。
読み終わった書類を机の上に置いて、彼自身の考えを部下に向かって告げる。
「な、し、だ。悪いが、今後の『トライアングル・コネクション』はおれじゃあなく、別の人物にやらせろ。あまりにもリスクが大きすぎる」
部下の男はボスの言う事が理解できずに聞き返す。
が、返答は同じ。やむを得ずに彼はボスに理由を問う。
ジュリオはそれに対して一言だけ告げる。
「勘だよ。こいつにだけはぁ、関わっちゃあならねぇって、おれの勘が告げてんだ。仕舞いにはおれのファミリーが貧乏籤を引いて、破滅しかねぇってな」
ジュリオの指示を聞き、部下の男はその決意をコミッションに伝える。
コミッションはジュリオが次々と力を付ける事に脅威を感じていた事もあり、それを素直に受け入れ、代わりにコミッションの有力マフィアのサラ・ザビアニを後任にあたらせようとしたのだが、その前にある一人の手を挙げた事により、それは頓挫してしまう。
手を挙げたのはジュリオ・カヴァリエーレの実の妹、コンスタンス・カヴァリエーレであった。
古臭いワンピースにボサボサの黒い髪の少女は到底、美人には見えない。
それでも、全員がこのコンスタンスには一目置いていたし、何より、彼女がしくじればそれを名目に勢力を伸ばしつつあるジュリオを叩き潰す事が出来る。
コミッションの見解は一致し、ジュリオの任を解く代わりに、彼女をその後任にあたらせたのだった。
ジュリオは彼女を阿呆と見下していたので、余計な手出しをする事なく彼女を独立させ、補佐だけを派遣させ、その任務を代行させる事で自身はその責任から逃れる事に成功した。
コンスタンスはそんな事も知らずに、日本における『トライアングル・コネクション』の新たなる責任者である大樹寺雫の元へと向かう。
「あの、あたしは試験の時のプレッシャーに弱いんですけれども、どうしたら良いでしょうか?」
「問題ない。わたしも試験ではそうだから。けれど、あなたが苦しむのは見ていられない。なので、わたしが良い方法を教えてあげよう」
雫は腹式呼吸を用いた深呼吸の方法とリラックスする時に連想する事を想像する事を教え、一般人である同い年の学生の質問に答えていく。
何故、こんな事をしているのかといえば、雫がテレビのバラエティ番組にゲスト出演し、テレビ番組に集まったゲストの人たちの質問に答えるというものであったからだ。ちなみにこの後にはコンスタンス・カヴァリエーレとの夕食会談が控えている。なので、延長はできないと局側にも伝えているので、余程の事がない限りは次の質問で終わりだろう。
雫はそう思いながら群衆の中に紛れた刑事を見やる。
あの刑事は相変わらずしつこい。どうしてやろう。雫が身構えそうになった時だ。肩を優しく叩かれて、
「いやぁ、流石だねぇ、天才少女は違うねぇ」
「そうそう、おじさんびっくりー。なんたって~」
と、バラエティ番組の司会を司る二人のお笑い芸人の男が雫を弄る。雫はそれに伴って年ごろの少女の様に恥ずかしそうに下に俯く。
当初は非難があったテレビ番組出演であったが、このテレビ番組が盛り上がる頃にはそんな非難の声も鳴りを潜め、このまま絶頂のままテレビ番組が終わるかと思われた時だ。
お笑い芸人の男が最後に一人の赤い肌をした青年を指した事により、雫の表情に翳りが見えた。
お笑い芸人に指された赤い肌の男は雫に向かって微笑むと、何も言う事なく質問を行う。
「おれは刑事であり、多くの人を犯罪から守る事を生き甲斐にしています。ですが、最近、それで迷っている事が増えまして」
「と、言うのは?」
お笑い芸人の問い掛けに孝太郎はひどく深刻そうな顔を浮かべて答えた。
「はい、あまりにも敵が強大過ぎるんです。奴らは魔法使いであり、怪しげな超能力を用いて、人々を自らの手脚として使います。人々を怪しげな魔法で蝕む魔女を倒すのにはどうすれば良いのかをおれに教えて欲しいんです」
孝太郎はそう言って目の前に立っている雫を強く睨む。予想外の質問に困惑した笑顔を浮かべる司会二人。
このまま何も言わずにお通夜ムードになるかと思われたのだが、あろう事か雫はその質問に堂々と返す。
「……成る程、それは大変ですね。でも、わたしなら絶対に手を引きます。だって、あなたの言う魔女は本当はただの女なのですから。あなたからはそう見えるだけでしょう。まずは偏見に満ちた主観を捨てる事が先決だと思います」
「ありがとうございます。それを聞くと、おれはますます引けなくなりました。あと、偏見に満ちているかどうかは分かりません。所詮は他人から見た自分ですからね。自分の事は自分が一番よく知っていますから」
孝太郎はそう言うと丁寧に雫に向かって頭を下げる。
雫はそんな孝太郎を睨み返す。これはまさに、光と影の互いの宣戦布告の合図だった。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる