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第1章
第20話:洞窟
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湖と森は南西にある。私は南東へと歩いていく。なぜ北方面ではなく、南方面の開拓を考えるのかというと、単純に『南の方が食べ物などが沢山ありそう』だからである。暖かい地域だと作物が育つが、寒いと育たないというのはよくある話。お花とかもそうだしね。
歩いていくと、険しい山に差し掛かる。
ぺたぺたとごつごつした山を触ってみて、考える。
(この山で鉱石の採掘とかできたりしないのかな……)
辺りを見渡し、手頃な石を集める。そして、その石を積み上げた。迷子にならないための目印である。
(よし、ここがスタート地点だ)
私は険しい山に沿って、意気揚々と進んでいく。
すると洞窟が見えてきた。
私はそっと中を覗き込む。黒雲があった頃なら真っ暗で中は全然見えなかったかもしれないけれど、うっすらと中の様子は見える。これから何か得られるかもしれないという期待感と、何か怖いものがいないかという恐怖感で心がいっぱいになる。
洞窟の中を警戒しつつ、少しずつ中に入っていく。
中に進むにつれて暗くなっていき、段々と怖くなってきた。
(明かりが欲しい……)
そう考え、魔法創造を使う。『光魔法』である。
私は早速光魔法を使った。手のひらにぽわっと光の玉が出てきた。
明かりを得たものの、そんなに遠くまでは明るくならなかったが、ないよりはマシだ。
進んでいく。すると奥の方で何かがうごめいている。確認するために慎重に進んでいく。すると、私のライトの魔法に反射して、薄暗い中に光るものが見える。うごめくものの、どれも対になっているので、目かもしれない。
「……だ、誰かいるの?」
私は恐れて声が出ず、必死にのどから声を絞り出し、小声で発する。だが、返事はない。
少し考えるが、人かもしれない。旅人が弱っているとか? 私は確認すべく、歩を進める。
洞窟は少し広場になっており、その空間は不思議な光景だった。
草食動物と肉食動物たちが集まっている。何か本で読んだことがある『動物は危機を乗り越えるために弱者強者関係なく寄り添うようなことがある』と。まさにその光景である。
何故寄り添っているのか? まじまじ見つめつつ少し考えるが、この子たちを見て気づいた。この子たちはやせ細っている。食べ物を食べていないのだろう。
私はこの子たちを刺激しないように、そっと洞窟を出た。そして、急いで森へと向かう。
森に辿り着くと、辺りを見渡す。村人らしき人影は見当たらない。
そっと小声で囁く。
「フォルちゃん、いる?」
「はい、女神様。いえ、女神エレメリス様でしたっけ。失礼しました」
「フォルちゃん、なんでその名前を知っているの?」
私はフォルちゃんに、『女神エレメリス』の名前を話した覚えはない。
「この前、シルキーという子に聞きました。シルキーはこの辺一帯を管理していますからね」
なるほど。この森も黒雲の影響を受けて、最初の頃は薄暗かったが、今は木漏れ日が明るい。シルキーがここの黒雲を吹き飛ばしたからであろう。それならばシルキーがここに来たというのも頷ける。
私ははっと用件を思い出した。そしてスカートの裾を掴んで広げる。
「フォルちゃん、このスカートいっぱいに木の実を頂戴!」
すると、フォルちゃんが辺りを飛び回り、木の実を集めてくれた。
私はスカートいっぱいになった木の実を持って、先ほどの洞窟へと戻っていった。
洞窟の前に着いた。今度は中の状況を把握しているので怖くない。私は転んで木の実をばらまかないように気を付けて歩いた。
ライトの魔法は手のひらではなく、私の前を一定間隔を保ちつつ、ふわふわと進んでいく。
そして、動物たちの集まっている場所に行き、目の前でスカートの裾を離して、動物たちの前にばらまいた。しかし、動物たちは食べない。この世界の動物が食べれないもの?
疑問に思いつつ、木の実を一つ摘んで、うさぎに与えてみる。するとハグハグと食べている。どうやら食べる力がないだけで、食べることができてほっとした。私は次々に他の動物たちにも与える。『肉食動物っぽい子は食べないかな?』と思ったが、食べた。よほどの緊急事態なのかもしれない。事情を知りたいと思った私は、動物の心が読めないかと考える。
(そうだ! スキル創造!)
