異世界!? 神!? なんで!?

藤谷葵

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第1章

第14話:どういう意味?

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 翌朝。

「ふぁ~」

 起床してあくびをしつつ、伸びをする。昨日は湖や森ができたことを除き、この村に来てから初めての楽しかった日。なんとなく目覚めもすっきり。それにしても何かを焼いた匂いがする。なんだろう?
 そんなことは別にいいかと、今日の予定を考える。

(今日は何をしようかな? 考えつかない……)

 ミシアさんが小さい子たちの面倒を見ていた。
 
「おはよう」
「おはよう」

 とりあえずミシアさんに朝の挨拶をして、室内を見渡す。既にお手伝い組は出かけているようだ。ミシアさんと小さい子だけが残っている。

「朝ご飯よ。昨日は夜遅くまで起きていたからぐっすり寝てたわね。ふふっ」

 ミシアさんが自分の事のように嬉し気に微笑んだ。他の孤児たちはお手伝いに出かけたというのに、私ときたら……恥ずかしくて穴があったら入りたい。
 朝ご飯は焼き魚と硬いパン、そして具なしスープと木の実ジュース。何かを焼いた匂いは魚だったか。豪華になったけど、スープが具なしなのが気になる。どうしたらいいんだろう? もう土の改良はしたから、後は作物ができあがるのを待つだけかな……。
 口をもぐもぐさせながら考える。
 食べ終わって食器を片付けた。

「ごちそうさまでした。ちょっと出かけてくるね」
「はいはい、いってらっしゃい」

 ドアの取っ手に手をかけて、立ち止まり、ミシアさんの方に振り返る。

「昨日の村人たちの様子……ミシアさんが橋渡しをしてくれたんでしょ?」

 ミシアさんは笑顔で「ふふ、どうなんだろうね」。 それだけを口にした。
 私は内心でミシアさんが、村人に何かを言ってくれたと確信している。過ごした日々は短いけれど、ミシアさんのことは分っているつもりだ。

(せっかくミシアさんが私のために、頑張ってくれたんだ。私もミシアさんの為に、いや、村人みんなのために、できることを頑張ろう)
 
 私はドアを開けて出かける。ミシアさんが手を振り、温かい笑顔で送り出してくれた。
 気になっているスープの具材。いや畑の様子を見に行こうとすると、女性たちと子供が畑仕事をしていた。あれ? 男性たちは?
 その疑問は考えても分からないので、畑の様子を見たい。だが、昨日の宴会が夢のようだったので、本当に夢だったのでは? と疑ってしまい、ついつい畑に近寄りづらくなる。

「サオリ、おはよう」

 突然、畑仕事をしていた女性が、私に気づき、笑顔で挨拶してきた。ドキドキしつつ挨拶を返す。

「お、おはようございます」
「改めてありがとうね。サオリのおかげで村は活気づいてきたわ」

 『改めて』。その言葉を聞き、昨日の事は夢ではなかったと実感した。
 せっかく話しかけてくれたので、チャンスと思い、畑を見学させてもらうことにした。

「ちょっと畑を見学させて貰ってもいいですか?」
「うん? いいけど、それ楽しい?」

 苦笑いをされてしまった。少し恥ずかしくなりつつも、『この世界を幸せにする』という大義名分があるので、勇気を振り絞り畑を調べ始める。

(土の様子は……)

 少しだけ摘んで手のひらにのせてみる。水分量はちょうど良さそうだ。ゴメラスのおかげで土は良質になり、シルキーのおかげで、陽は当たるし風通しも良くなった。
 苗を見ると心なしかシャキッとしている気がする。まあ植えたものが急に育ちが良くなるとは思えないので、これからが期待できそうだ。
 土を観察していた私の背後から、突然声をかけられる。

「サオリ、土なんかいじって何してんだ?」

 私はドキリとして、後ろを振り返る。そこにはリアムが立っていた。

「つ……土の様子を見ていただけだよ」
「お前、土の様子がわかるのか? 湖や森を見つけたことといい、すげえな!」

 リアムは目を輝かせつつ、興奮している。余計なことを言っちゃったかな?
 私は慌てて誤魔化す。

「い、いや、作物育ってお腹いっぱいに食べれたらいいなぁ~って思って」

 そう答えると、リアムは照れつつ頬を掻いて答える。

「俺がそのうち、サオリにお腹いっぱい食べさせてやるよ!」

 そう言うとリアムは走って去っていた。
 そんな照れくさい言葉に、私は思わず頬が火照る感じがした。

(え? どういう意味?)

 そんなことを思っていたら、畑の女性の存在を思い出した。視線を向けるとにやにやしていた。
 私は立ち上がり、何事もなかったように、手についた土を払い落とす。そして疑問に思っていたことを質問した。

「あの……え~っと……」

 言いたいことが喉まで出ているのに、聞きづらい。だがありがたいことにその女性は察してくれた。

「そういえば自己紹介をしてなかったね。あたいの名前はマーニャ」
「あ! はい! それで、マーニャさん、どうして女性と子供だけが畑仕事をしているの? 男性はどうしたの?」

 マーニャさんはその質問に嬉しそうに答えた。

「ああ、森に材木になりそうな木を取りに行ったよ。村の家もあちこち傷んでいるから修理しないとね」

 私が最初に村に来たときと様子が変わった気がする。いや、確実に変わっている。最初来た時は、村人みんな活気がなかったが、今は村全体が活気に満ちている。

(あとは私の出番はなさそうだな)

「私にも畑仕事を手伝わせて下さい!」

 マーニャさんは目を真ん丸にして驚いている。そしてにこやかに私を見た。

「ありがとう。手伝ってくれる?」
「はい!」

 私は労働に汗水たらした。
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