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第2章
第8話:女神目撃?
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メイドとして働くために、面接をする見覚えのある屋敷。
私は首をギギギとアスリーさんの方に動かして、屋敷の方を指差す。
「も……もしかしてメイドの仕事って、ジェームスさんの屋敷だったりする」
「ん? そうだけど? 何か問題でもあるのか?」
アスリーさんは、きょとんとした顔で聞いてきた。
「い、いや、問題ないよ?」
自分で言いつつ、語尾が疑問形になっている。ジェームスさんとは一度面識がある。絶対記憶でその時の状況を記憶はしているが、それが失礼になっていなかったかは、私の道徳観次第なので、自分が取った態度や発言に問題があったかどうか、不安になった。
アスリーさんの案内で、門をくぐり抜けて正面玄関まで行く。相変わらず庭園は萎れたようになっていた。
玄関の前に立つと、アスリーさんがノックをした。
少しするとノックに反応したようで、ドアが開く。そこには、背筋がピンと伸びて、厳しそうな顔をしたおばあさんのメイドさんがいる。
(おばあさんでもメイドになれるのか~、本当に誰でもいい感じなんだな)
そう思い、まじまじとそのメイドさんを見つめていると、隣にいたアスリーさんが口を開く。
「こんにちは。メイド長シャーリーさん、この子がこの前に話した、メイド希望の子です」
(メイド長! メイドの長か! うひ~、この人が上司になるかもしれないのか。怖い顔をしているんだけど)
シャーリーさんは、顔色一つ変えずに、淡々と事務的に対応する。
「その子ですか……今、領主様に急な業務が入り込んで、メイドの面接の子がもう一人待っています。二人まとめて面接を受けさせましょう。ついてきなさい」
その言葉を聞いて、アスリーさんの方を見上げる。アスリーさんは頷き、握った右拳の親指を立てて見せた。私は覚悟を決めて、屋敷内に入った。アスリーさんは、手を上げて「それじゃあ」と挨拶をして仕事に戻って行った。
シャーリーさんがドアを閉める。逃げられない檻に入れられた気分である。……取って食われたりしないよね?
シャーリーさんの後をついて、廊下を歩く。シャーリーさんは背筋がぴんとしていて、綺麗な歩き方をしている。昔はどこかいい所のお嬢さんだったのだろうか?
考えているうちに、一つの部屋の前に案内された。この前、ジェームスさんと会った部屋とは別の部屋。
「ジェームス様の急な業務が終わるまで、この部屋でお待ちなさい」
そう言うと、シャーリーさんは部屋のドアを開けた。そこにはもう一人女の子がいた。私と同じくらいの年に見える。ふわふわとした長い金髪だが、手入れが行き届いていないために、髪が所々、ぴょこぴょこと飛び跳ねている。そして、服装も私よりもぼろぼろ。
私かこの子のどちらかがメイドとして雇われるのか、それとも二人とも雇われるのか分からない。もしも二人とも受かって同僚として働く場合を考えて、笑顔で挨拶をしておく。
「こ、こんにちは」
「ふんっ!」
嫌そうな顔をされて、そっぽを向かれた。どうやら、その子は私のことを同僚とは考えずに、面接のライバルと考えたらしい。
私はシャーリーに促されて、部屋に並ばれている椅子に座った。待合室として準備されているようだ。そんなに面接に来る人いるのかな?
「では、面接の時間になったら、呼びに来ますので、大人しく待っていなさい」
そう言うと、シャーリーさんは部屋から出て行った。
部屋の中に、気まずい空気が漂う。私はその状況を打開すべく、その女の子に声をかける。
「私はサオリ。よろしくね」
私は握手をしようと手を出す。その女の子は私の手を見つめてから、そっぽを向いて答える。
「メイよ! よろしくはしないわ! メイドになるのはあたしよ!」
やっぱり敵として見られている。だが、メイちゃんは鼻高々に語る。
「あたしは女神様に祝福されているのだから、当然私は合格するわ!」
「え?」
メイちゃんの言いたいことがよくわからない。疑問符を頭の上に浮かべて、ぽかんと間抜け面をした私にメイちゃんが付け足す。
「何しろ私が夜、畑にいた時に、女神様が現れたのだから!」
え? 女神が現れた? どういうこと? この世界に私以外に女神様がいるってこと? いや、リオルタス様の話だと、人手が足らないから、一つの異世界に複数の神様を送り込むということは考えられない。状況が把握できずに質問をした。
「えっと……女神様ってどういうこと?」
「あたしが畑に作物を盗みに行ったときに、何かが羽ばたく音がしたの! 空を見上げたら、翼の生えた金髪の女性だったの! きっと女神様よ!」
(ぶほっ!?)
私は心の中で吹き出した。
畑に盗みに行ったというワードも気になるが、そこよりも衝撃的な話が出てきた。どうやら私がこの前、川の源流に行ったときに、姿を見られていたようだ!