スキル創造で、『動物言語』を創造した。
「あなた達はここで何をしているの?」
『食べ物がなく、行き場がないんだよ。食事をしないと体温も維持できないから、みんなで寄り添っていたけど、もう動けなくなるほどみんな飢えた。そこに君がやってきたんだ』
『行き場がない』
なるほど。確かに村の外には何もなかった。作物も村の人々が生活する分がやっとであろう。村に近づいて作物を取ろうとしても、村人たちが追い払うことは容易に想像できる。
だが、今は湖がある。森がある。そこで私は提案してみる。
「ねえ、西の方角に湖と森があるんだけど、そこへ住んだら?」
『湖と森? 今までなかったけど?』
『私が神様で作りました』と言っていいのか悩む。この世界の事をなにも知らない。もしかしたら私が女神であり、湖と森を作ったという話が広まってしまうかもしれない。
「え、えっと、とにかくあったの」
『でも、僕たちはまだ動けないよ……』
「じゃあ、私が木の実を運んでくるから、それを食べて元気になったら、みんなで森に行こうよ!」
『『『……うん』』』
みんな、なんとなく前向きではない返事。疑問に感じていると、それを代表するかのように狐が質問をしてきた。
『なんで助けてくれるの?』
その言葉に考える。自分でも何故? と思う。神様だからとは言えない。
「お友達になりたいからかな?」
私は実際に、この子たちと仲良くなりたいと思った。
歩いていくと、険しい山に差し掛かる。
ぺたぺたとごつごつした山を触ってみて、考える。
(この山で鉱石の採掘とかできたりしないのかな……)
辺りを見渡し、手頃な石を集める。そして、その石を積み上げた。迷子にならないための目印である。
(よし、ここがスタート地点だ)
私は険しい山に沿って、意気揚々と進んでいく。
すると洞窟が見えてきた。
私はそっと中を覗き込む。黒雲があった頃なら真っ暗で中は全然見えなかったかもしれないけれど、うっすらと中の様子は見える。これから何か得られるかもしれないという期待感と、何か怖いものがいないかという恐怖感で心がいっぱいになる。
洞窟の中を警戒しつつ、少しずつ中に入っていく。
中に進むにつれて暗くなっていき、段々と怖くなってきた。
(明かりが欲しい……)
そう考え、魔法創造を使う。『光魔法』である。
私は早速光魔法を使った。手のひらにぽわっと光の玉が出てきた。
明かりを得たものの、そんなに遠くまでは明るくならなかったが、ないよりはマシだ。
進んでいく。すると奥の方で何かがうごめいている。確認するために慎重に進んでいく。すると、私のライトの魔法に反射して、薄暗い中に光るものが見える。うごめくものの、どれも対になっているので、目かもしれない。
「……だ、誰かいるの?」
私は恐れて声が出ず、必死にのどから声を絞り出し、小声で発する。だが、返事はない。
少し考えるが、人かもしれない。旅人が弱っているとか? 私は確認すべく、歩を進める。
洞窟は少し広場になっており、その空間は不思議な光景だった。
草食動物と肉食動物たちが集まっている。何か本で読んだことがある『動物は危機を乗り越えるために弱者強者関係なく寄り添うようなことがある』と。まさにその光景である。
何故寄り添っているのか? まじまじ見つめつつ少し考えるが、この子たちを見て気づいた。この子たちはやせ細っている。食べ物を食べていないのだろう。
私はこの子たちを刺激しないように、そっと洞窟を出た。そして、急いで森へと向かう。
森に辿り着くと、辺りを見渡す。村人らしき人影は見当たらない。
そっと小声で囁く。
「フォルちゃん、いる?」
「はい、女神様。いえ、女神エレメリス様でしたっけ。失礼しました」
「フォルちゃん、なんでその名前を知っているの?」
私はフォルちゃんに、『女神エレメリス』の名前を話した覚えはない。
「この前、シルキーという子に聞きました。シルキーはこの辺一帯を管理していますからね」
なるほど。この森も黒雲の影響を受けて、最初の頃は薄暗かったが、今は木漏れ日が明るい。シルキーがここの黒雲を吹き飛ばしたからであろう。それならばシルキーがここに来たというのも頷ける。
私ははっと用件を思い出した。そしてスカートの裾を掴んで広げる。
「フォルちゃん、このスカートいっぱいに木の実を頂戴!」
すると、フォルちゃんが辺りを飛び回り、木の実を集めてくれた。
私はスカートいっぱいになった木の実を持って、先ほどの洞窟へと戻っていった。
洞窟の前に着いた。今度は中の状況を把握しているので怖くない。私は転んで木の実をばらまかないように気を付けて歩いた。
ライトの魔法は手のひらではなく、私の前を一定間隔を保ちつつ、ふわふわと進んでいく。
そして、動物たちの集まっている場所に行き、目の前でスカートの裾を離して、動物たちの前にばらまいた。しかし、動物たちは食べない。この世界の動物が食べれないもの?
疑問に思いつつ、木の実を一つ摘んで、うさぎに与えてみる。するとハグハグと食べている。どうやら食べる力がないだけで、食べることができてほっとした。私は次々に他の動物たちにも与える。『肉食動物っぽい子は食べないかな?』と思ったが、食べた。よほどの緊急事態なのかもしれない。事情を知りたいと思った私は、動物の心が読めないかと考える。
(そうだ! スキル創造!)
スキル創造で、『動物言語』を創造した。
「あなた達はここで何をしているの?」
『食べ物がなく、行き場がないんだよ。食事をしないと体温も維持できないから、みんなで寄り添っていたけど、もう動けなくなるほどみんな飢えた。そこに君がやってきたんだ』
『行き場がない』
なるほど。確かに村の外には何もなかった。作物も村の人々が生活する分がやっとであろう。村に近づいて作物を取ろうとしても、村人たちが追い払うことは容易に想像できる。
だが、今は湖がある。森がある。そこで私は提案してみる。
「ねえ、西の方角に湖と森があるんだけど、そこへ住んだら?」
『湖と森? 今までなかったけど?』
『私が神様で作りました』と言っていいのか悩む。この世界の事をなにも知らない。もしかしたら私が女神であり、湖と森を作ったという話が広まってしまうかもしれない。
「え、えっと、とにかくあったの」
『でも、僕たちはまだ動けないよ……』
「じゃあ、私が木の実を運んでくるから、それを食べて元気になったら、みんなで森に行こうよ!」
『『『……うん』』』
みんな、なんとなく前向きではない返事。疑問に感じていると、それを代表するかのように狐が質問をしてきた。
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