親父の再婚相手が俺の元カノだった件について

アンジェロ岩井

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お付き合いから別れるまでをまぁ、適当に纏めただけの話です

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デートの日。
私は一応はお洒落をして、彼を待っていた。
一応とはいえ、私も人生初のデート。それなりに気合の入った服装だ。
前に買い物に行った時に買った、自慢の花柄のワンピース。それに、数年前の誕生日で買ってもらった金色のブレスレット。腕には緑色の帯をしたシンプルな腕時計。
顔にも、見様見真似の化粧を施している。
そして、待ち合わせ場所は街のショッピングセンター。
何処をどう見ても、お洒落なカップルに見えるだろう。
私がそんな事を考えていると、慌てた彼がやって来た。
青色のジーンズに白色のシャツという地味な格好の彼は私の前に着くと、両手で膝を掴んで、ハァハァと荒い息を吐いて、
「ごめん、待った?少し前の時間までバイトに時間取られてて、ごめんね、本当に」
「う、ううん。気にしてないよ」
私がそう言うと、彼は安堵の表情を浮かべる。
それから、彼は私を映画館へと連れて行く。
彼は私が観たい映画を観せてくれるらしい。何処ぞの学校日々(直訳)の主人公よりも、余程、配慮をしており、私は好感を持った。
学校日々の主人公は初デートで後のヒロインを暗示させる恋愛映画を観せて、気不味くなっていたから……。
と、そんな事を考えていると、スクリーンが浮かび上がり、そこに映画の内容が映し出されていく。
軽快な音楽と共に始まるアニメ映画に、私も、零も夢中になっていた。
映画が終わった後に食事を摂る事になり、彼は私をお洒落なイタリア料理の店に連れて行ってくれた。
バイト料が入ったばかりだと告げる彼は自らの懐を叩き、その懐の深さを私にPRしていく。
思えば、ここがターニングポイントであったのかもしれない。
彼はなんでも、自分一人でしようと言うのだ。
以後のデートでも、彼は学生には似つかわしくない高級なランチやディナーに連れて行ってくれ、欲しいとも言わないのに、高価なプレゼントを送ってくれた。
初めに言っておくが、私たちは高校生だ。
毎回、高価なプレゼントをされるたびに、私は申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう。
やはり、彼は無理をしているのだろう。学校では、彼が授業中にうたた寝している姿がよく見えた。
正直に言って、見ていられない。それに、毎回、毎回、強引に物をくれる事にも辟易していた。
だから、彼に告げたのだ。別れの言葉を。
彼は稲妻に打たれたように、その場で固まっていたが、これも彼のためだ。
これ以上、付き合っていれば、彼の体が壊れてしまいかねない。
仕方がない。そう言い聞かせて、私は茫然自失とした様子で立ちすくむ、彼を放ってその場を去っていく。
そして、その後は家に帰る気にもなれず、公園で泣いていた。
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