(まさかあの時間帯に起きている人がいるとは……いや、盗みに行くために、あえて逆の行動を取っているのか……)
盗みに行ったと言っているが、すごくドヤ顔である。盗みのことよりも、女神を見かけたことの方が、驚きで自慢したいことなのであろう。
その後、メイちゃんは、勝手に想像した女神様のことをべらべらとしゃべっている。かなり美化されている気がする。
余計に気まずい空気となった部屋で脂汗を掻きつつ、私は「早く面接始まって」と祈り始めた。
私は首をギギギとアスリーさんの方に動かして、屋敷の方を指差す。
「も……もしかしてメイドの仕事って、ジェームスさんの屋敷だったりする」
「ん? そうだけど? 何か問題でもあるのか?」
アスリーさんは、きょとんとした顔で聞いてきた。
「い、いや、問題ないよ?」
自分で言いつつ、語尾が疑問形になっている。ジェームスさんとは一度面識がある。絶対記憶でその時の状況を記憶はしているが、それが失礼になっていなかったかは、私の道徳観次第なので、自分が取った態度や発言に問題があったかどうか、不安になった。
アスリーさんの案内で、門をくぐり抜けて正面玄関まで行く。相変わらず庭園は萎れたようになっていた。
玄関の前に立つと、アスリーさんがノックをした。
少しするとノックに反応したようで、ドアが開く。そこには、背筋がピンと伸びて、厳しそうな顔をしたおばあさんのメイドさんがいる。
(おばあさんでもメイドになれるのか~、本当に誰でもいい感じなんだな)
そう思い、まじまじとそのメイドさんを見つめていると、隣にいたアスリーさんが口を開く。
「こんにちは。メイド長シャーリーさん、この子がこの前に話した、メイド希望の子です」
(メイド長! メイドの長か! うひ~、この人が上司になるかもしれないのか。怖い顔をしているんだけど)
シャーリーさんは、顔色一つ変えずに、淡々と事務的に対応する。
「その子ですか……今、領主様に急な業務が入り込んで、メイドの面接の子がもう一人待っています。二人まとめて面接を受けさせましょう。ついてきなさい」
その言葉を聞いて、アスリーさんの方を見上げる。アスリーさんは頷き、握った右拳の親指を立てて見せた。私は覚悟を決めて、屋敷内に入った。アスリーさんは、手を上げて「それじゃあ」と挨拶をして仕事に戻って行った。
シャーリーさんがドアを閉める。逃げられない檻に入れられた気分である。……取って食われたりしないよね?
シャーリーさんの後をついて、廊下を歩く。シャーリーさんは背筋がぴんとしていて、綺麗な歩き方をしている。昔はどこかいい所のお嬢さんだったのだろうか?
考えているうちに、一つの部屋の前に案内された。この前、ジェームスさんと会った部屋とは別の部屋。
「ジェームス様の急な業務が終わるまで、この部屋でお待ちなさい」
そう言うと、シャーリーさんは部屋のドアを開けた。そこにはもう一人女の子がいた。私と同じくらいの年に見える。ふわふわとした長い金髪だが、手入れが行き届いていないために、髪が所々、ぴょこぴょこと飛び跳ねている。そして、服装も私よりもぼろぼろ。
私かこの子のどちらかがメイドとして雇われるのか、それとも二人とも雇われるのか分からない。もしも二人とも受かって同僚として働く場合を考えて、笑顔で挨拶をしておく。
「こ、こんにちは」
「ふんっ!」
嫌そうな顔をされて、そっぽを向かれた。どうやら、その子は私のことを同僚とは考えずに、面接のライバルと考えたらしい。
私はシャーリーに促されて、部屋に並ばれている椅子に座った。待合室として準備されているようだ。そんなに面接に来る人いるのかな?
「では、面接の時間になったら、呼びに来ますので、大人しく待っていなさい」
そう言うと、シャーリーさんは部屋から出て行った。
部屋の中に、気まずい空気が漂う。私はその状況を打開すべく、その女の子に声をかける。
「私はサオリ。よろしくね」
私は握手をしようと手を出す。その女の子は私の手を見つめてから、そっぽを向いて答える。
「メイよ! よろしくはしないわ! メイドになるのはあたしよ!」
やっぱり敵として見られている。だが、メイちゃんは鼻高々に語る。
「あたしは女神様に祝福されているのだから、当然私は合格するわ!」
「え?」
メイちゃんの言いたいことがよくわからない。疑問符を頭の上に浮かべて、ぽかんと間抜け面をした私にメイちゃんが付け足す。
「何しろ私が夜、畑にいた時に、女神様が現れたのだから!」
え? 女神が現れた? どういうこと? この世界に私以外に女神様がいるってこと? いや、リオルタス様の話だと、人手が足らないから、一つの異世界に複数の神様を送り込むということは考えられない。状況が把握できずに質問をした。
「えっと……女神様ってどういうこと?」
「あたしが畑に作物を盗みに行ったときに、何かが羽ばたく音がしたの! 空を見上げたら、翼の生えた金髪の女性だったの! きっと女神様よ!」
(ぶほっ!?)
私は心の中で吹き出した。
畑に盗みに行ったというワードも気になるが、そこよりも衝撃的な話が出てきた。どうやら私がこの前、川の源流に行ったときに、姿を見られていたようだ!
(まさかあの時間帯に起きている人がいるとは……いや、盗みに行くために、あえて逆の行動を取っているのか……)
盗みに行ったと言っているが、すごくドヤ顔である。盗みのことよりも、女神を見かけたことの方が、驚きで自慢したいことなのであろう。
その後、メイちゃんは、勝手に想像した女神様のことをべらべらとしゃべっている。かなり美化されている気がする。
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