政略結婚が恋愛結婚に変わる時。

美桜羅

文字の大きさ
42 / 125
揺れ動く心

11

『目的地に到着しましたので、ナビを終了します。』

そう言うアナウンスが聞こえて。

目の前には沢山の黒光りした車が列をなしてる。

招待状に書かれている駐車場への案内を確認し、車をゆっくりと右折させた。

駐車場に着くと、係員が数名配備されていて、その係員に従って車を駐車して。

車から出ようと準備をしていると。

「…凄いパーティーですね。」

瑞紀がそう声をかけてきて。



最後だから、無視する事もないだろう。

「証券会社のパーティーだからね。大手企業の社長や、有力株主も招待されてるから。」

そう言い終わると同時に車から出ると。

それに続いた様に瑞紀も車から出る。

俺を見上げる瑞紀の顔を。

なるべく見ない様にしながら、歩き出した。



「ようこそいらっしゃいました。招待状の確認をさせていただきます。」

駐車場から少し歩いた所にあるパーティー会場の入り口に着いて。

そう言うスタッフの前へスーツの内ポケットから招待状を取り出す。

後ろに並んでる人達は、明らかに俺とはくらいが違う人達ばかりで。

目の前のスタッフは、持っていた名簿にチェックを入れてから、俺に微笑みかける。

「悠河様で間違いありませんか?」

「はい。」

それから、そのスタッフは瑞紀に向き直って
「そちら奥様の瑞紀様でございますね。」

ちら、と瑞紀を見下ろすと。

瑞紀は泣きそうな顔で。

「…はい。」

そう返事をすると。

そのスタッフは、俺に向かって
「綺麗な奥様をお持ちですね。とても良くお似合いです。」

その言葉に。

苦々しく笑う。

「…ありがとうございます。」

「では、中へどうぞ。」

スタッフのその声を合図に。

俺と瑞紀は、中へ足を踏み入れた。
感想 28

あなたにおすすめの小説

【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく

たまこ
恋愛
 10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。  多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。  もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。

氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁

瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。 彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。

愛せないはずの結婚でした

小鳥遊 れいら
恋愛
結婚30年目を迎えたと秀一と陽葵。決して順風満帆の夫婦とは言えないものであった。お互いに忘れられない人がいた中で政略結婚により結ばれた2人は少しずつお互いを知り、深めていった。様々な困難、壁にぶつかりながらもだがいに支え合っていった秀一と陽葵。秀一の元恋人が現れたり、陽葵の亡き恋人のお兄さんが現れたりして試される夫婦の絆。 20年前の私たちには想像もできなかった30年間の夫婦生活と数え切れないほどの思い出を作ることができた。 20年前のわたしへ、私は今とても幸せです。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

【完結】彼を幸せにする十の方法

玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。 フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。 婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。 しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。 婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。 婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。

【完結】お飾り妃〜寵愛は聖女様のモノ〜

恋愛
今日、私はお飾りの妃となります。 ※実際の慣習等とは異なる場合があり、あくまでこの世界観での要素もございますので御了承ください。

【完結】あなたに抱きしめられたくてー。

彩華(あやはな)
恋愛
細い指が私の首を絞めた。泣く母の顔に、私は自分が生まれてきたことを後悔したー。 そして、母の言われるままに言われ孤児院にお世話になることになる。 やがて学園にいくことになるが、王子殿下にからまれるようになり・・・。 大きな秘密を抱えた私は、彼から逃げるのだった。 同時に母の事実も知ることになってゆく・・・。    *ヤバめの男あり。ヒーローの出現は遅め。  もやもや(いつもながら・・・)、ポロポロありになると思います。初めから重めです。

愚かな恋

はるきりょう
恋愛
そして、呪文のように繰り返すのだ。「里美。好きなんだ」と。 私の顔を見て、私のではない名前を呼ぶ。